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セツの休日

  ◇ ◇ ◇


 「専用魔道具!?」


 「そや、前に渡したステッキは万能なんやけど、その分魔力効率悪いんや。魔力切れになりやすいから、魔力が少量で済む特化型の専用魔道具があるんやけど、どうゆうのがいいんかなと思ってなぁ」


 学校が休みの日に、話があるとかいって集められたわりにはいつでもよさそうな内容だった。

 いや、前回の時に私は爆睡してしまったから重要なことではあるのかな。

 爆睡の原因、魔力切れらしいし。

 ちなみに、今日は私とセツが魔法少女と魔法少年になってから初めての休日で、今のとこ他に事件はなかった。

 白いリスに変身しているハッピーリさんは、少し可愛い。

 てか、変身パターン意外に多いのでは。

 そんで、私は座敷で宿題をしつつも、考えるまでもなく告げた。


 「杖一択!ステッキタイプもいいけど、次はワンドで!」


 「お、おお」


 ハッピーリさんが、少しおされ気味に呟く。

 ワンドというのは、30センチほどの杖のことを指す。

 ○リー・○ッターなどに出てくる杖も、ワンドの一種だ。


 「ほんで、セツはどうするんや?」


 セツは大きなバックを持ち上げつつ、答える。


 「なんでもいいよ。じゃ、今日も行ってくる」


 「今日は何ヶ所行くの?」


 いつものことではあるが、一応聞いてみる。


 「4ヶ所だよ」


 「なるほどね。()()()()()()


 「そんなこと言われても、向こうが勝手に辞めるんだからしょうがないだろ」


 「セツがその原因でしょ」


 「そう言われても、まあ行ってくる」


 「行ってら」


 私は、欠伸をしつつセツに手を振る。


 「あの、なんの話なん?」


 「まあ、分かんないよね。ハッピーリさんもセツについてったら?」


 一瞬、迷いを見せたハッピーリさんだが、興味に抗えなかったらしくセツのチャームのひとつとして、ついていくことにしたようだ。


 「じゃ、行ってくる」


 私は、セツとハッピーリさんを見送った。


  ◇◇ハッピーリ視点◇◇


 「セツ。そんで、何処行くんや?」


 「まあ、行けば分かるよ」


 セツはそれだけ告げて歩く。

 なんちゅうか、セツと二人だけっちゅうのも初めてやなぁ。

 にしても、セツと何話せばいいんやろ。

 なんも、思いつかんわ。

   ◇ ◇ ◇ ◇


 「セツ。此処はなんや?」


 「何って道場」


 セツがやってきたんは、どうやら空手の道場らしい。

 なるほど、此処で空手の練習でもすんのやな。

 いや、ほんならフユカの()()()()()()ってどういうことや?


 「ほんで、何すんのや?」


 俺が質問するとセツは、表情を引き締めて言った。


 「何って、決まってるだろ。………………………()()()()


 「はいっ!?」


 俺は驚きの声を上げつつ、心の中で叫んだ。

 決まっとらんやろ!!!

  ◇ ◇ ◇ ◇


 「なあ、セツ。お前、武道いくつ出来るんや?」


 俺は、セツにたずねる。

 というか、セツが強過ぎて怖いんやけど。

 空手の道場の師範に勝ち、柔道の県大会出場経験者に勝ち、別の道場の柔道の師範に勝っとったもん。

 次が4ヶ所目やけど、こんなに強いと負ける未来が見えんわ。 

 道場破りしてるのが、ほんまだったのも驚いたんやけどなぁ。


 「空手、柔道、剣道、弓道、合気道くらいだよ」


 「十分過ぎるやろ……………………………」


 むしろそんなら、くらい、ちゅうのがおかしいわ。

 そんなに、武道を会得してて強過ぎなやつとか、妖精王以外におらんと思っとったんやけど。

 あれ、魔法少女になる必要あったんやろか。

 変身してなくても、強過ぎなんやけど。


 「お金持ってこいって言ったよなぁ!!!」


 道に突然、罵声が響く。

 見ると、脇道で二人のがたいのえらいいい男がもやしみたいな眼鏡の男をとりかこんどった。

 えらいテンプレな、カツアゲやなぁ。

 セツは、それを見て不快そうに顔をしかめると、男たちに近づく。


 「あの、もしもし?そういうカツアゲ的なのよくないと思うんですけど?」


 セツが声をかけると、二人の男はギロリとこちらを見る。

 怖っ!

 そんでも、セツはたじろぐことなく強気な感じで男を睨む。


 「ああっ!?やんのかごらあ!」


 「あ、実力行使していいの?なら話は早い」


 男の言葉を聞いて、かなり軽い感じで答えるセツ。

 そして、首にぶら下がったチャームとして様子を見とった俺が視界がぶれるほどの速さでセツは動く。

 変身してなくてこの速さって、変身して本気だしたらどうなるんやろか。

 視界がぶれて分かりにくかったんやけど、たぶん背負い投げ辺りでセツは男たちを容赦なく倒した。

 セツ、ちゃんと手加減したよなぁ?


 「お、覚えてろよぉ!」


 男二人は、負け台詞を残して去っていった。

 三下っぽい奴等やなぁ。

 まあ、動けるんなら手加減はされとったんやろうけど。

 セツは、もやしみたいな眼鏡の男に会釈して次の道場に向かって歩きだす。


 「あ、ありがとうございます!」


 もやしみたいな眼鏡の男はそう言って、セツに深く御辞儀しとった。

  ◇ ◇ ◇ ◇


 「さっきは、よくもやってくれたな!」


 4ヶ所目の道場破りを終えて、家に帰る途中でさっきの男二人が仲間引き連れてやってきた。

 20人くらいおって、全員が金属バット持っとる。

 なんやこれ、お礼参りか?


 「またか、ああいうのってやっつけるとお礼参りに来るから面倒なんだよね」


 またかってこれ、いつものことなんか?

 セツは、ため息をついて身構えた。

 これ、相手金属バット持ってはるし、ほんまに大丈夫なんか?

  ◇ ◇ ◇ ◇

次回、セツの運命はいかに!

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