第七章 その三
玉虫はまるで七海と同化するかのように自らの身体を七海の身体と重ね合わせた。それでも七海はまだ中学生だ。七海の頭は身体となっている玉虫の胸ぐらいしかない、それだけ二人の身長差があるという事だろう。だが今、重要なのは二人の身長差では無い。玉虫が七海に何をしているかだ。まるで玉虫の身体の中に入った七海が生気の抜けた瞳で呟く
「く……ずれる……私……が」
そんな七海の呟きと同時に玉虫が力を一気に七海に向かって流し込む。今まで玉虫の身体から出ていた紫色のオーラが今では七海の中に一気に流れ込んで行く。更には玉虫の身体、その中心に渦でも出来たかのように、七海の胸辺りに紫色の渦が生まれると、まるで玉虫を吸収するかのように玉虫の身体を吸い込んでいく。そのためか、今では玉虫の身体は半透明となっている。
そんな玉虫の行為を見て沙希が隣に居る鈴音に向かって話しかける。
「やっこさん、随分とやる気みたいだけど、大丈夫なんでしょうね、鈴音」
そんな事を言って来た沙希に鈴音は笑いながら答える。
「沙希、その言い方はまるで刑事さんみたいだよ」
目の前では凄い事が起こっているというのに鈴音はいつもの調子で、何かがずれたような言葉を返してきた事により、沙希はちょっとだけこけそうになる。まあ、こんな状況で真面目に話しかけて、ずれた返事が返って来たのだから沙希の気持ちも分からなくも無い。
そんな沙希の心を見抜いたのか、鈴音は微笑むとしっかりと沙希に伝える。
「大丈夫だよ、こうなる事も、ううん、こうしてくれる事を願ってたのはこっちの方だよ。だから沙希を充てにしてるんじゃない。それに沙希が隣に居てくれるから、こんな状況でも立ち向かって行けるんだよ」
そんな鈴音の言葉を聞いて沙希は瞳を瞑って微笑むと鈴音に向かって言い返す。
「上等じゃない、確かに鈴音の言う通りよ。こうなる事を願ってたのはこっちの方。だからこそ……私の役目が大きいわけね。ならやってやろうじゃないっ! こうなったら絶対に玉虫を倒すわよ鈴音」
「うん、沙希、充てにしてるね」
「任せなさい」
そんな会話を終えると沙希は瞳を開いて鋭い眼差しで標的である七海と玉虫を見据える。玉虫の身体はまるで力が消えたように半透明になっている。そんな玉虫は今では七海から離れて、以前のように七海の後ろで宙を漂う。一方の七海はというと……人の叫び声とは思えないほどの咆哮を上げた。それだけでも七海が常人どころか人間離れした事が見て取れる。
そんな七海を前にしながらも鈴音は鋭い眼差しで七海を見ながらも口元には笑みを浮かべていた。一方の沙希はまったく笑みを見せずに、完全に敵を見るような鋭い瞳と顔付きで七海を見ている。どうやら二人とも人間離れした七海を前にしても闘志は失っていないようだ。むしろ、鈴音に言わせれば、こうなる事を読んでいたのだ。だから今頃になって二人とも闘志を失うはずが無かった。
それに今は鈴音の隣には沙希が、沙希の隣には鈴音が居る。短い時間だが強い絆を持った親友が隣に居る。そして一緒の敵に立ち向かってくれている。その事だけでも二人の闘志が消えるどころか、お互いに心強かった。
それから会話は自然と七海の話題となった。さすがにこれから戦う相手でもあり、玉虫の力によって達人どころか人間離れまでした七海を相手にしなくてはいけないのだから、話題だが七海に移っても不自然ではない。だからか、七海を相手にするのに一番重要な役目を担っている沙希が鈴音に話しかける。
「なんか、七海ちゃんが凄い事になってるけど、あれは大丈夫なの?」
そんな事を言ってくる沙希。確かに今の七海は凄い事になっていると言っても良いだろう。なにしろ身体からは玉虫と同様に紫色のオーラを出しており、黒かった七海の瞳も今では鬼灯以上に赤くなっている。更に風も吹いてないのに髪が自然と宙に舞い上がる。どう見ても普通では無い、いや、最早普通なんて言葉は何の意味も成さないだろう。それぐらい今の七海は異常だ。
けれども鈴音はそんな七海を前にしても動じる事無く、いつもの口調で返事を返してきた。
「大丈夫だよ、今は玉虫の力が大きく作用しているだけ。私が狙っているのは、その次だよ。だから沙希、気を付けて頑張ってね」
最後はまるで他人事のようにいう鈴音に沙希は口元に笑みを浮かべる。そして鈴音に向かって言い返すのだった。
「分かったわよ、この大勝負……絶対に勝ってやろうじゃないっ!」
そんな言葉を叫んだ沙希は拳を構える。その隣で鈴音も同じく霊刀を構える。これで二人ともいつでも戦闘に入れる状態だ。
だが玉虫の力を吸収した七海は明らかに尋常ではない、異常すぎるほどの力を発揮してきた。なにしろ七海の姿が一瞬にして消えると、すぐに二人の後ろに姿を現したからだ。まさに目のも止まらない速さとも言えるだろう。それだけのスピードで二人の後ろに回り込んだ七海はすでに御神刀を振り上げている。
鈴音と沙希もすぐに振り返り、鈴音は霊刀で御神刀の攻撃を防ごうとするが、さすがに尋常離れした七海である。鈴音が霊刀を構えようとした時には七海は既に御神刀を斬り下げていた。まさか、これほど早いスピードで攻撃してくると思っていなかった鈴音には、御神刀を受け止める前に自分に迫る刃を見て、どうしようも出来なかった。
そんな時だった。突如として七海が御神刀の動きを止めると、またしても俊足のスピードで一気に鈴音達から遠ざかる。その後に地面から何かがめり込むような音がした。その音を聞いて鈴音は何が起こったのかやっと理解した。
そう、吉田の狙撃である。しかも今度は御神刀を狙ったのではなく、七海を狙って撃ったのだ。七海としては、そんな吉田の狙撃を御神刀で弾くか、身を退くしかなかったのだ。もし御神刀で弾いていれば、七海は鈴音達とは近距離である。かならず鈴音か沙希、どちらかの反撃を喰らっていただろう。
だからこそ七海が鈴音達が距離を取ったのは正解とも言える行動だった。そして、そんな行動を見ていた鈴音が大胆な事を言い出す。
「沙希、こっちから仕掛けるよっ!」
「って、鈴音っ!」
いきなりの攻撃宣言に沙希も戸惑ったが鈴音が宣言したのにはしっかりとした理由が在る。鈴音はその理由を口早に沙希に伝えるのだった。
「あのスピードだと後手に回ってたら攻撃なんて出来ない、だからこっちから攻撃を仕掛けて七海ちゃんの足を止める。沙希、やれるよねっ!」
「なるほど、そういう事ね。もちろん、やってやろうじゃないっ!」
どうやら鈴音が考えた事が沙希にも伝わったようだ。そして鈴音の判断は正しいと言えるだろう。
なにしろ今の七海は目にも止まらないスピードで攻撃を仕掛けてくる。そんな七海を相手に後手に回ってのカウンターは確実に無理だ。なにしろ二人には七海の移動する姿すら見えていないのだ。そんな状態で御神刀の攻撃を受け止めつつ、反撃の攻撃を入れるなんて事は二人には出来はしない。それほどまでに今の七海は人間離れした力を発揮しているのだ。
普通なら大人二人と中学生である。どう見ても鈴音達の方が有利に見えるが、さすがに今の七海を見て鈴音達の方が有利だと言える者は居ないだろう。なにしろ七海の人間離れは、その力だけ無く、姿にまで出ているのだから。
そんな七海を相手にするには自分達から仕掛けて、とにかく攻撃して七海に反撃を入れられても七海に移動させずにおけば、先程のように後ろに周られて防御不可能な攻撃を受ける事はまず無い。とにかく、七海を前に釘刺しにしておく。そうやって七海の動きを止めない限りは鈴音達に攻撃をする時間すら無いのだ。
沙希もそれを理解したからこそ、二つ返事で承諾の答えを送ったのだ。
そして方針が決まれば、すぐに実行である。真っ先に七海に向かって突っ込んで行く沙希。だが沙希の足がいくら速いと言っても、今の七海が出すスピードには到底追いつく物ではない。だから再び七海が姿を消して沙希の後ろに現れるまでにある刹那の瞬間を鈴音と吉田は見逃さなかった。
七海が沙希の後ろを取った時には、すでに吉田も沙希の後ろに七海が現れるだろうと予測していたのだろう。だから七海が現れた瞬間に狙撃する事が出来た。
先程といい今回といい、吉田は前とは違って七海自身を狙撃するようになっていた。これも鈴音の作戦である。鈴音はこうなる事を読んでいたようだ。そう、玉虫の力によって七海に狙撃できない状態になる事を。
さすがに、ここまでの事態になるとは鈴音も思っては居なかったが、玉虫が何かしらの力で七海に狙撃が通じない状態を作ってくるとは鈴音も考えた。だからこそ吉田は作戦が第二段階に入ると七海を狙撃して二人のフォローに周るように頼んでおいたのだ。
鈴音も七海に狙撃が通じなくても、七海の動きを止める事が出来る、もしくは制限するが出来ると考えたようだ。だからこそ作戦が第二段階に入ったら吉田に七海を狙撃するように頼んでおたいのだ。
けれども、鈴音の推測でも七海が目にも止まらないスピードを出してくるとまでは予測が付かなかった。さすがは玉虫の力と言ったところだろう。だが、この展開は鈴音の作戦範囲内だ。だからこそ吉田は再び七海を狙撃したが、発射された弾丸は予想通りというか、思ったとおりに七海に当たる事無く、再び地面にめり込む事になった。
だが、これで少しの間だけだが、七海の動きを制限する事に成功した。なにしろ狙撃してくる方向が玉虫には分っているのだ。だから狙撃地点から扇状の範囲内に後退する事を予測するのは簡単な事だ。だからこそ、鈴音は七海が吉田の狙撃を避けたと感じた瞬間に七海の姿を探し、すぐに見つけると七海に向かって一気に駆け出したのだ。
さすがに今度は動きを止めた直後だ。さすがの七海も、この状態から再び目のも止まらないスピードで鈴音の後ろを取るのは無理だった。鈴音もそう予測したからこそ七海に突っ込んで行ったのだ。
そして七海が御神刀を動かす前に鈴音は霊刀を一気に頭上から斬り下げた。常人なら確実に頭を斬られていただろう。だが今の七海は人間離れしている。だから刹那の隙を付いてきた鈴音の攻撃などは簡単に受け止めて見せた。
だが、ここから鈴音が予想外の動きを見せてきた。普通なら刀同士をぶつけあい、そのまま鍔迫り合いになりそうな体勢だが、鈴音は霊刀の峰に肩を押し付けて、まるで御神刀を押し出すように力を加えてきたのだ。
さすがの七海も人間離れの力を有しているとしても、この体勢から鈴音を押し返すのは難しかった。なにしろ鈴音がそんな行動を取るとは思っていなかったからこそ、反応が遅れて御神刀を右横にまで押し込まれてしまったのだ。こうなると七海の前はガラ空きである。
けれども今の七海には鈴音に対する行動だけで精一杯だったのだろう。だから気が付いた時は遅かった。いつの間にか間合いを詰めてきていた沙希が、思いっきり七海の腹を突いてきた事に。
さすがの七海も玉虫の力で守られているとはいえ沙希の突きを喰らっても、何の支障も無い訳にはいかなかった。確かに玉虫の力で守られえた七海だからこそ、沙希の突きを喰らってもダメージは無いに等しいだろう。それでも七海を吹き飛ばすには充分だった。
なにしろ沙希が思いっきり突いたのだ。七海ぐらいの体型なら軽く弾き飛ばす事が出来るだろう。だが今の七海は玉虫の力で守られている。だから弾き飛ばされても七海は何事も無かったかのように足からしっかりと着地する。けれども、そんな事は鈴音も沙希も予想済みだ。だからこそ、沙希が七海を弾き飛ばした瞬間に鈴音と沙希はすぐに七海の後を追って駆け出していたのだ。
だから七海が着地した時には、すでに鈴音が次の攻撃に移っていた。今度は鈴音の攻撃を避ける七海。さすがに先程は油断していたと思ったのだろう。だからこそ、今度は鈴音の攻撃を避けながら隙を付こうというのだろう。そんな玉虫の思惑を知ってか、知らずか、鈴音は連続で霊刀を振り続ける。
先程は鈴音に気を取られているばかりに沙希に気付く事が出来なかった。だが今度は沙希も警戒するようにしたのだろう、玉虫は七海に鈴音の攻撃を避けるように指示を出す。そんな指示が完全に暴走して玉虫の力で強化された七海に伝わる。だから七海とって鈴音の攻撃を避け続ける事なんて簡単だった。そして玉虫は鈴音の隙を狙う。
さすがに連続で攻撃を出して来ているのだ。いくら鈴音が隙が出来ないように攻撃して来ても、いつかは隙が出来てしまう。それは攻撃という行為が短距離走に似ているからだ。攻撃を行っている時は攻撃に全神経を集中し、更に呼吸も一旦止めて、最大限の力を発揮するように自然と行っている。
短距離走でも、短い距離を早く走るためには呼吸を止めて走る事に全神経を集中させた方が速い。攻撃もそうだ、その一撃に全神経を集中させて、攻撃をしている瞬間は自然と息を止めて全力で攻撃という行為を行っている。だからこそ、長続きはしない。なにしろ攻撃している最中にはこれだけの行為を行っているのだ。いくら鈴音が隙を出さないように攻撃したとしても、鈴音の身体がいつまでも保てるはずが無いのだ。
玉虫もそれが分っているだけに、今は七海に避ける事に専念させて鈴音の隙を窺う。もちろん、先程の事もあるから玉虫は沙希の動きも警戒している。そんな状態の中で遂に鈴音に隙が出来た。
それは鈴音の攻撃が終わり、次の攻撃に移った時だった。今までの疲労が蓄積しているのだろう。鈴音は今までよりも、かなり霊刀を大降りに振り上げてしまったのだ。そのため鈴音の前はガラ空き、七海としては反撃をする最大のチャンスだ。だからこそ玉虫も七海に攻撃するようにさせたのだが、ここで玉虫にとっては意外な事が起こった。
突如として鈴音が霊刀を振り上げた体勢のまま横に跳んだのだ。そのため、反撃に出ようとした七海は動きを止めてしまう。なにしろ今の七海は人間離れしているのだ。そのため反射神経もかなり強化している。だからいきなり鈴音が攻撃を中断して横に跳んでも、反撃を止めて鈴音を追撃に切り替える事も簡単な事だった。けれども、そうはいかなかったのだ。
なにしろ鈴音が意外な行動を取った事により、七海は反撃を中断して動きを止めてしまったのだ。その状態ならいくら沙希を警戒していても沙希に対して対処する事が出来ない。だから七海は沙希の肘鉄を思いっきり横腹に喰らってしまう。
ここで玉虫にとって更に意外な事が起こった。沙希は思いっきり攻撃したが、先程のように七海の身体が弾き飛ぶ事は無かった。どうやら沙希は攻撃を打ち下ろす感じで出してきたからこそ、七海の身体は吹き飛ばずに、その場に釘付けになる。
そして今度は沙希から怒涛の攻撃が始まる。沙希はなるべく七海と密着する状態を維持しながら、拳を繰り出し、蹴りを出しているのだ。その連続攻撃は先程の鈴音に比べるとかなり早い。さすがは武器という重さが無いだけに沙希の攻撃は早さがあるようだ。しかも沙希は格闘技の熟練者。だから一撃一撃が確実に重い一撃を繰り出していた。
沙希が七海と身体を密着させながらも攻撃を続けるにはしっかりとした理由が在る。一つは七海に御神刀を使わせずに、その場に足止めをするため。さすがにここまで接近されると武器を持っている七海にはどうする事も出来ずに、ただ沙希の攻撃を喰らうしかないのだ。もう一つは、格闘技の特性である。
普通に考えたら相手から程度な距離を取って攻撃をした方が良いと思われるだろう。だが状況によっては今の沙希みたいに身体を密着させた戦い方が有利な場合がある。それは相手が武器を持っている場合だけではない。同じ素手同士でも身体を密着させて、最小限の動きで最大限の攻撃を繰り出す事が有効な場合があるのだ。
分かりやすい例を上げるとしたらボクシングが一番分かりやすいだろう。ボクシングには様々なタイプがある。その中に身体を密着させた状態からショートレンジでボディや顎を狙った攻撃をするタイプがある。いわゆるインファイターというタイプだ。
お互いの距離がほとんど無いために攻撃をする側は連続して攻撃をする事が出来る。更に言うなら沙希もこの戦い方を練習した事があるのだろう。なにしろ、このタイプはパンチ力、つまり攻撃力が高い。だからボクシングの場合でも相手を一撃でノックアウトする場合もあるのだ。
沙希はボクシングでは無いが、インファイターの要領で一気に七海の懐に飛び込むと、そのまま連続して攻撃を繰り出してきたのだ。
けれども今の七海は玉虫の力によって守られている状態だ。だからいくら沙希が連続で重い攻撃を繰り出して来ようとも、七海は体勢を崩すどころか沙希の攻撃を喰らいながら反撃の機会を窺っている。どうやら沙希の攻撃はほとんどダメージにはなっていないようだ。それだけ強い力で玉虫に守られている、いや、今では七海が玉虫の力を使っていると言っても良いだろう。
だからこそ、七海は黙って沙希の攻撃を受け続ける事はしなかった。沙希が攻撃した合間に七海はいつの間にか御神刀を手放し、沙希の攻撃が来る前に七海の方から更に身体を密着させてきたのである。更に七海は両手を前に出しながら沙希に密着してきたのだ。それを見ただけでも、沙希には次に来る攻撃が予想できた。
そして沙希の予想通りに七海の両手から力が弾けと跳ぶと沙希は弾き飛ばされてしまった。そんな沙希に追撃を掛けようとする七海だが、玉虫がしっかりと鈴音を警戒していたからだろう。沙希が弾き飛ばされるのと同時に斬りかかって来た鈴音の攻撃を七海に避けるように玉虫は伝えるのだった。
それから鈴音の予想通りというか、悪い展開と言うべきか鈴音の攻撃は七海にあっさりと避けられてしまった。けれども鈴音も七海が避ける事を予想して霊刀を振るってきたのだ。だから、次の攻撃に入るのも速かった。
またしても鈴音の攻撃を避け続ける事になった七海。その手にはいつの間にか御神刀が握られており、いつでも鈴音の霊刀に対して対処できるようにしていた。さすがは玉虫の力を注がれた七海だけあって、御神刀の移動も自由に出来るようだ。
そんな七海の力に感心する時間も無く、鈴音は攻撃を続ける。それから玉虫は鈴音が今度も連続で攻撃してくると思ったのだろう。鈴音の連続攻撃に備えて七海に避け続けるように伝えるが、意外な攻撃を鈴音は繰り出してきた。
鈴音は七海の目の前から軽く跳ぶと、思いっきり振り上げた霊刀を思いっきり斬り下げてきたのだ。もちろん、そんな威力重視の攻撃をすれば七海からの反撃を喰らうだけだ。そして現に鈴音の攻撃を避けた七海が鈴音の横に回りこむと、そのまま鈴音の首を斬り落とそうと御神刀を振り上げる。
けれども御神刀は振り下ろされる事無く、玉虫は苦い顔で後退を余儀なくされた。そう、吉田の狙撃である。なにしろ吉田は常に七海を狙っている。だから攻撃をする瞬間、その瞬間だけはどうしても七海の動きが止まるし、吉田はスコープ越しだが戦場全体を見渡している。だからこそ鈴音がワザと隙が出来るような攻撃をしても、吉田がフォローしてくれてると鈴音は信じていた。
更に鈴音は劣悪な事を考えての攻撃だった。なにしろ七海が吉田の狙撃から避けた方向にはすでに沙希が回りこんでいたのだ。どうやら鈴音は再び沙希に攻撃をさせるために、ワザと隙を見せる攻撃をさせて、吉田のフォローで七海を沙希の方へ追い込むようにしたようだ。それを察したからこそ玉虫も苦い顔をしたのだ。まさかここまで苦戦になるとは玉虫も思ってはいなかっただろ。
それに玉虫としては、すぐに決着を付けるために七海に自らの力を注いだのだ。それなのに未だに決着が付かずに苦戦をしている。これは玉虫にとっては大きな誤算だった。それでも玉虫が有利な事には変わりない。なにしろ今の七海は人間離れした力を発揮してくる。だから少しでも鈴音達の連携がずれれば、いつでも鈴音達を切り崩せる。だからこそ、未だに玉虫が有利なのだ……七海という手駒が玉虫にある限りは。
その七海を何とかするためにも沙希は鈴音が考えた作戦通りに、再び七海の懐に飛び込むと七海の動きを止めて、そのまま連続攻撃に入る。先程の光景を見ると沙希の攻撃は無駄のようにも見えるが、鈴音が考えた作戦の刃がそこに仕込んである事に玉虫は未だに気付いていないようだ。
だからこそ、今度も何とか沙希をどうにかしようと手を考える。その間にも沙希はドンドンと七海に対して攻撃を入れて行くが、七海の表情が変わる事は無い。まるで人形のように沙希の攻撃を受けている。それだけでも沙希の攻撃が効いていない事は沙希が一番良く分かっていたが、沙希は鈴音の作戦を信じて今は攻撃を続けるのだった。
そんな沙希を見ながらも玉虫は何かしらの手を思い浮かんだのだろう。玉虫は自然と口元に笑みを浮かべるのを鈴音は見落とす事はしなかった。だからこそ鈴音は玉虫が何をしてきても沙希のフォローに入れるように沙希に駆け寄る。
それよりも早く、玉虫は動いたようだ。突如として七海の手から御神刀が無くなる。接近戦では御神刀を持っていては意味が無い事は玉虫も重々承知している。だからこそ、この状況でも御神刀を活かせる手段を見出したようだ。
消えた御神刀が突如として沙希の横に現れる。しかも誰も手にしていないのに空中に浮いているのだ。それだけでも玉虫が何を考えているのかが分かるというものだろう。だからこそ鈴音は急いで御神刀へと向かうのだった。
そして鈴音が思ったとおりに空中に浮いていた御神刀は沙希に向かって、その刃を突き立てるために一気に飛び出す。なにしろ空中に浮いていた御神刀の切っ先は沙希に向いていたのだ。後は、そのまま発射するように御神刀を動かせば自然と沙希を串刺しに出来るというわけだ。そうなれば鈴音達の戦力は削がれるし、玉虫としても更に優位に立てる。だからこそ、玉虫はそんな手を打って来たのだ。
間に合えっ! 玉虫の思惑をしっかりと読んでいた鈴音は御神刀に向かって駆け続けながら、霊刀の間合いに入るタイミングを見計らって霊刀を下から上に向かって斬り上げる。けれども鈴音の霊刀は空を斬る事になってしまった。どうやら鈴音は間に合わなかったようだ。だから鈴音は焦りの色を顔に出しながら沙希に向かって叫ぶ。
「沙希っ!」
鈴音の声に沙希も自分に向かってくる御神刀にやっと気が付いたようだ。だが沙希は攻撃をしている最中である。この体勢から御神刀の攻撃を避ける事は不可能だった。それでも沙希は、まるで御神刀の事を無視したかのように七海に向かって攻撃を続ける。そんな沙希に御神刀の切っ先が届こうとしていた時だった。
突如として御神刀が弾かれると沙希と七海の横を何かが目にも映らないスピードで一気に駆け抜けた。それと同時に御神刀は地面に落ちると玉虫の方に転がって行く。そんな光景を目の当たりにして玉虫はまたしても苦い顔になった。
なにしろまたしても吉田の狙撃によって御神刀を撃ち落されたからである。鈴音の霊刀が当たらない時は玉虫も沙希を殺したと思っただろう。だが吉田の腕はかなり良いみたいで、空中を一気に進んでくる御神刀を見事に撃ち落したのだ。さすがは元特殊部隊で狙撃班に居た吉田と言ったところを、これ以上無いぐらいに見せ付けてきたのだ。鈴音は吉田の腕にほっと胸を撫で下ろし、玉虫は逆に怒りを顔に出していた。
けれども未だに戦闘が終わったワケでは無い。今でも沙希は七海に対して攻撃を続けているのだ。いくら沙希の攻撃が七海に効かないと分っていても、玉虫にとっては、ここまで攻撃されると良い気分ではいられなくなるのは当然と言えるだろう。だからこそ、玉虫は御神刀を拾い上げるかのように自分の前に御神刀を浮き上がらせると静かに目を閉じた。どうやら玉虫が何かを企んでいるのは確かなようだ。
それが何かは鈴音達には、まだ分からない。今までと変わりなく、今度も状況に合わせて対処するしか鈴音達に出来る事は無いのだ。
そして鈴音達の予想をはるかに超える事態が起こる。身体が半透明となっている玉虫の身体に御神刀が入ると、次の瞬間には御神刀から紫色のオーラが一気に発せられる。そして玉虫は、そのオーラを吸収するかのように、今まで半透明だった身体が、見る見るうちに元の姿に戻っていくのを目の当たりにする鈴音だった。
それから玉虫は自らの手を胸に当てると、そのまま身体の中に手を入れる。手品ではないが、悪霊である玉虫なら、それぐらいの事ならやっても不思議ではない。それから玉虫はゆっくりと身体の中に入れた手を引き抜く。玉虫の身体からは玉虫の手と玉虫の手にしっかりと握られた御神刀が姿を現してきた。そんな光景を目の当たりにしながら鈴音は玉虫が何をしようとしているのかが察しが付いたように思考を巡らす。
いつかは、そういう事をやってくると思ったけど……こうして目にすると不思議というより気持ち悪いって感じだよね~。もう少し、すんなりとやってくれないかな~。と呑気な事を考えている鈴音。どうやら鈴音はこれから玉虫がやろうとしている事と、それに対する対抗策をすでに見出しているようだ。
そして肝心の玉虫はというと御神刀を手にすると七海の後ろから少し高く舞い上がる。それを目にした鈴音は沙希に向かって一気に駆け出す。駆け続けながらも鈴音は玉虫が取ってきた行動について考えていた。
どうやら玉虫様はかなりお焦りの様子だね~。だから自ら乗り出すしかないと判断したんだよね~。でも……少し遅かったみたいだね~、その判断を下すのは。沙希に向かって駆け続けながらも鈴音はそんな事を思った。どうやら玉虫がこれから勝負の展開をどう持って行くかは想像が付いているようだ。だからこそ、玉虫の行動が遅いとも鈴音は思ったのだろう。
けれども今はまだ鈴音が目指した展開の数歩手前だ、ここで気を抜いて自分達が殺されてしまっては意味が無い。だからこそ鈴音は気を抜く事無く、周りを警戒しながら沙希の元へ行くのだった。
一方の玉虫は御神刀を手に七海の後ろで口元に笑みを浮かべると信じられない行動を取ってきた。なにしろ悪霊である玉虫が御神刀を自ら手にすると、その切っ先を沙希に向けてきたからだ。鈴音の推理では自分では殺す事が出来ないからこそ、今まで傀儡を使って殺人を続けてきたと推理したのだが。そんな鈴音の推理を覆すような行動を取ってきたのだから、鈴音としては信じられないと思えると玉虫は思っただろう。
だからこそ、玉虫は鈴音に考える時間を与えずに沙希を串刺しにするために、一気に御神刀を下に向かって突き出すのだった。だが、信じられない事が起こったのは玉虫の方だった。なにしろ鈴音達は玉虫が御神刀を使えないと思っていたからこそ、今まで玉虫が傀儡を使って殺人を繰り返してきたと考えたのだ。それは玉虫が御神刀を使えないという考えと先入観の元に、鈴音が推理した物だ。
だが今現在、玉虫が突き出した御神刀は鈴音の霊刀によって阻まれている。そんな鈴音の顔には驚きも動揺も無かった。まるで、こうなる事が分っていたように玉虫の一撃が沙希に届くのを防いだのだ。玉虫も今まで自分自身で御神刀を手にしていないからこそ、誰も玉虫が御神刀を使えないという考えを持っていたからこそ、この攻撃で不意を付けると思ったのだ。それなのに、玉虫の攻撃を防いだ鈴音は驚きも動揺もしていない。まるで最初から玉虫が御神刀を自分自身の手で使えるのを知っているかのように、玉虫の御神刀を防いだのだ。これは玉虫の方が驚かされる結果となってしまった。だからだろう、玉虫は思わず鈴音に向かって話し掛けたのは。
「主は、わらわが自分自身で御神刀を使える事を知っておったのやえ?」
そんな事を尋ねる玉虫に対して鈴音は余裕があるように見せるように笑みを浮かべて見せた。それから玉虫の質問に答える。
「まあ、予測の一つにはあったよ。あなたが傀儡を使って殺人を繰り返してきたのは自分の力が弱まっており、自分では御神刀を持てないため。けど……今のように力を取り戻した、あなたなら自分自身で御神刀を使ってきてもおかしくない、そう考えただけだよ」
そんな鈴音の答えを聞いて玉虫は思わず苦い顔になる。確かに鈴音の言うとおりのようだ。
そもそも連続殺人を行うために玉虫が傀儡を使っていたのは自分自身の正体を隠すためだけじゃない。自分で御神刀を持って人を殺せないからだ。だからこそ、玉虫は傀儡を必要としていたのだ。
だが、今の状況は玉虫が完全に復活したといえる。だからこそ、鈴音は玉虫が自分自身で御神刀を使ってきてもおかしくは無いと考えていたのだ。だから玉虫自身が御神刀を手にするのを見た鈴音は、玉虫が沙希に向かって攻撃して来ても驚きもちゅうちょをする事無く、沙希のフォローに入れたのだ。
そんな鈴音が玉虫の御神刀を弾くとすぐに七海の横に回り込み、そのまま玉虫を狙って斬り付けて来た。そんな鈴音の攻撃を苦い顔をしながらも、しかたなく御神刀で受け止める玉虫。なにしろ鈴音が持っている霊刀だけが玉虫を傷つける事が出来るのだ。つまり玉虫から見れば鈴音の攻撃だけは絶対に受けてはいけない物なのだ。
もし、これが普通の刀だったら玉虫の身体を素通りしてしまうだろう。だが、この刀は御神刀を元に村長が霊媒師まで使って作り上げた。玉虫に対抗するための武器となっているのだ。だから玉虫にとっては鈴音の霊刀は唯一邪魔な物であり、脅威な物でもあった。だからこそ、玉虫は自ら手にした御神刀で鈴音の攻撃を防ぐしかなかったのだ。
だが鈴音の攻撃はその一回では終わらなかった。確実に先手を取った鈴音は玉虫に攻撃の隙を与えないかのように連続で霊刀を振りかざしてきたのだ。さすがに、この攻撃も玉虫は避ける事が出来ずに、ただ耐えるように御神刀で霊刀を防ぐしかなかったのだ。
なにしろ今の七海は玉虫の力を吸収して力を増している状態だ。そんな七海から離れてしまっては七海の力が確実に弱まる。それは今でも玉虫から七海に力が流れているからだ。だからこそ、七海は沙希の攻撃を受けながらも平然としていられるのだ。だが七海から離れて七海を守っている力が弱まると沙希の攻撃が確実に七海に響いてくるだろう。下手をしたら一撃で倒される可能性がある。だから玉虫は七海から離れる事無く、鈴音と対峙するのだった。
そんな鈴音と玉虫との戦いが始まった頃には、七海もただ沙希の攻撃を受けているだけには留まってはいなかった。なにしろ七海は、つい先程まで沙希の攻撃を見ていたのだ。それに今は御神刀を手にしてはいない。つまり沙希と同じく剣術から格闘技への攻撃に変化させて、七海は沙希に向かって拳を繰り出してくるようになっていたのだ。
さすがに七海が着ているのは着物だから蹴りは来ないが、沙希は七海の反撃を受けて思わず思ってしまった。
つ~、その体型でこれだけの重い一撃って卑怯じゃないのよ。でも……ここまでは鈴音の作戦通りね。後は……いつ、それが来るかだけど。早く来てよね~、こんな攻撃をされていたら、私だっていつまで耐えられるか分からないわよ。そんな事を思ってしまった沙希。それだけ七海の攻撃は重く、鋭かったのだ。
どうやら七海もただ沙希の攻撃を平然と受けていたわけではない。沙希の攻撃を見ながらも、沙希の攻撃を学習して自分の物にしていたのだ。だからこそ、沙希と同じように強力な一撃を出す事が可能なのだろう。だが、その一撃を支えているのも玉虫の力によるものだ。玉虫の力がある限りは、沙希の得意分野である格闘技でも七海を相手にどこまで戦えるか分かったものではない。それに鈴音は七海を助けようとしている。だから沙希も下手な攻撃が出来ないだけに、拳を繰り出し始めた七海に対して苦い顔をしながらも、何とか拳の応酬を繰り広げるのだった。
そんな戦いを横目に、刃をまじ合わせている玉虫と鈴音。こちらもお互いに一撃を喰らう事も無く、拮抗した戦いを見せていた。さすがは千年以上も悪霊として存在し続けていた玉虫といったところだろう。剣術を習得している鈴音に対しても、それ以上の腕を見せてきたのだ。
そんな二つの戦いが繰り広げられてから数分後、突如として鈴音が玉虫から離れると、構えを解いて霊刀の切っ先を地面に向けるのだった。そんな鈴音の姿を見て玉虫は笑みを浮かべると鈴音に向かって話しかける。
「どうしたのやえ、もう降参するのかやのう」
どうやら鈴音が限界を迎えたと玉虫は思ったのだろう。だが鈴音は一度だけ口元に笑みを浮かべると玉虫に向かってはっきりと言い返す。
「残念だけど降参じゃないよ。ただ……もう、あなたと戦う必要が無くなっただけ。そろそろ限界を迎える時間みたいだからね……七海ちゃんの」
「なんやとっ!」
鈴音の言葉に玉虫は驚きの表情のまま七海の方へと顔を向ける。そこには未だに沙希と拳を交えている七海の姿があったのだが、その表情は苦しげだった。どうやら鈴音はそんな七海の顔を見て、玉虫から距離を取ったのだ。
そして、七海の苦しさが動きにも出たのだろう。沙希は七海の攻撃を避けるのと同時に七海に大きな隙が出来た事を見逃さなかった。それは鈴音にも分かったのだろう。だからこそ、鈴音は沙希に向かって叫ぶ。
「沙希っ! 決めてっ!」
「りゃあぁぁぁっ!」
そんな鈴音の声援を聞きながらも沙希は思いっきり踏み込むと、七海の腹に出来た大きな隙に渾身の一撃を入れる。
そんな沙希の攻撃を受けて吹き飛ばされて、そのまま地面に倒れる七海。だが七海はすぐに人形のような動きで起き上がってきたのだ。それを見ていた玉虫は安堵の表情を見せた。さすがの玉虫もここで七海を失うわけには行かない。なにしろ、ここで七海を失えば、玉虫にはもう最後の手段しか残されていないからだ。それは鈴音も分っていた。だからこそ、鈴音はここで七海を倒し、助けるための作戦を考え出したのだ。
けれども、その作戦も功をそうしていないのか、未だに七海に変化は無く。沙希の攻撃もあまり効いていないように思われた。少なくとも玉虫はそう思ったのだろう。玉虫は大きく笑うと鈴音に向かって叫ぶように話しかけるのだった。
「何を考えていたのかは知らんがやのう。どうやら主の企みは失敗に終わったようやのう。さあ、主達の命はここで終わりやえ。最後ぐらいは潔くしたらどうやのうっ!」
そんな言葉を投げ掛けてくる玉虫に対して鈴音は冷静な笑みを浮かべながら玉虫に向かって言葉を返すのだった。
「残念だけど……失敗じゃないんだよね~。七海ちゃんをしっかりと見ていると良いよ、それが私の作戦が成功した事の証になるんだかね」
そんな言葉を返してきた鈴音に対して玉虫は訝しげな顔をすると七海の方へと顔を向ける。確かに七海はしっかりと立っており、呼吸も正常にしている。だが表情だけは苦しそうだった。それが何を示しているのかは玉虫には分からなかったのだろう。だが鈴音には分っていた。なぜ七海が苦しい表情をしているのかを、そしてこれから何が起こるかもだ。
立ってきた七海に対して沙希は再び拳を構える事はしなかった。どうやら鈴音の言葉を聞いて完全に作戦が成功したと感じ取ったのだろう。けれども七海は拳を構えるのと、一気に沙希に向かって駆け出すが、走り出してから沙希に届く前に七海の足は止まってしまった。
それから七海は苦しそうに自分の身体を抱きしめながら七海の声で悲鳴を上げるのだった。
「きゃあ──────────っ!」
そんな悲鳴が静かな村に響き渡るのと同時に鈴音と沙希は同じように笑みを浮かべる。一方の玉虫は突如として止まった七海が悲鳴を上げる理由が分からないかのように動揺している。その間にも鈴音は沙希と合流すると、鈴音と沙希はお互いの手を軽く叩くのであった。未だに苦しそうに悲鳴を上げている七海の声を聞きながら。
伏せカードオープンっ!!! 鈴音の秘策を発動っ! これにより鈴音の作戦が実行し、相手の伏せカードを全て破壊できるっ! これでターンエンドだ。
……と、まあ、とあるカードゲーム風にちょっと本編に触れてみました~。いつものように、特に意味は無いっ!!!
さてさて、本編では壮絶な戦いが行われていましたね~。というか、これって推理物だよね? と疑いたくなるほどのバトルが展開されていた訳ですが……。
ふっふっふっ、これはしっかりとした推理物だよ。さあ、鈴音の作戦が何だったのか推理してみよう。何で沙希は攻撃を続けたのか、最強となった七海ある弱点とは、そういう視点で見れば、ちゃんと推理物になるよね。
……と、いつものように勝手に思い込んでおく事にします。そんな訳で……気になる答えは次話にあるっ!!! とまあ、予告も終わった事だし、ネタも無いし、そろそろ締めますか。
ではでは、ここまで読んでくださりありがとうございました。そして、これからもよろしくお願いします。更に評価感想もお待ちしております。
以上、そのうちトレカも集めたいんだけどな~、と妄想にふけっている葵夢幻でした。