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最弱な俺が『最強』の美少女たちに姫扱いされる件  作者: テトラ
 第一部 人間時代 最弱の統率者誕生編  序章 ≪最弱の始まり≫
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#10 決意の夜

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それでは今回もお楽しみください!



「今のは、一体……」


 空に向かって伸びる4本の青い光の柱が、辺りを一瞬だけ閃光で包んだかと思えば、すぐにそれは消えてしまった。

 あの光には、見覚えがある。だが、俺の知ってるそれとは違った。


『禁忌の、術をまた使ったというのだ……?』


 桜花もかなり驚いている様子だった。

 確かに、話を聞く限りじゃあれは――異世界人の召喚の術を使うことは禁忌とされているはずだ。


 それにあの術を成功させるには、多くの犠牲を払わなければならないと言っていたはず……。

 まさか俺たちを召喚してからたった数時間程度で、また術を行使してその上成功させたとでも言うのか……?


「――あ、やばっ」

『ぐれんっ!?』


 色々なことが起こり過ぎて頭がパンクしたのか、それとも長い緊張状態が解けて一気に気が抜けたからか。

 理由はどうあれ、俺はその場に脱力して座り込んでしまった。木を背もたれに、月を眺めながら再び考える。


「今日一日……ほんとに色んなことがあったな……」

『私にとっても、全てが動き出した一日だったのだ』


 この世界に――異世界に召喚されて、すぐに現実を叩きつけられて。

 『最弱』の名を着せられて、国外追放。


 こうして振り返ってみても、この時点で異世界生活ハードモードすぎるんだよな。


 そして死に場所を目指して辿り着いた場所で、自称聖剣の桜花と出会って。

 さっきは巨大な蜘蛛にも襲われたな。


『そういえば、あれは一体誰だったのだろうな』

「ああ、確かに……」


 さっき俺たちを巨蜘蛛から助けてくれた、謎の人影。

 どうも話の内容的に聖剣である桜花を狙っているみたいだけど、俺が選ばれし者だからとか何とかって言ってたよな。


『アイツはまたぐれんの前に現れると言っていたのだ……。少なくとも、今のワタシたちではあの男に触れることすら敵わないだろう』

「ああ、俺もそう思う」

『だから、それまでにもっともっとも~っと強くならないとな!』

「いや、そんなこと言っても俺って能力値2しかないし……」

『何を言っているのだ? だから鍛えて鍛えて鍛えまくって、誰よりも強くなるのだ!』

「え?それってどういう……」


 それじゃあまるで、鍛えれば鍛えるだけ魔力や闘気が上昇するって言ってるように聞こえるが……。


『言葉通りの意味なのだ? 鍛えれば、その分だけ自分の能力も上がっていくのだ』

「……ッ! マジかよ! それじゃあ、俺にはまだ希望が……!」

『ああ、あるのだ!』

「――分かった。それじゃあ俺はもっともっと強くなって……アイツにも、俺のことを見下したあのクソ国王共も見返してやれるような男になってやるぞ!」

『ああ、その意気なのだ!』


 そうか……俺にもまだやるべきことはあるんだ!

 もう二度とあんな惨めな思いをしなくて済むように、一分一秒だって無駄にしてたまるか!


「よし、いまから特訓だ――」

『って、そんな焦る必要はないのだ! ぐれん、いいから今はお前はしっかりと休むのだ~~~!』


 桜花の叫び声が、森中に響き渡ったような気がした。

 これから。これから始めるんだ。俺の……いや、俺と桜花の異世界最強へと成り上がる物語が!






◇◇◇◇◇






 そして、時を同じくしてカルマ王国の各地では――


 ――青き光に包まれてこの世界にやってきた、4人の異世界人が動き出していた。




 カルマ王国王都では。


「――ん~、なんだかすごいことになっちゃったな。で・も~? ここでお姉ちゃんレーダーが反応してるってことは……? ――紅蓮は、ここにいるんだ」


「こ、こっちで光が――い、い、居たぞ! 異世界人だ!」


「へへへ……ふへへへへ。ぐれん、ぐれん……ああ、早く会いたいよぉぐれぇん!」




 カルマ城下町から少し離れたところにある街……ヴェインの街では――


「む、お兄ちゃんの匂いを辿ってきたら変なところに!? ――んー、でもわたしってば生きる天才だから、どんな場所でも上手くやっていけちゃうもんね!」




 場所は変わって、魔族領では――


「ここ、は――」


「フム。つい最近似たような匂いを放つ少年がいたが……お前は、もしや……」


「なんだ、ここは。何で俺の頭に角が……? そして、お前は一体……」


「ククク。私は魔王だ。お前、異世界人だな? 面白い、私と共に来るがいい――」




 そして――


「はぁ……これで明日の全校集会のスピーチはばっちりだよね! ――って、ここ何処!? あれ、また私変なところに来ちゃった!?」


「お主、どうやってここまで来た――?」


「へっ!? そ、それは……ふぇぇぇぇぇん、助けてよそうかちゃああああん!」




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