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競売

競売

セントラルに申し込まれる依頼をギルドが入札し、最低額で入札したところに仕事の依頼を受けることができる

「何はともあれ、このギルドに登録させてもらうぞ」

ポルフは半ば強引にギルド登録を行った


競売当日

「ポルフさん、本当に大丈夫でしょうか?」

「大丈夫だ、絶対にうまく行く」

3人で競売会場へ向かった

そこには競売相手たちが先に到着していて、何やら談笑している

「なんか競売の雰囲気のかけらもないわ」

「それはそうです

…向こうは仕事を取る人が決まってますからね」

それは、三大ギルドが他の小規模ギルドを潰すために組んでいる同盟によるもの

毎回、ローテーションのように利益ギリギリの金額で仕事を持って行くため、小規模ギルドは競売会場にすらきていない

「それでは皆様、これより競売を開催します

入札を希望される仕事の箱へ用紙を投票してください」

三大ギルドの関係者は素早く紙をいれて行く

「…………」

「ほら、行ってきな」

アッシュはポルフにせかされて紙を箱にいれに行く

どうやら、三大ギルドはこちらのことなど興味がないようだ

決まりきったことを決まり通り行う

ただそれだけのようなことだった

たった4社の競売はすぐに終わった

「では、これより結果をお知らせします」

担当者がこちらに見えないように箱の中身を確認する

「………今回の仕事の入札は、グリーンフォレスト様に決定いたしました

グリーンフォレスト様はこちらの書類にサインをお願いします」

「⁉」

「よし!」

他のギルドが驚きを見せながら、競売は終了した


グリーンフォレスト

「それで大丈夫なの…報酬が1Gで」

アッシュが不安そうにな顔を向ける

「大丈夫よ、安心して」

リンゴのような果物が5G程度なので報酬が1Gとは破格を通り越している

「さて、早速仕事といこうか

アッシュ、地図を出してくれ」

アッシュが周辺の地図を広げる

「これから、私とレイでこのオールドグローブに向って依頼の新緑の実を採取してる」

「ここからだと行きに一日、採取に一日、帰りに一日かかりますね

しっかりと準備していかないと」

「そうだな、普通は」

?………普通は?

ポルフは意味ありげな表情をしていた


私はポルフと共にオールドグローブへと出発した

クロスタウンとオールドグローブの直線距離は約10km

しかし、それを遮るかのように大きな渓谷が存在し、迂回しなければならない

迂回路は約50kmあり、小高い丘を越えていかなければならない

「さて…」

出発して30分ほど歩いたところで渓谷にたどり着いた

向こう岸まで5km程あるらしい

そんな場所でポルフは一粒の種を取り出し、ガチガチの台地へと置いた

「この地に溢れるマナよ」

ポルフは手を組み、願うように言葉を紡ぐ

「ここに天空を突く槍が種子の末裔あり

古の姿をここに再現し、かの地へと運ぶ橋をここに生み出さん」

台地に置かれた種が緑の光を放ち、地面へと潜って行く

「ここに蘇れ、ランサーズウッド!」

バシュッ‼

台地から伸びた芽は空を目指し、まっすぐ伸びる

「………」

私はその光景をまじまじと見ることしかできなかった

程なくして、それは伸びるのをやめた

そして…………

ごごごご……………

音を立てて向こう岸へと倒れた



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