#42 死の淵と暗躍
短めです。章終わり!
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まただ。また、この感覚を味わえるとは。
ああ、やはり『死』というものは素晴らしいな。
この、心と体が引き裂かれそうになる感覚。
それに、苦しいほどの絶望感に、凍てつくような痛み。
やはり、『死』は最高に素晴らしい。
この人間を選んだ時、最初こそ失敗したと思ったが……やはり間違いではなかったようだ。
短期間に、二回も死ぬとはな……。
我が居なければ、この者の肉体は今頃天へと昇っていた事だろう。
ククク……この人間もなかなか運のいい。
いいや、運が悪いと言うべきだろうか?
何故って? それは……
『この死神に、憑かれてしまったのだから――』
◇◇◇◇◇
≪大妖精の森 泉付近にて≫
「――こちら偵察部隊。こちら偵察部隊。聞こえていますか」
『ああ、聞こえている。なんだ、こちらは今団長殿が帰還して余裕が無いのだ』
「ああ、ガラドン様。良かった、急ぎの報告がありまして――」
『急ぎの報告、だと?』
「はい。――先程、大妖精の森にて小規模ではありますが、戦闘が行われました」
『ほう? 相手は?』
「正体は不明ですが、人間の……少年でした」
『ほう、人間が、エルフを?』
「ええ。ですが、その言い方は少し違いますね」
『というと?』
「正確には、エルフから仕掛けてきた先頭に、人間の少年が応戦したという形になります」
『なるほど。それで戦いの決着はどうなっている?』
「その少年が、殺されました。胸に、ナイフを一突きです」
『ほう……ほうほう? それはそれは』
「――恐らく、これでこの地に攻め込む理由が出来たかと」
『ククク……馬鹿なエルフもいたものだ。人間を殺してしまうとはな……』
「私は一度これで帰還したいと思います。――戦争の準備があるでしょうから」
『ああ、戻ってこい。――これから、面白くなるぞ……?』
◇◇◇◇◇
≪聖騎士団本部 団長の自室にて≫
「紅蓮……?」
おかしい。紅蓮の反応が、途切れた?
私には、スキル『溺愛』というものがあって、頭に強く思い浮かべた人を、何処にいるのか把握することが出来るのだけれど……。
紅蓮の、反応が感じられなくなった……。
どうして、どうして……!?
私は焦る心を何とか落ち着けながら、団長室を飛び出た。
すると、そこには。
「――おやおや、こんな時間にどこへ行くのですかな? 団長殿」
「ガラドン……バルドット……ッ!」
「団長殿には、ここで大人しくしていて欲しいのですよ――少し、邪魔なので、ね……」
それぞれの思いが交錯する夜。
事態が、ここからさらに急速に動くことになることを、まだこの時は誰一人知る由も無かった。
「お兄ちゃん……遅い、ですね……」
「グレンさん……大丈夫かしら……」
『ぐ――――れ――――――ん』
次回は明後日更新です。次回、第六章開幕~!
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