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⑹『ミスタースペルミス』
⑹『ミスタースペルミス』
㈠
全く、到達点まで到達しない、言葉の在り処を知らない、ミスタースペルミスは、おはよう、こんにちは、こんばんは、さえもスペルミスしてしてしまい、社会に溶け込むことの出来ない、それこそが、ミスタースペルミス。
㈡
自由自在に、右往左往と、位置を確認してはまた、その場を去り、そしてまた、何かのために、戻ってきては、パンかなにかとジュースを食べたり飲んだりして、今日という日を楽しく過ごす、ミスタースペルミスである。
㈢
それにしても、街行く人のミスタースペルミスを見る眼付と言ったらない、こいつ誰だよ、という訝し気な視線をもろともせず、俺は俺だ、という風に座しながら、今度はパンの中でも、食パンにまで手を出す有様の、有意義な、ミスタースペルミス。