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最弱な俺が『最強』の美少女たちに姫扱いされる件  作者: テトラ
第三章 ≪最強の家族≫
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#24 最強の仲間

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章終わり!次回から新章です!



「――よしっ! これで悪い奴はみーんな捕まえたかな?」

「さ、流石団長殿……。お見事でした」

「では副団長さん、あとはよろしくお願いします! あたしはこの子たちとちょっとお話があるので、あたしがいない間のことは全部副団長さんに任せますね!」

「……ほう、それはそれは。かしこまりました。どうぞごゆっくりとお話しくださいませ、団長殿。では私はこれで……」


 そんな会話の後、聖騎士団の副団長――ガラドンは、仲間の聖騎士たちと共に捕らえた悪人集団を連れて国へと帰っていった。


 結局あの後、聖騎士団の現団長である姉さん――緋神蒼華が、炎上する森の中を駆け回って、盗賊団も荒くれ者団もちゃちゃっとボコして捕らえてしまったのだ。


「さてと、それじゃああたしたちも行こっか!」

「え、でも……姉さん……」

「――色々と事情があるんでしょ? ちゃんと、話を聞かせて。紅蓮」


 そう、真っすぐに俺を見て言う姉さん。

 こうなった時の姉さんからは絶対に逃げることはできない。


 ……いつもいつも、俺に何かあった時は言わなくても向こうから気付いて声かけてくるんだもんなぁ……。

 ホント、そういうところだけは怖いよ。


「――『家族』ってのは、恐ろしいもんだな」

「私は紅蓮のお姉ちゃんなのよ? それくらい当然じゃない!」

「……そっか」


 俺は、何故か笑って答えていた。




◇◇◇◇◇




「――そんなことが……」


 俺は、姉さんたちと森の外へ向かいながら、これまで俺の身に起きた出来事を話していた。


 この世界に召喚されたこと。能力値が低くて追放されたこと。

 桜花と出会ったことや、影咲が殺されたこと。

 森での暮らしの事や、メルとの出会いなどなど……。


 この世界に来てからの俺の『今まで』を、軽くかいつまみながら語ったんだ。

 メルにも話していなかったこともあったので話の途中で、姉さんと一緒にメルも泣く……なんてシーンもあったが、その時は文字通りの『大号泣』だった。


「二人とも……。ううん、『三人とも』大変だったんだね……」

『っ…………今、ワタシのことも――』


 姉さんの言葉に若干泣きそうになるが、なんとか堪えた。

 ってかそういえば、姉さんのことはまだ聞いてないじゃんか。


「そうだ、今度は姉さんのことについて聞かせてよ」

「あたしの? ん~……おっけ~だけど、そんなに面白くないと思うよ。それに、皆の話と比べたら、不快な気持ちにさせちゃうかも……」

「き、気にしないわ、そんなこと。だから、聞かせてくれないかしら……いえ、聞かせてください」


 姉さんの言葉に、メルが真剣な顔で答えた。

 その言葉に、俺は続く。


「俺も聞きたいな。こうして姉さんと再会できたのは、奇跡なんだし……どうしてそんなことになったのか、素直に気になるよ」

「そ、そう? それじゃあ……」


 そう言って、姉さんは自分のことについて話し始める。

 姉さん曰く、こんなことがあったらしい。


 俺が桜花と出会ったあの日、世界各地に出現した青い光の柱が召喚の儀式の際に発生するものだったのだ。

 姉さんは日本で、俺のことを探している最中にその光に包まれてこちらの世界に召喚されたらしい。


 召喚された場所は、なんとまさかのカルマ王国の王城のすぐ近く。

 すぐに聖騎士団に見つかった姉さんは、国王の意向もあって王女にて保護されることに。


 そのまま諸々の検査を終えた姉さんには、闘気――つまりパワーの数値が異常に高いことが判明し、そのまま王城内で訓練を受けることになったのだとか。

 つまりは、戦争の切り札として育てられ始めたのだ。


「――んで、聖騎士団の人たちと訓練してたら、いつの間にかその仲間入りを果たしちゃって、あっという間に団長ってわけ」

「いや話が飛躍しすぎなんだけど!?!?」


 うう……やっぱり姉さんに備わっている天性の才能のお陰だろうな。

 料理洗濯掃除エトセトラ……家事全般が壊滅的に苦手なことを除けば、本当の天才だからな。姉さんは。


「そんなことより、だよ」

「え?」


 どうかしたのだろうか、いきなり人差し指なんか突き立てて。


「――あたし、決めたから」

「なにを?」

「だから、決めたって言ってんの!」

「いや、何をって聞いてんじゃん」

「だーかーら!」


 ……?


「あたし、しばらく紅蓮たちの面倒見るために、旅についてくから!」


 ……???


「何言ってんの、姉さん。聖騎士団の団長が、俺たちみたいなはぐれモノといっしょに居たら……」

「ちょ、はぐれモノって…………まあ、確かにそうだけど。もっと言い方あるでしょ!?」

『あはは! 確かにぐれんも獣人の小娘もはぐれモノではあるのだ!』


 というか仕事ほっぽりだすなんて……普通はダメだろ。

 まあ普通じゃないと言えば、確かに普通じゃないんだが……。


「ごちゃごちゃうるさいぞー!! あたしが行くって決めたんだから行くの!」

「ええ……そんなんいいのか?」


 ま、まあ嬉しいんだけど。


「よーし、そうと決まれば、早速近くの街まで行くよ! ――大丈夫、ちゃんと顔とかは隠せるものを見繕ってあげるから!」


 ……やっぱり敵わないな、姉さんには。

 こっちの心配事を、さも当然かのように解決してくるんだから。



 ――この日、俺たちは最強の仲間を手に入れることができたのだった。






◇◇◇◇◇






「ククク……この少女がまさか、『闇魔法』の使い手だったとはな。異世界人だったから保管されていたが……そうでなければ危なかった」


「『彼女』をどうするんですか? ――魔王様」


「『転生』させる。お前と同じように、『魔族』へとな……」



 男は少女の身体をそっとなぞった。

 腹に空いた穴。その周囲を塗りつくした真っ赤な血。


 日本人特有の整った顔立ちに、綺麗な黒目黒髪。

 少女の肉体は今――




 ――紅に染まっていく。

次回更新は明後日!章終わりなので明日は休みです!

補足:最後の部分は、現在進行形で別の場所で進んでいる物語です。ここの詳細はまたお話が進んでから徐々に明らかになっていきますので……!

影咲ちゃんの死後のお話や、紅蓮君が追われることになった理由、クラスメイトや国王たちの方の描写など、少しづつ表現していきたいと思います……

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