色
さっきから、窓の外が騒がしい青に染まる。
どうしてかな、僕のイメージに沸いた虫が帰ってこない。
飛び立つ川辺に月が半分沈み込んだみたい。
そう言えば、何も言わない君が触ったのはこんな夜だったかな。
水色に染まるキャンパスに浮かんだこのメロディ
君色に染まる空に僕は顔をしかめるんだ。
どこまでも勝手だよな。分かっているよ。
だからもう、大丈夫。先へ行っておくれ。
さっきから、扉の向こうには赤い影が迫る。
なんでかな、こんな朝に浮かぶのはあの日の影。
浮かびゆく光に雲が半分溶け込んだみたい。
そういえば、何も知らない僕が見たのはあの町だったかな。
緑色に染まる床に浮かんだのは君のメロディ。
僕色に染まる君が僕は大嫌いなんだ。
どこまでも厄介だよな。うんざりするよ。
だからもう、大丈夫。後は任せて。
さっきから、窓の外が寂し気な君に染まる。
たった今、僕のイメージに沸いた虫がほら…