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062 猫拳、三分の一の威力! 絶体絶命の迷宮都市ダイン

 迷宮都市ダインの通路は、濃密な湿気と、魔物のうめき声に満ちていた。


 ベンガル猫のゆうたろうは、レイナの肩の上で荒い息を繰り返していた。

 彼の胸元のペンダントは、わずかな光しか放っていない。


「ニャア……ニャアァ……(くそっ! この迷宮全体が、俺の神力を吸い取っている! モフモフが禁じられた状況で、これじゃ活動限界どころか、変身すら危うい!)」


「ゆうたろう、落ち着いて! 呼吸を整えてください」


 レイナは顔に焦りの色を浮かべ、ミーアキャットのサラは周囲の魔物の気配を警戒しつつささやいた。


「この先、魔物の群れニャン! このままじゃ、5分持たずに猫パンチも撃てないニャ!」


 ゆうたろうは意を決した。


「ニャン! (もう待てない!)」


 肉球でペンダントを叩き、渾身こんしんの力を込めて変身した。

 黄金色の亜人族の若者、ゆうたろうが通路に立つ。


 しかし、その神力の波動は以前より明らかに弱い。


 直後、曲がり角からオークとゴブリンの大群が、唾液だえきを垂らしながら突進してきた。


「この……程度ッ!」


 ゆうたろうは右手を引き絞り、「黄金斑ロゼット猫拳・ニャンチ」を放つ。


 ドォン!


 爆音と共に、先頭の魔物数体を吹き飛ばしたが、遺跡を粉砕した時のような衝撃波しょうげきはは発生しない。

 残りの魔物はひるむことなく殺到する。


「なっ……威力いりょくが、三分の一以下だと!」


 変身開始からわずか1分。


 ペンダントはすでに激しく点滅し始めている。

 活動限界が、迷宮の特殊な環境とモフモフの呪いによって、急速に縮んでいたのだ。


 オークの重い棍棒こんぼうが、ゆうたろうの側頭部を狙って振り下ろされる――

 最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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