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最弱な俺が『最強』の美少女たちに姫扱いされる件  作者: テトラ
第七章 ≪覚醒の龍神≫
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#58 目覚めし相棒

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神回です



「悠兄さんが、俺を殺す……? な、何を言って……」

「――言った通りだよ、紅蓮。ボクは君を殺して、その聖剣を奪わせてもらう」


 悠兄さんの視線は、俺ではなく、俺の手にある『桜花』に集中していた。


「……本当に、そんなことが……」

「出来るさ。だって、ボクは魔王軍四天王の序列一位なのだからッ!」

「魔王軍四天王の……だってッ!?」


 本当に、一体何がどうなっているんだ!?

 目が覚めたら、冥の兄である悠兄さんが蒼華姉さんを襲っている魔人で、しかもあの魔王の部下の四天王序列一位って……。


 でも、俺はそれを受け入れるしかなかった。

 彼の頭にある禍々しい二本の角に、さっきのカグラの言葉。カグラは、ハッキリと『魔人の襲撃者』と言ったんだ。

 だから、これは全部現実で――


「――油断してるとすぐにやられるって昔教えなかったかなァッ!?」

「ッ……!!」


 まずい、長考しすぎた!

 悠兄さんの振るった剣が、もう目の前まできて――


「――それはこっちのセリフなんだけどッ!?」

「貴女ならそう来ると思ってましたよッ!」


 蒼華姉さんが割って入ろうとすると、それを見越していた悠兄さんが剣の振るう方向を急転回させた。


「それくらいならどうってこと――」

「――そう、思いますよねッ!」

「――なッ……!!」


 直後、軽い爆発音がして、姉さんは吹き飛ばされていた。

 悠兄さんは、剣でも攻撃を囮にして、左手で魔法を発動させていたのだ。


「そろそろ大人しくしててください」

「――だ、れが……」

「――まずは一人」

「あがッ――――」


 倒れる姉さんに、悠兄さんは容赦なく拳を叩きこんで気絶させた。


「に、にぃ……なんだよね……どうして、どうしてこんな事……」

「悪いな、冥。お前の回復スキルも邪魔だから――」


 気付いた時には、俺の視界から悠兄さんはいなくなっていた。


「――ァッ……!」

「これで、二人……」


 そう言いながら、今度は後方で冥を簡単に気絶させていた。


「妖精族の双子――まあ一応、外野がいると気分が削がれますからね」

「まさか――ッ!」


 悠兄さんは、モネとレイニーを見ながらそう呟いていた。


「――や、やめろ! お姉ちゃんに、近づくな!」


 悠兄さんの次の狙いが分かったからか、レイニーは男らしくモネの前に立ち塞がった。

 しかし……


「――邪魔だ、子供の分際でボクの前に立つな」

「うああッ!」


「レイニーっ!!」


 悠兄さんは相手が子供レイニーだろうと構わず拳を振るった。


「な、なんで私たちまで……!」

「ああ、せっかくの紅蓮との大切な時間だからね。二人で過ごしたいんだよ、ボクは」

「悠兄さん! それなら俺たちだけ場所を変えればいいじゃないかッ! モネやレイニーは関係ないだろッ!!」

「――ああ、それもそうだね。確かに、さっきの子供は関係ないよ」

「なら……」


「――でも、彼女は別だ。神を受け入れられるだけの力があることが分かった」

「え……」

「神は、魔王様が恐れる唯一の存在だ。――だから、キミだけはここで始末させてもらう」


 始末? 始末って……まさか、殺すのか?

 モネを? そんな事……


「な、なんで剣を構えてるんだ……悠兄さん!」

「――言っただろう、殺すと」


 ふ、ふざけるなよ……!

 モネは、儀式に利用されて……すごく苦しい思いをして……


 そんな傷心の彼女を、殺すなんて――


「これで、三人目――」


「やめろおおおおおおおおおおおおおおッ!!!!!」


 俺は、手を伸ばした。

 届かないことは分かりきっていたのに。モネを守りたい、ただその一心で。


 声を荒げ、手を伸ばして。

 悠兄さんの構えた剣が、モネに突き立てられようとしたその時だった。




『――乗り掛かった舟だ。我は、貴殿と彼女だけは最後まで守ると約束しよう』




 俺の中から、声が――カグラの声が聞こえてきて。


 ――その瞬間、世界が停止した。




「こ、これは……」

『――我の力だ、紅蓮』

「た、助かったよカグラ……! でも、状況が最悪なのには変わりない……一体、どうすれば悠兄さんを止められるんだ……!」


『――さあ、早く言わんか。時間はあまり無いのだぞ?』


 ……? それは、俺に言ってるのか?

 いや、違うよな。じゃあ、一体誰に――




『――時は満ちた。長らく力を蓄えていたが、ついに至ったのだ!』




 ッ!! そ、その声は……ッ!




『――ぐれんっ! 久しいのだ! ワタシが戻ってきた、のだ!!!!!』


「――桜花ッ!!!」

次回は明日更新!

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