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「本音で話して」【すれ違い/おもはゆい】

最初はもっっっと短く書くつもりが、地味に少し長くなりました。



初出【2023年7月29日】

 私の彼氏は、本音で話してくれない…。



「って事で、本音で話していただけませんか? 」


「…なんでそう思うわけ? 」


「たー君ってさ…大事な話をしようとすると、ぐにふざけて話題を変えようとするよね? 私が見抜みぬいてないとでも思った? 」



 そう言うとたー君はバツの悪そうな顔をして、しば此方こちらと目を合わせない様にしたが、覚悟を決めたみたいで、「わかった」と言って、再び私と視線を合わせた。



「……ではきます。私に本音を語らない理由は、私の事を信頼してないからですか? 」


「…なんでそう思うわけ? 」


「【はい】か【いいえ】で」


「ッ……………いいえ」


「っ……そっ…そう、なん、だ…」



 やっ…ヤバい。自分から始めた事だけど、これ……結構、恥ずかしいぞ…!?

 たー君の事を訊く筈が、質問内容次第では、自分にもかなりのダメージが……。



「ユウ? 」


「!? ……じゃっ…じゃあ、次の質問ね? 」


「っっ………まだあんのか…」


「たー君の本音を知りたいんだもん。ちゃんと答えてくれないから、それをイエスノー形式けいしきで訊いてんじゃん。結構優しい方だぞ? 」


「あー…そうですね」


「ムッ! ……本音を語らない理由は、私に言えない内容だからですか? 」


「ッ……………。………」


「たー君っ! 【はい】か【いいえ】は? 」


「ッッ……………答えたくない…」



 答えたくないって……それはつまり【はい】って言ってる様なモノで…。私に言えない本音があるというワケで…。

 ヤバい……。自分で訊いといてなんだけど………泣きそうだ…。



「っ……本音を語らない理由は…わ"だしどの…わ"…」



 嗚呼あぁ……駄目だ。ちゃんと言葉にしなきゃ…。

 私が始めた事なんだから…だから……あー…。………なんか……もう、いいや…。



「…ユウってさ、受け身っぽいイメージがあるけど、結構攻める方だよな」


「! ………えっ…? 」


「こうやって、本音で語り合おうとしたり…。それが、嫌だなぁって思う事はあるけど、付き合う上では重要なのかもな」


「ッ……なっ…なにそれ? め殺しでもして、美しい思い出にさせて、私の心を一生(しば)るつもり?! 」


「………なんでそう思うわけ? 」


「またそれ! 都合が悪くなると、直ぐにそうやって、質問形式で言う! たー君の気持ちがわからないっ!!! 」


「……………はあぁ……」


「次は溜息だけで、俺の言いたい事を察しろって事!? 言いたい事があんならハッキリ言えばイイじゃん! そうやって他人ひとに言わせたり行動させようしたりするのは卑怯ひきょうだよっ!! 」



 口にして気付く。言い過ぎた、って事。と同時に、彼が別れ話をしやすくなった、って事が…。


 嗚呼……もう、嫌…。


 そうやって私を誘導ゆうどうさせるたー君の事も、それに乗っかって、感情的になって口にしたくない事を言葉カタチにする自分自身にも……ほんっっと、嫌になる…。



「っ………本当は、もう少し時間を掛けてから、言うつもりだったんだけどな…」


「っ……」



 時間を掛けて、って…。


 それって……私がもっとたー君にんでから捨てたかった、って事?

 それだけ私、たー君に嫌われてたの…?



「!? ……ユウ…如何した? 」


「……えっ…? 」


「…泣いてるから……っ」


「!」



 たー君に指摘してきされて自分の顔を触ると、目元や頬は濡れていた。呼吸が少しし辛くなったなぁ、と思ったのは、鼻水で鼻がまったから、らしい。



「ひっぐ! うっぐ! ら"っ…ん"! でっ、ん"ッ! 」


「……なに言いたいか分かんねえよ…」



 嗚呼……また、印象悪くしちゃった…。……いや。もういっそ、早くトドメをされた方がマシか?

 だって、たー君の心の中には、すでに私は居ないのだから、一日でも早くお別れをして、それでーー



「俺と結婚してください」


「……………へっ……? 」


「……え"? あっ…あー……いやっ…そのっ……悪い…。づらかったよな? いやぁ、こーゆうのって、思ったより緊張するな…ッ」


「………え…えーっと……“別れ話”じゃなくて…? 」


「………は? お前、俺と別れたいの? 」


「…えっ? えーっと……ちょっと待って! 一旦、頭の中を整理させて!! 」



 ……あれ? たー君、私になんって言ったっけ?? 結婚してください、って言ったような………結婚!?!!



「たー君……もう一度、先程の言葉を言ってくれませんか? 」


「ッッ………やっ……あのっ……ちょっと、時間をくれませんかね? これ、口にするの…結構、照れるので……っ」



 そう言ったたー君は、表情を見られるのが嫌なのか、顔をうつむかせているが、髪の毛で隠す事が出来ない耳元は、あか色付いろづいていた。


 それに、たー君は本音を口にする事は無いが、彼の一つ一つの仕草をちゃんと観察していれば、気持ちが表れていたのだと知った。











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