022 エターナル・ハーモニー
サラは目を閉じ、静かに呪文を口にする。
「キャッツ・アイ!」
世界が止まったかのように、周囲の景色が変わる。
味方の位置、敵の動き、次に取るべき行動———すべてが頭の中で鮮明に繋がっていく。
「これで……大丈夫ニャン」
サラの声に、心の奥がほっと温かくなる。
*
かなえとレイナの戦いは、ますます激しさを増していた。
「これで……終わりにします!」
レイナは再び立ち上がり、バズーカを構える。
その眼差しには決意が満ち、放たれる力は誰にも止められない。
だが、かなえも退くつもりはない。
闇の力を呼び覚まし、呪文を唱え続ける。
身体に流れる魔力が増幅され、辺りに重苦しい気配が漂う。
巨大なエネルギーが炸裂し、二人の身体が吹き飛ばされる。
どちらも限界を迎えていた。
そのとき、一筋の光が戦場を貫いた。
『エターナル・ハーモニー・リヴァイブ!』
光に包まれると、かなえの暴走していた魔力はゆっくりと収束し、黒い霧が消え去った。
戦場は静寂を取り戻し、まるで夢から覚めたかのように、かなえは元の姿に戻る。
「これで、落ち着いたニャ」
かなえは呼吸を整え、安堵の表情を浮かべる。
「ありがとう……」
その一言に、激闘のすべてと心の震えが込められていた。
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