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始まりは……
「バイバイ、あゆ……元気でね!私たちのこと忘れないでね…!」
「当たり前じゃん…!忘れないよ!!」
「あゆ、そろそろ行くわよ」
「あっ………じゃあみんな…元気でね…!」
中学二年生の夏。
私、近藤あゆは父親の転勤で、14年間ずっと暮らしてきた北海道を離れ、東京へ引越すことになった。
そして今日は、出発の日。
クラスの友達が、見送りに来てくれたのだ。
みんな、今まで本当にありがとう。
私は、東京に行ってしまうけどみんなのこと忘れないから、みんなも忘れないでね。
この時の私は、思ってもみなかった。
これから、私の人生が大きく左右する出会いが待っているなんて……。