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BRackHeart  作者: 慧波 芽実
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7

最終話です。以外に早かった



ひかりは優しいから。

ひかりは暖かいから。

僕のことを誰にも言わなかったんだね。僕はひかりに罪を与えてしまったね。

ごめん、ひかり。ごめん……。

許して欲しいなんて思っていない。むしろ、許さないでほしい。

親父を殺した僕を恨んでほしい。家族を壊した僕を憎んでほしい。

どうか、僕を一生許さないでほしい。

ひかりももう……18歳。あの日の僕と同じ年齢だ。

ひかりにはひかりって名前の通り、ひかり輝く未来がある。

ひかりのこの先は僕とは違う。違うから、どうか笑ってほしい。幸せになってほしい。

誰よりも、誰よりも幸せになってほしい。

きっと、僕とひかりのこの先は交わることがないと思う。交わらないほうがいいと思う。

だから、といってはなんだけどひかりの一生分には少し少ないだろうがお金を振り込ませてもらった。その額のお金は、普通四年では準備出来ないと思う。

僕はあれからいろいろ汚いことに手を染めた。でも、そんなお金でも使ってほしい。

汚いお金だけど、今の僕がひかりの為に出来る唯一のことだから。

これからのひかりのために、できる最後のことだから。

僕はこれから警察に行こうと思う。もしかしたらまたひかりのところに警察がくるかもしれない。

そのときは「知らない」と言ってほしい。ひかりに迷惑はかけたくないんだ。僕は本当にひかりをー……。





涙がこぼれた。私なんかの為にどれだけお兄ちゃんは自分を犠牲にしたのだろうか。



「お兄ちゃ……」



どれだけ、闇に染まったんだろうか……。

それを考えると胸が苦しくなった。


私はけして、いい妹なんかじゃなかったのに……。



お兄ちゃんに甘えてばかりだったのに。



お兄ちゃんの苦しみもわからないで……。

その苦しみを理解しようともしないかったのに……。



警察に、行こう。



私は涙をこぼしながらそう決めた。

4年も前のことを言っても、今更なことかもしれない。

あの日のことを話しても信じてもらえないかもしれない。


それでも……。お兄ちゃんだけに罪を背負わせたくはない。

私にも半分、罪を背負わせてください……。

私はお兄ちゃんと一緒にいたいから。私ね、相手がお兄ちゃんでも、犯罪者でも、やっぱりお兄ちゃんに恋したんだよ。

やっぱり、お兄ちゃんに恋してるんだよ。



私の幸せはお兄ちゃんがいないとはじまらないの。

お兄ちゃんのいない世界に意味を感じない。お兄ちゃんのいない世界は、もう、嫌なんだよ。だから……。






バタンとしまった部屋の中。

無残に割れたコップも、床に広がるこぼれたコーヒーも、テレビもそのままで。

たった一人の住人はいなくなった。テレビから聞こえてくる音。再び、四年前の事件を報道している。もう鳴り響く携帯をとる人もいない。そんな中で開かれた手紙の一枚がひらひらと床に落ちた。その手紙には涙で滲んだ文字があった。




僕は本当にひかりを大切に思っている。ひかりは妹だけど愛しかった。今も、愛おしい。愛しているなんて言葉いえる立場じゃないから。ただ、お願いします。どうか僕を忘れて幸せになってください。

相良恭一

End


最終話でした。

読んでくださってありがとうございました!


さてさて、この物語の題名「BRackHeart」ですが、綴り間違ってるよ! って思った方! わざとです。実は意味がありまして

B→ブラザーの略、兄

Rack→破壊

Heart→心、気持ち

これを合わせたものだったんです。


ここまでよんでくださって本当にありがとうございました!


芽実

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