表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最弱な俺が『最強』の美少女たちに姫扱いされる件  作者: テトラ
第三章 ≪最強の家族≫
22/146

#20 遭遇

高評価とブックマーク登録をお願いします!




「クソ……いったいこれはどうなっているんだ!」

「わ、私たちは見えてないんですよね!?」

『む……そっちも敵影があるぞ!』


 現在、俺たちは戦火の真っただ中にいた。

 森の中には様々な声が響き、さらには誰が放ったのか、火も上がり木々は燃えていたのだ。


 想像と違う展開に、驚きを隠せない俺。

 どうしてこんな事になったのか……これは遡ること10分前の事である。






◇◇◇◇◇






「よし、移動開始だ!」

「はいっ!」


 そんな掛け声とともに、俺たちは敵の来ていない真南方向に向かって走り出した。

 それから順調に進んでいたと思っていた頃に、目の前に人影が見えたのだ。


「あ、あれは……」


 その人影を見た時、メルがすごく怯えたような顔をしていた。

 聞けば、どうやらそいつらはメルが以前まで居た奴隷商のところの雇われ兵……荒くれ者集団なのだという。


 いくらそいつらが馬鹿そうで、こちらが『隠密行動』の能力で気配が消えてるとはいえ、透明化までしている訳じゃないから見つかれば即アウトだ。

 どうやらメルは姿が見えなくなる力だと勘違いしてるみたいだけど。


「よし、少しだけ迂回して行くぞ」

「え、ええ……」


 敵の姿と正体が分かったことで、その荒くれ者集団の狙いは恐らくメルであるということは分かった。

 だから奴らに見つかったら、俺たちは全力でそいつらから狙われてしまうだろう。


 そう思って、作戦を南西寄りに抜けるように変更しようと思ったのだが、その矢先にまた人影が見えたのだ。


『あ、あれは……!』


 今度はその姿を見て、桜花が驚いていた。

 聞くと今度は、そいつらは以前に桜花を狙って何度もあの洞窟にやってきていた薄汚い盗賊集団なのだという。


「おいおいマジかよ……」


 ということはつまり、そいつらに見つかったら今度は桜花が狙われることになるから、そっちも俺たちのことを全力で狙いに来るわけだ。

 この時点で、俺の作戦は変更を余儀なくされた。


 まあ作戦を実行すること自体は可能なのだが、リスクが高すぎたのだ。

 今回のミッションは、できる限り少ないリスクで事を収めなければいけない為、俺は再び脳をフル回転させて考えた。


「…………」


 そして、導き出した結論がこれだ。


「木の上に、隠れるか!」

「え?」


 いやだって冷静に考えてみてもそうだろ?

 このまま南に移動しても、荒くれ者集団と盗賊団にみつかるリスクがあって、その上どちらか片方にでも見つかったら俺たちは狙われてしまう。


 その時点で衝突させよう、っていう俺の作戦は破綻してしまうのだから。


 じゃあ北に戻るかって言っても、多分そっちは騎士団が来てるから見つかったらお終いだし。

 そうなると、このまま見つからないようにおとなしくしてて、奴らがぶつかり合うのを見守るのが一番だ。


「ってことで、このまま高い木の上に…………!」


 幸いこの森の木は、かなり葉が多い木なので、隠れるには最適だった。


「で、でもこれは流石に……」

『いや、急ごしらえな作戦ではあるが、案外いけると思うのだ!』

「だよな!」


 このままここで気配を消し続けてれば、三方向から進んでいる三つの集団はちょうど中心でぶつかり合うはずだ。


 ――そして俺のそんな思惑通り、5分後。森の中に大きな声が響き渡った。



「――盗賊団を発見!! 陣形を崩さぬよう、捕らえられるだけ奴らを捕らえるのだ!」



 そんな声が聞こえた直後、カキン、キン、といった金属音――剣の打ち合う音が聞こえ始めたのだ。



「――チッ! オメエら、ここで俺らは捕まるわけにはいかねえ! 逃げれる奴から逃げろ! 工作班は例の物をバラまいてからだぞッ!」



 これは恐らく盗賊団のボスの声だろうか。

 そんな言葉に部下たちが「応ッ!」と返すと、それに対抗するように北側の集団――騎士団が攻めた。



「――絶対に逃がすなッ! 団長が来る前に全て片付けるぞッ!」



 この言葉で、より一層戦火は激化したのだ。

 さらには、



「――お前ら、構うたァねェ! あの獣人族のガキはこの森にいるはずなんだ! とっとと見つけて持って帰るぞッ!」

「――それ以外の邪魔な奴らは皆殺しだ! ボスが後始末なら任せろって言ってたしなァ!」



 そんな声も聞こえてきて、さらにさらに戦場が混沌としたものに変わっていったのだ。






◇◇◇◇◇






「さーてと~? やっぱりどんどん気配が強くなってるけど、愛しの弟くんは一体どこに隠れてるのかな~??」

明日はキャラ表だします!

実質お休みです;;

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ