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⒄『ミスタースペルミス』
⒄『ミスタースペルミス』
㈠
どうにもこうにも、正解が見つからないんだよ、ミスタースペルミスは、確かに、そう呟いた。二度、呟いた。ところが、であえる。ミスタースペルミスは、笑っているじゃないか。これには、俺も仰天したよ、落ち込んでるんじゃなかったのか、という風に。
㈡
こんな風に、乖離することも、天才のミスタースペルミスならば、良くなることなんだろうな、という空想を巡らす訳だ。そうさ、何を考えて、何を呟いたって、悪いことをしなければ、自然なことなんだ、と我々に諭してくれているかのようだ。
㈢
ミスタースペルミスは、本当に良い奴で、ゲーテには及ばないかもしれないが、ゲーテに匹敵するくらいに、良い奴なんだと思う。ああ、我々のミスタースペルミス、我々を天国へと、導き給え、って感じだと、思っている。