ある晩秋の日
ある日の昼から夕方にかけて
終日さらさらと枯葉が舞っている
あかるく透ける空を見ていると
何か起こるような
いい方向に向かうような予感に
風よりも軽やかになっていく
これからは冬が来て
空気が澄んだ季節になるから
暖炉に火を入れて
奥から膝掛けを出そう
凍るような寒い夜には
星あかりの戸外に出かけて
流星群を見つけたら
神話を想って願いを伝えよう
そうしていつかは雨があがるように
あたらしい春の日が来たら
一通の手紙を書いて
花とともに贈ろう
きみにきみを返そう
蒔いた種から花が咲いたよ
きみに歌を返そう
もう自由に歌ったらいいんだよ
贈られたものを返そう
抱えきれないほどの優しい詩や言葉に
その書き手たちに贈ろう
感謝の気持ちを花束に
そうして秋の終わりの花が咲く
この季節には
草原が広がる友人の家まで
訪ねていこうか
あかるいところを歩きながら