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最弱な俺が『最強』の美少女たちに姫扱いされる件  作者: テトラ
第九章 ≪禍つ魔の災厄≫
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#88 急襲

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序章、読んでいただけましたか!改稿が終わって色々と変更もしたので、まだの方は是非読み返してみてください!



「ちょちょちょ、なんで俺今落ちてんのッ!?」


 俺は空から落下しながら、脳をフル回転させて考えた。

 ――が、何も分からなかった。


 湖の底から、水面に向かって泳いでいたら、誰かの声が聞こえてきて――気付いたらこれだ。

 目の前が真っ白になって、次の瞬間には空から真っ逆さま。


『――紅蓮! 詠唱はいいから我に身体を貸せッ!』

「あ、ああッ! 頼むッ!」


 俺は言われるがまま、カグラに身体を譲渡するよう念じた。

 次の瞬間、俺に身体の自由は無くなっていた。


「フンッ……この気配――魔族か!」


 そう言いながら、カグラは地面に向けて拳を振るった。


「風圧で、着地する――ッ!」


 直後、本当にカグラが放ったパンチか強力な風圧が発せられ、俺の身体はそのまま地面に傷一つなく直地に成功することができた。

 しかし、着地後すぐのこと。


「――報告通りなら、そうすると思ったぞッ! 龍の神めッ!」

「なッ――」


 目の前に、見覚えのある格好の男がいきなり現れて。


「――闇に飲まれろ。無限闇穴ブラックホールッ!」


 次の瞬間、俺の視界は黒に染まった。


「なッ……これは、存在ごと抹消する神話級の魔法、だと――ッ!」

「クハハッ! 神も、神の器もここで滅ぼしてくれるッ!」

「何故お前のような者が、こんな魔法を――くッ!」


 必死に魔法に吸い込まれそうなのを、何とか耐えているカグラ。

 しかし、限界は近そうだった。


「吸い込む力の方が、強い……かッ!」

「闇に飲まれて消えろッ!」

「させるか……紅蓮だけは――神の子だけは絶対に守らねばならんのだッ!」


 そう叫んだカグラは、自身の周囲に浮いていた宝玉――『龍玉』を輝かせて、再び叫んだ。


「龍玉よ――我が声に応えよッ!」

「無駄だッ! 私の魔法に、不可能など何もないッ!」


 一つ、また一つと龍玉が割れていく。

 しかし、それと共に、吸い込まれる力がだんだんと弱くなっているような感じがした。


「なッ……何だと――」

「クハハ……これで、最後だ。紅蓮――あとは、任せたぞ――」


 最後の龍玉が、砕けちると。目の前の、黒い大穴は姿を消した。

 そして、俺の身体の自由は戻り、カグラの声はもう聞こえなくなっていた。


「そんな……馬鹿なッ! 完璧な奇襲だったはずなのに――」

「お前は――」

「紅蓮ッ! 大丈夫ッ!?」


 俺は、声がした方に振り返った。

 すると、姉さんや冥たちが俺のところまで駆け寄ってきてくれていた。


 そこで、気が付いた。


「湖が、干上がっている……?」


 俺は、今深いクレーターのような場所に立っていたのだ。

 そこは、さっきまでは水があったはずの場所で――今ではもう完全に水が消え去っていて、完全にクレーターと化していた。


「お前は――ッ!」


 俺の側まで来た姉さんは、俺の目の前の男を見て怒りをあらわにした。


「――魔王ッ!」


 そう。この男は……俺の目の前で影咲を奪ったあの男――魔王アレンだった。


「クク……ククク……ッ! ああ、そうだ。私は魔王。魔王アレン・ディヴォ―トだ!」


 魔王軍の誰かが来るのではないか、と覚悟はしていたが……やはり、魔王が来たか……。

 と、いうことは、恐らく――


「――魔王様。どう致しますか」


 やっぱ来たか。

 俺は魔王の隣に現れた一人の男を見て、言った。


「――悠兄さん。やっぱり、貴方も居るんですね」

「フッ。ああ、紅蓮。この間ぶりだね。蒼華さんに、冥も」

「悠……やっぱ来たわね。あたし、この間から色々とアンタに言いたいことがあったんだから」

「僕も色々とありますよ、貴女には言いたいことが、ね」

「にぃ……なんで……なんでよッ!」

「黙れよ、冥。お前には用はないからさ」


 ……悠兄さんに関わりのある、俺と姉さん、そして冥がそれぞれ彼に言葉をかけるが、悠兄さんの反応はどれもやはり、『敵』と思うには十分すぎるくらいの言葉ばかりだった。


「今日はね、紅蓮。君の今持っているその双剣と、例の聖剣。それに、蒼華さんの持つ『憤怒』の力をもらいに来たんだよ」

「……そうだと、思ったよ。だから、俺たちも、ここに来たんだ」


 ああ、そうだ。今の俺たちの目的は、悠兄さんからどうして魔王側にいるのか事情を聞き出すことなんだ。

 だから、ここに来た。そして、それは狙い通りで――。


「そうか。なら、覚悟はしているんだろうな」

「覚悟……?」

「――ああ。そうだ。覚悟だ」


 そう言いながら、悠兄さんは剣を引き抜いた。


「――僕と、魔王様。そして、彼女に殺される、その覚悟をねッ!」


 そう叫んだ悠兄さんの後ろから、一人の少女が現れたのだが――。

 その、少女の顔が、見覚えのある顔で。


 俺にとっては、忘れたくても忘れられないほど、色々な想いがあった相手で。



「なん、で……なんで、影咲……が……?」



 目の前に居たのは、影咲奏――そう。僕の、想い人だった人だ。

次回は明日更新です!

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