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⒂『ミスタースペルミス』

⒂『ミスタースペルミス』



ミスタースペルミスの声が、屋上から聞こえてくる。ミスをするな、スペルミスをするな、スペルミスをするなんて、俺一人で十分じゃないか、という風に。怨念の様な、助言の情な、はっきりいって、良く分からない声である。



無論、ミスタースペルミスが、屋根裏の散歩者、であるかどうかは、刻銘には判断出来まい。ただ、ミスタースペルミスのことだから、何か、サンタの様に、人を喜ばすことを考えているんじゃないか、との判断に行きつく。



勿論、ミスタースペルミスは、順調に、順当に、物事を進めるはずだから、こちらがヤキモキしても、始まらないのは、周知の事実だ。俺はこんな風にも思う、また、こんな可能性をも考える、ミスタースペルミスなら、そんな風に言うだろうから。

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