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023 ライトニング・ジャッジメント
「神威のゲート、オープン――!」
サラが力強く叫ぶと、《光刃雷竜》がゲートから現れた。八つの首を持つ、神の力を宿した光のドラゴンだ。
全ての首から放たれた光の粒子が、雷鳴のごとく冥王軍艦隊に襲いかかる。直撃を受けた艦隊は瞬く間に消滅し、周囲のダークドラゴン、ダークエルフ、ブラックデーモンも飲み込んだ。
壊滅的な打撃を前に、アスヴァルの視界に真っ白な閃光が迫る。
「これで終わりだというのか……」
死を覚悟した瞬間、彼の体内で何かが目覚めようとする感覚が走った。光のビームが全身を包み込み、熱と衝撃が体中を貫く。だが、その時、肉体に異変が起こり始める。
黒い渦がアスヴァルの体から巻き起こり、封印が解かれると同時に恐るべき存在が目を覚ました。
アスヴァルを依り代に復活した魔王だった。
「我が名はアスタロス。この世界の支配者――」
暗黒の力が大地を覆い、世界の均衡は崩れ去ろうとしていた。
「終わりの始まりだ――」
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