そして、伝説は始まった…。【SS/R15(グロ/スプラッター)/パニック】
最初っからクライマックス感があります。
初出【2023年12月5日】
心臓をひと思いに刃物で貫かれ、男は吐血しながら、その場に膝から崩れ落ちた。
「……い…つか…ら、だ…? 」
辿々しくも尋ねる男に、女はほんの一瞬だけ悲しそうに顔を歪めて、瞬時に感情の読めない無表情に徹すると、最初っから、と答えた。それに男は驚いた顔をして女を見る。
「っ……判ってた。判ってたのよ? でもっ……貴方を失いたくなかった…」
「じゃ…なんっ……! まっ…まさ、か……」
男は、女の顔からその腹へと視線を移し、チッと舌打ちした。
「だめ、だ。やめ、ろ…」
「如何して? 」
「また…ひげ、き…を……」
男の声は、とうとう聞こえなくなった。絶命したからなのかは、確認してみなければ判らないが、女は調べる事をせずに、踵を返してその場から立ち去る。
ーー大丈夫よ…
男とずっと一緒にいたかった。
男を守りたかった。
でも、ーーそれ以上に“守りたいもの”が見つかった為、男を犠牲にするしかなかった。
“また…ひげ、き…を……”
ーー貴方との子だもの……守り切るわッ!
男と女の暮らす町では、夜になると、何者かの手によって、必ず誰かが死んだ。それは一人なのか、複数人なのかは様々だが、此の儘では疑心暗鬼に陥ってる町民達の間で殺し合いになりかねないと恐れた町長は、朝になったら町民全員を一箇所に集めて、【夜の殺人者】は誰なのかを話し合いで決め、一日一人を町から追放する、犯人探しを始めた。
のちに、後世でそれをモデルとしたゲームが流行るのは、別の話。
了
後書き
そのゲームの名はーー【人狼】




