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最弱な俺が『最強』の美少女たちに姫扱いされる件  作者: テトラ
第七章 ≪覚醒の龍神≫
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#54 精神世界

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「あれが……モネちゃん……?」


 モネと出会ったことがあるのは、紅蓮とレイニーだけだ。

 だから、メルたちはこれが彼女との出会いになる訳だが。


 ――その出会いは、とてつもなく最悪なものだった。


「お姉ちゃんっ! モネお姉ちゃんっ! どうしたの!?」


 レイニーは目の前に現れた血まみれの姉を見て、必死に呼びかけるが、何やら様子がおかしい。


「……状況から察するに、我は貴殿の姉だったのだろうな」

「だった……?」

「ああ、傷だらけの武人よ。我は、我であって、貴殿らの言う『モネ』という者ではない」

「お姉ちゃんじゃ、ない……?」


 モネ?は、手に付いた血を舐めながら、そう笑った。

 遅れて、彼女たちは気付いた。


 ――そういえば、紅蓮は何処へ行った?


「――それにしても、先程の人間は惜しかった」

『……ッ!!!』

「判断力、そして武器を構えて周囲の警戒……相当のセンスの持ち主だとは思ったのだがな……」


 少女の声で、その者は溜め息をつきながら言った。


「我と戦う判断をしたのが間違いだったのだ。気配を察知した瞬間に逃げるべきだった。優秀な判断能力を持ち合わせながら、なぜあの人間は……」

「――彼は、死んだの……?」

「……ほう、この感覚は……。やはり我の判断は正解だったようだな」

「答えろ……お前は、彼を殺したのか……ッ!?」


 メルは、マグナと戦った時の鬼のような形相でモネ?に近づいていく。

 その姿を見て、その言葉を聞いて、蒼華は無言で立ち上がった。


 そして、静かに怒りを放っていた。

 それは、マグナから受け継いだあの力を発現させるほどに――


「お、お姉ちゃん……その角は、一体……」

「……ほう? 種類は違うようだが、鬼の気が二つ……この時代にもまだ存在していたのか、面白いッ!」

「私の問いに答えろ……お前は、彼を喰ったのかッ!?」


「――ああ、喰った。この後の人間と同じようになッ!」


「ぐれんさんを……おねえちゃんを……二人を殺したお前を、絶対にぼくは許さない……ッ!!」

「――コロス」

「悪いけど、死んでもらおうかな? ――お姉ちゃん、ちょっと止められそうにないからさ」


「面白い、面白いッ! 武人たちよ、まとめてかかってくるがいいッ!!」




◇◇◇◇◇




「……ここは、一体……?」


 気が付くと、俺は不思議な空間にいた。

 夢の世界、と表現するのが良いのだろうか。ピンクや黄色、白といった色に囲まれた何もない広い空間。


 そんな場所で、ただ一人。

 さっきまでのことは覚えている。だが、直前に何が起きてこうなったのかまでは分からなかった。



「――気が付いたか、人間よ」

「っ……誰、だ?」

「我は――龍の神、『龍神カグラ』という。気が付いたら少女の身体になって目が覚めたのでな……我も驚いているのだ」


 突如、俺に話しかけてくる声があった。


 龍の、神だと……?

 という事は、モネを利用した儀式が終わって、彼女の身体に宿った神がコイツだったというのか?


「ここは、何処なんだ……?」

「我の腹の中だ」

「え?」

「我の、腹の――」

「は?」


 ん? 聞き間違い、ではないんだよな。

 じゃあ、どういうことだ? 俺が、その龍神とやらに喰われた……で、腹の中に来た、ってことなのか?


 いや、だとしてもこんな変な空間が腹の中なんて訳……


「すまない、腹の中なのは事実だ。貴殿は我が一瞬で丸呑みにしたからな」

「ま、マジなのか……」

「そして、表現を少し間違えた。ここは、腹の中だが、同時に我の――いや、彼女の精神世界でもある」

「精神世界……?」


 彼女ってことは、モネの……?


「そうだ……そうだった! モネは……モネはどうなった!? 生きて……生きているのかッ!?」

「ん、ああ。そのことか。それなら、安心するがいい」

「ッ! ってことは、もしかして……!」


「ああ、降りてきた神が我で良かったな。――その者は、何とか我が守ってあるぞ。ほら」


 そう言って、視線の先が若干霧状にぼやけて、そこから二人の人影が現れた。




「――すまないな、人間。外が騒がしくて、出るのが遅れてしまった」


「……ッ!!!」


「我が、龍神カグラだ。以後よろしく頼む、『神の子』よ」



 現れた二人の内、一人は金の長髪と筋骨隆々とした体が目立つかなりの美丈夫――龍神カグラだった。

 そして、もう一人は――



「あ、えっと……モネ、です。えへへ……」



 少し暗めの白い髪に、腰辺りまで伸びた長髪。

 そして、エルフ特有の尖った長耳が特徴のかわいらしい女の子。


 ――そう、それは、元気そうなモネだった。

次回更新は明日です!!!

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