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最弱な俺が『最強』の美少女たちに姫扱いされる件  作者: テトラ
第五章 ≪妖精姉弟との出会い≫
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#38 羞恥心

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若干短めです。メルの気持ち編。



 ああもう、どうして私ってばあんな態度取っちゃったの!?

 うう……これじゃ余計に顔を合わせづらくなっただけじゃない!


『いえ、あまり気にしないでください……』


 ってなによ!!

 グレンさんが魔物に襲われていたところを助けて……それで彼は純粋なお礼を言ってくれたのに!!


 なあああんで私は素っ気ない感じで答えちゃったの!?

 馬鹿なんじゃないの!?



 ……最近は、グレンさんとも打ち解けてきたような気がしていた。

 それは私だけが思ってたんじゃなくて、彼も思ってくれていたのだと思う。


 その証拠に、私たちはお互いに『素』を出し合っていられるようになったから。

 少しずつ……少しずつだけど、私も彼と普通に仲間として話せるようになってきたと思っていた。


 でも、ふとした時に思い出してしまうのだ。

 それは、彼が私のことを助けてくれた時のこと。


 いつだって、彼は――あの人は、私のことを助けてくれる。



 ……でも。



 私はその度に、不安な気持ちでいっぱいになる。

 いや、もちろん嬉しいのは嬉しい。それは、顔に熱がのぼってくるくらいには。


 でも、この前……マグナとかいう奴が襲ってきたとき、彼は身を挺して私のことを守ってくれた。

 それで、大きな怪我を負ってしまった。


 あの時の私は、本当に消えてしまいそうなくらい心細くなってて、それと同時にあの男を殺したいという衝動でいっぱいだった。


 全てが終わって、私は彼に謝ろうとした。

 「私のせいで、貴方を死なせてしまうところだった。だから、本当にごめんなさい」と。


 彼に言われたら、私は再び孤独の道を歩むことも覚悟していた。

 でも、その言葉を言う機会は訪れなかった。


 ……というか、私がその言葉をなかなか言い出せずにいたのだ。



 それは、恥ずかしかったから。

 助けてくれた時の彼が、とてもかっこよくて。もう、普通に顔を見ることが出来なくなってしまったから。


 そして、怖かったから。

 私のせいで、死にかけさせてしまって。申し訳なくて……拒絶されるのが怖くて。



 謝罪の言葉が言えなくて、日に日に不安感は募っていくばかりで。


 しかもその上、ちょっと顔を合わせるのが恥ずかしいからって距離を取ったりそっぽを向いたりして。

 改めて考えてみれば、私ってホント子供ね。



 ああああ、もう! 私の馬鹿!!

 すぐに謝れば済む話だったのに……!


 もっと早く謝ってれば、グレンさんと、もっと仲良くなれてたかもしれないのに……!



 もう、こんな思いをするのは嫌だ。というかこりごりだ。

 せめて早く謝って、グレンさんと前みたいな関係に戻ろう。


 そう、しようと思っていたのだけど……。


「……ッ!」


 グレンさんは、旅の途中で冥さんと話していて。

 その途中で、どこかに走っていってしまったのだ。


 もちろん。すぐに追いかけようとした。

 だけど、彼のあの様子を見て、きっと一人になりたくてしょうがなかったのかと……そんな気がした。


 だから、すぐには追いかけなかった。

 私には『索敵』のスキルもある。だから大丈夫だろうと、そう思っていたのに。




 この時の私は、まさか次の彼との再会があんな形になるとは思ってもいなかった。




 ……私が彼に謝るのは、もう少し先の話になりそうだ。

次回は明日更新です!

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