014 破滅のフレア、魔王の決意
深く息を吸い込む。
かなえの体を、無限の魔王の力が震わせる。まるで血管を焼き尽くすかのような熱が駆け巡り、高鳴る鼓動が新たな道を示していた。
「この力は……私が選んだ運命……」
アスヴァルの声が、彼女の覚悟を問う。
「冥王軍、準備完了。あなたの命令を待っています!」
その言葉に、かなえはゆっくりと手を空に掲げた。強大な魔力を込めた手が、空中に巨大なゲートを創り出す。
ゲートが開くと、まずアリスティアを先頭にしたダークドラゴンの軍勢が姿を現す。その背に立つダークエルフたちが空を制圧し、次に壮絶な咆哮をあげるブラックデーモンの部隊が続く。そして最後に、威圧感のある冥王軍艦隊が戦場の後方に控えていた。
かなえは、心の奥底にあった仲間への情を、深く息を吐き出すように捨て去った。
『究極魔法アビス・フレア』
赤く燃える闇の炎が、凄まじい勢いでサラとレイナに迫る。
だが、二人は瞬時に反応し、紙一重でかわした。炎は空中で激しく弾け、周囲を吹き飛ばすほどの衝撃波を起こす。
「さすがに簡単には当たらないニャ」
サラの挑発に、かなえは静かに闘志を燃やす。
「あなたを超えてみせる。この力で」
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