旅路
ポルフと7日間で二つの山と一つの森を越えてクロスタウンへとたどり着いた
「さて…ここがクロスタウン
物と金が交差し、権利と地位を求めるものたちの聖地だ」
そこはかつての世界の都会を思わせるほどの賑わいがある
「これからどうするの?」
「まず、セントラルに市民としての登録を行う
ここの市民になるのには金は要さないが、就労の義務を負う
スミスなどで大きな店を持つ時は上級市民として登録し、税金を払う必要がある
セントラルはスミスやギルドから税金を徴収する
つまり、私たちの手元にくるのは税金を引かれた額ということだ
無法共達にそういうことを言われて、気にするとろくなことがないからな」
仕事かぁ…
「ポルフ、私はしごとどうしよう?」
「ううむ…
治安の良さで選んだが、ここにはスミスの見習いを雇うところはなかったはず…
そうなると、ギルドに登録するしかないな」
「ギルド?」
「仕事の斡旋所みたいなところで、この街では三つのギルドが大半の仕事を取り合っているから、そのどれかにはいればいいだろう
とにもかくにも、セントラル行くぞ」
ポルフに続いて街を歩いていると天にそびえる塔が見えてきた
「高い……」
「あそこがセントラル
下階には役人どもが働いているが、中階層には上級市民の住居や、貴族の溜まり場などがある」
「最上階は?」
「天空の王が住んでいると言われている」
「天空の王?」
「ギルドにはクラス制度というものがあり、A〜Eまでの5つのクラスで構成されている
クラスは仕事による貢献度などで変動し、自分と同じもしくはそれ以下のランクしか仕事を受けることができない
Eは、ビギナークラスで誰もがギルドに入るとこのクラスになる
Dは、シングルハンドといって駆け出しのクラス
Cは、ダブルハンド、一人前とされていて大体の仕事はこのクラスで受けることができる
Bは、ベテランクラス、大きい仕事がまいこんできやすい
Aは、エキスパートクラス、もはや大きい仕事しかない
ギルドの力っていうのはA、Bのクラスの者をどれだけ保有しているかに注目されやすい」
「天空の王って人はAクラスのなの?」
「ふふふ、実はそれ以外にもクラスがあってな
どのランクでも一分野において著しい成果を残すことで与えられるSクラス…スペシャリストというのがある
これはギルドを統括するセントラルから与えられる
スペシャリストになると、ギルド以外にセントラルからも依頼が来るようになる
さらに、その上にはMクラス、マスターがいる
これは複数の分野で著しい成果を残すこともしくは、指導したものがスペシャリストになることで貢献したということで与えられる
さらにその上にLクラス…レジェンドがいる
マスター現在10名いるが、レジェンドは歴史上4人しか発生していない
ここにきた理由が、治安がいいと言ったのはレジェンドの天空の王がいるからだ隣国も他の部族も天空の王に喧嘩を売るものはいない
ゆえに、治安が良く中立として立ち回れている」
「レジェンド…」
「来る途中に大きな渓谷があったな…あれは天空の王が作ったものだと言われている」
「えっ…あの数キロに渡って底が見えないような渓谷を?」
「ああ、あの渓谷をだ」
そんな話をしているとセントラルについた