表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最弱な俺が『最強』の美少女たちに姫扱いされる件  作者: テトラ
第四章 ≪魔王軍の襲来≫
37/146

幕間1 残った者たち

幕間です。前後編の前です。



 突然ですが、異世界に召喚されました。

 え? 何を言っているのか分からないって?


 すみません、僕にも分かりません。


 僕たちは、ある日いきなりこの世界に『召喚』されたのです。

 それはもう、現代文の授業でウトウトしてたらいきなりですよ。


「――よーし、今日の訓練はこれで終わりだ!」

『ありがとうございましたッ!!』


 僕たちは今、とある大きな屋敷の大きな空き地……いえ、運動場のような場所で剣術や体術、魔術などの戦闘訓練をしています。

 まあちょうど今終わったんですけどね。


 あの日、僕たち2年E組の生徒たちの『大半』がこちらの世界に召喚されて、さらにそこから一部の人間を除いたほとんどのE組生徒が今、こうして戦闘訓練を受けているところなのです。


 理由は単純明快。どうやら僕たちを他国との戦争の切り札にしたい、と。

 異世界人は能力が非常に優秀で、成長速度もこの世界の人間と比べて段違いに速いのだとか。


 だから、異世界人である僕たちはもれなく全員戦闘訓練を強制されているのです。


「――ああ、ちょっと。『月島君』、だったかな」

「あ、はい。あってますよ」


 申し遅れました。僕は月島晴つきしまはると言います。

 得意分野は数学や化学などの理数系で……こちらの世界では、水や氷の魔力操作を得意としています。


 って、そんなことまでは聞いていませんよね。


「前に聞いておいた件についてなんだが……」

「ああ、あれですね。一応ある程度はまとめておきましたよ」

「おお、そうか! では少し聞かせてもらえるかな?」

「ええ、喜んで」


 目の前にいるこの人は、『アレク・バルドット』さん。

 現在の聖騎士団の副団長さんの弟さんで、とても心優しい人格者です。


 そして、僕はそんな彼にある頼まれごとをしていました。

 それは、この世界に召喚されてきた異世界人……つまるところ、僕たち2年E組の生徒の情報を聞きたい……と。


 先程僕はこう言いましたね。

 『大半がこちらに召喚され、召喚された内の一部を除いたほとんどの生徒が――』と。


 そう。結論から言うとこの召喚には少し不可解な点が多かったのです。


「……その、不可解な点というのは?」

「まず、召喚時にいたはずの一部生徒の姿が見当たらないという事」


 そう。確かに僕はこの目で見た。

 僕の教室での席位置は一番後ろだ。だからしっかりと見えていた。


 ――教室にいた、現代文のハゲ教師を除いた生徒全員が青い光に包まれていたのを。


「具体的に、その数と……できれば名前を」

「わかりました」


 まずそもそも、2年E組は全部で30人ぴったりのクラスだ。

 そしてこの世界に召喚されたあの日、あの場所にいたのは僕含め24人。


 この時点で6人の人間が既にいないという事になるわけですが……。


 鬼怒川きぬがわりんさん、原田はらだ竜司りゅうじ君、

 鷹野たかの千里せんり君、黒崎くろさき霊奈れいなさん

 天見あまみ涙衣るいさん、如月きさらぎ大地だいち君。


 いないのは、この6人の同級生たちでした。


「なるほど。いないのは、その6名と――」

「例の、緋神紅蓮君と、影咲奏さんの二人、ですね」


 つまりこの屋敷には、現在22人の人間が居るという事にもなる訳です。

 それにしても、一体どうしてこんなことをアレクさんは聞いてきたのでしょうかね。


「……どうして、という顔をしているな。月島君」

「……ええ、まあ。そんなに顔に出てましたかね」

「それなりには、ね」


 でも、本当に一体どうしてそんなことを調べているのだろうか。


「……君は信用できる人間だ。そちらから情報を提供して頂いた以上、こちらからも話さねばなるまい」

「……一体、何を」



「俺の、本当の目的と……消えた君たちの仲間のことについて、だ」

高評価とブックマーク登録をお願いします!

次回は明日更新です。


高評価↓↓↓

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ