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最弱な俺が『最強』の美少女たちに姫扱いされる件  作者: テトラ
 第一部 人間時代 最弱の統率者誕生編  序章 ≪最弱の始まり≫
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#2 国外追放

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それでは今回もお楽しみください!



「――それで? そこの異世界人がそうだというのか、レバンス」

「ええ、はい……。魔力、闘気共に数値1という測定結果でした……」

「フン。そうか。――では次はお前に問おう。そこの異世界人、前に来るがいい」


 俺たちが召喚されてから、大体一時間が経った頃。

 俺は、カルマ王国国王であるカルマ王の前に立っていた。


 あれから俺たちは、レバンスさん率いる『聖堂会』の人たちに案内されて王城付近の屋敷に行くことになった。

 そして他のクラスメイト達は屋敷で手厚くもてなされている中、ただ俺一人だけが王の前に連れて行かれたのだ。


 少しの間、王は俺のことを見て何かを考えていたが、ついに王は俺に語り掛けてきた。


「――問おう。お前の名前は何と申すのだ」

「じ、自分は、緋神紅蓮と申します……」

「そうか。ではグレンよ、お前に武術の心得はあるか?」

「……多少は、まあ」

「フン。そうか」


 やばい……この国王、プレッシャーが強すぎる……!

 圧倒的すぎる圧に押し殺されそうになるくらいだ……。


「魔力、闘気についての説明は受けたか?」

「それも、多少は……」

「フン。……そうか」


 今一番問題になっている、魔力・闘気の話題がついに出てしまった。

 多分、というか十中八九俺がここに呼ばれた原因はそれだろう。


 ≪魔力≫、というのは文字通り『魔法を使用する際に関連する能力』のことで、具体的には魔法の威力や魔法を使える回数などに大きく影響してくる能力のことだ。

 そして≪闘気≫というのは、魔力とは対照的に『物理攻撃に関連する能力』のことを基本的には言うのだが、それ以外にも闘気は大きく関わってくることになる。


 まあそれはまたの機会に、ということにするが……とにかく、今問題なのは戦闘員として重要なステータスであるその二つを、俺はどちらもカス程度……いや、あるいはカスとも呼べないレベルでしか持っていないことにあるのだ。


「――では、お前が赤子以下の能力しか持っていないことも理解している訳だな?」

「…………ッ」


 そう。俺の能力は、この世界で生まれてくる赤ちゃんよりも低いというのだ。

 信じられないだろう? 俺だって信じたくはなかったさ。


 でも、レバンスさんの話によると本当にそうらしいのだ。赤ちゃんでも、能力値の合計は50以上はあるとか。


 それが俺は、二つ合わせてもたったの『2』しかない、言ってしまえば存在価値のないただのゴミカスだ。

 だから、どうしようもない深い絶望感と、こんな俺を召喚する為に多くの人の命が失われたことへの罪悪感とが渦巻いて、とても平常心ではいられなかった。


「王様……これから俺は、どうなってしまうんですか…………?」


 不安に押しつぶされそうになりながら、やっと絞り出せた言葉はそんな質問だった。

 後から思い返しても情けないセリフだと自分でも思う。


 でも、俺は自分の身が大事だった。それしか考えられないくらい余裕が無かったんだ。


「グレンよ。お前は、どうなりたい?」

「……え?」


 何で、そんな質問をするんだ?

 俺がそれに答えて、俺の未来は変わるとでもいうのか? だって、俺の未来なんて、どうせ――


「――フフフ……フハハハハハ!」

「……?」

「いやあ悪い悪い。意地の悪い質問をしてしまったな。どうやらグレン、お前は既に自分の運命を理解しているとみた」

「え……?」


 俺の、想像している未来って……。

 それは、それは――


「――破滅だよ、破滅。お前は、これから死ぬのだ。一人で寂しくな。クハハハハハッ!!!!!」

「あ……あ……ぁ…………」

「何を怯えた顔をしているのですか? 当然でしょう? 生きる価値がないんですよ、貴方にはね」

『アハハハハハハハハハハハハハ!!!!!』


 カルマ王とレバンスさんは、二人で俺のことを嘲笑っていた。周りの人たちも、それにつられて俺の事を笑っていた。

 俺には、生きる価値が、無い……か。そっか、そう、だよな…………。


「俺が、弱いから……」

「そうだ。――余の国に、貴様のようなゴミは要らぬ。よってお前をこの国から追放とする。二度と我が領地に足を踏み入れない事だ。さあ、即刻立ち去るがよい」


 王はそんな無慈悲で、残酷な宣告を俺にした。




 ――どうすることもできなかった。


 ――どうしようも、なかった。



 夢だった異世界に召喚されて、一時間。

 たったそれだけの時間の間に、俺の運命は……俺の人生は大きく変わってしまったんだ。


 それは、異世界になんて召喚されない方が良かったと、そう思えるくらいには。それ程、大きく変わってしまったんだ。

 カルマ王からの国外追放の宣告、この言葉を聞いた次の瞬間、俺は――



 ――俺の目の前は、真っ暗になった。



【topics】★能力値とは(2)

 能力の初期数値が500を超えるのは珍しいことで、初期数値1000以上などは千人に一人いるかいないかのレベルの話である。

 

 能力値は鍛えれば鍛えた分だけ数値が上昇し、成長する。現在世界規模で見た際の最高数値は10万前後らしい。

 また、何もしなくても成長と共に能力値の数値は上昇していくが、それは成人までである。(成人は20歳)

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