043 メテオ・ドラゴニア
冥王ハルバス・ドラウグスの策略によって、現世と冥界を隔てる扉が開かれた。
死の力が世界に流れ込み、あらゆる生命がその影に怯える。
魔物たちは狂気に駆られ、蹂躙の限りを尽くす。
街は崩れ、人々の叫びが絶望の空を染め上げた。
その混乱の中、ノヴァ・レギオン大艦隊司令官ハルカ・イシカワは、辛くもニュー・アルカディアから脱出していた。
胸の奥では、焦りと怒りが燃え続けていた。都市を失い、立て直す時間もわずかしか残されていない。
ミユ・ナハラ、ユウスケ・ハヤトも反撃の準備を整える。
だが、冥界の力に支配された魔王軍の勢いは増す一方で、希望の光は遠ざかっていった。
その時、突風と轟音が空を満たす。
群星を思わせる輝きを放ちながら、《ルミナドラゴン戦団》が舞い降りる。
先頭に立つのは竜王アルテウス、その背にサラの姿。揺るぎない決意を宿した瞳が闇を射抜く。続いてダリウス、アリスティアが降下し、戦場にその足を踏み入れた。
アルテウスが大地を震わせる着地を決めると、サラは軽やかに飛び降りる。駆け寄ったレイナが肩を叩き、笑みを浮かべた。
「来てくれた、これで反撃できる!」
「遅れてすまないニャ」
サラは小さく微笑んだ。
かなえも駆け寄り、まっすぐな瞳で言う。
「私たちの力を合わせて……絶対に勝とう!」
沈黙していたロウィンが静かに口を開く。
「希望はここにある!」
ロウィンは仲間たちを見渡し、拳を握りしめる。
「人間界の勇者も動き出している。俺たちが総力を集めるんだ!」
サラは頷き、遠くに迫る巨大な影を見据える。
「援軍が加わるなら、突破口が開ける」
シルヴァーナの声にも、熱が宿っていた。
再び風が荒れ、空の彼方から低く唸る響きが近づいてきた。
空気そのものが重く沈み、不穏な気配が辺りを包む。
冥界の力を得た魔王軍艦隊――その全貌が迫りつつあった。
「来たニャン!」
サラが声を上げると、ルミナドラゴン戦団の光の衝撃波が魔王軍に襲いかかる。空を埋め尽くす艦隊も、群れなす魔物も、邪竜も死霊騎士団さえも、その光に呑まれ消え去った。
「全力で……行くニャ!」
竜王アルテウスの魔力の波動が周囲を包む。瞳が光を反射し、力が高まっていく。
「パーティースキル……メテオ・ドラゴニア!」
彼女は巨大な体を空に輝かせ、戦翼を大きく広げた。翼はまるで天の扉を開くかのように広がり、空全体に神々しい光の円を描く。
刹那、無数の光の龍が空を駆けた。
「くっ……! 何だ、あれは!?」
光の龍たちは星の雨となって降り注ぎ、なお抵抗する魔王軍を次々と打ち砕く。指揮官たちは驚愕し、逃げ惑った。しかし、光の奔流は止まらず、誰ひとり抗えなかった。
サラは崩れ落ちる軍勢を目で追い、告げた。
「次は――あの城ニャン」
その言葉には、戦いをやり抜く覚悟が込められていた。仲間たちも視線をデビルキャッスルへ向ける。城は冥界の暗雲に覆われ、高塔から黒い渦が立ちのぼる。
「今までの戦いとは桁違いニャ……」
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