鯉の国の鯉の王様に恋された美少女。
【キャーーーーーーー!!!】
私の家の近くにある小さな池に鯉が集まって来ました。
私は、暇さえあればよくここに来るんです。
みるみるうちに、鯉が群がるように私の傍までやってきて。
口をパクパクさせて、私の手からエサをおねだりしてくるんです。
『___ごめんね! 今日は、エサを持ってないのよ!』
鯉たちは、関係なく私の手も、パクパクと吸い始めて...。
おねだりされても、エサはないのよ、、、。
___そのうち、低い声で誰かがこう言ったんです。
『___エサなんか! 要らないんじゃ~俺はお前がほしい!』
『・・・えぇ!?』
___そう言うと?
何か? 強い力で私の手を掴んで池に引きずり込んできたのです。
私の周りには、誰もいなかったから? きっと、見られていない!
私は、助けも呼べず! ただただこの何者かの凄い力で手を引っ
張られているのを見ているだけ! 黒いゴツゴツとした人間じゃ
ない不気味な手。
___私は、気が付けば気絶していました。
私が目を覚ますと、、、?
そこには、鯉たちがせわしく働いていて...。
『___ココは? “竜宮城” なの?』
『違いますよ! ココは、“鯉の国” です!』
『・・・えぇ!? 鯉の国?』
『もう直ぐ、王様がここに来られます! 王様は、貴女をお嫁さんに
迎えたいと想っておられるのです。』
『___えぇ!? “私を、おっ、お嫁さんに!?”』
『あぁ! 来られました! “王様のおな~り~!”』
『おうおう! 其方が、恋焦がれた姫か!? あぁ~やっと逢えた!』
『・・・姫?』
『___美しい姫よ! それは! まさに、貴女の事ですぞ!』
『・・・わ、私ですか!?』
『___あぁ! 俺と結婚してくれ!!!』
『・・・・・・』
___鯉の国の王様は?
お世辞にも、カッコイイ訳ではありませんでした。
体は大きく、お相撲さんのようなお肉たっぷりの体。
細くて一重のふてぶてしいまでの眼差し。
図太い声で、私にもう1度、鯉の王様が言いました。
『___もう、一度言うぞ! 俺と結婚してくれ!』
『・・・でも? 私は人間ですよ!』
『そんなの関係ない! 俺は君がいいのだ!』
『それに? 鯉の国の王様なら? ここの鯉の女性の方が
いいのではないのですか?』
『其方は、別格なのだ! 其方が鯉の国の女性だろうが? 人間
だろうが? 俺には関係ない!!!』
『___でも?』
『___美しい! なんて! 綺麗な女性なのだろう!』
『・・・・・・』
___完全に! 鯉の国の王様に私は恋をされたんです!
王様の目は、私を見る目がハートで。
私の言葉が、王様の耳にちゃんと入っていないんです。
___どんなに断っても?
王様は? いいように解釈するというか...。
___私は、このまま元の世界に戻れないのかと、、、?
そんな事まで、考えていました。
*
___向こうの世界では?
警察が、私の捜索を始めていました。
私の2つ上の姉が、私と連絡が取れないと知って私の一人暮らしの
家に来ても居なかったので、警察に連絡したらしいんです。
『___東島 りかなさん22歳、家の近くにある工場の事務の仕事を
していたそうです! ですが、別に悩みやトラブルに遭っていたという
話しはありませんでした。自殺では? ないようですが、』
『___うーん? もう少し、詳しく調べてみないと分からないようだな!
引き続き、東島 りかなを探してくれ!』
『___はい!』
*
___鯉の王様は? 毎日毎日ずっと私にこう言います。
『___俺と結婚してくれるまでは、俺は其方にずっと言い続けるぞ!』
『・・・だから? 私は貴方とは結婚しないと言っているでしょ!』
『___どうして? ココに居れば? 何不自由しない生活ができる
んだぞ! 毎日美味しい料理を食べて、幸せでいられるんだ!』
『・・・そんなの望んでいません! 私は私の世界に返りたいだけです!』
『___俺が嫌いか?』
『・・・だから、そういう事ではないんです!』
『___じゃあ! 俺と結婚しよう!』
『・・・だから! 先から私が言ってるじゃないないですか! 私は
貴方とは、結婚できないんです!』
___まったく! 私の話を聞いてくれない鯉の王様。
どうしたら? 私は、元の世界に戻れるの、、、?
___そんな時でした。
鯉の国で、働いている可愛い鯉の女性が私に話しかけに来て
くれたのです。
『___大変、申し訳ありません。王様は、一度決めたら? 真っ直ぐ
なお方なので! 貴女にご迷惑をかけてしまいましたね。』
『・・・あっ! 貴女は?』
『___わたしは、王様の許嫁でした。でも、何処で貴女を見たのか?
貴女に王様は、ゾッコンになったのです。』
『・・・でも? 私は人間ですよ!』
『___分かっています! でも、人間界でも鯉の国でも貴女は、、、?
とてもお美しいのです! でも、どうか! 元の世界にお戻りください!』
『___いいんですか?』
『___もちろんです!』
『___ありがとう!』
___私は、この鯉の女性に連れられて。
元の世界に戻れる扉の前まで連れてこられると? こう言われました。
『___1度! 鯉の国から出ると? もう二度と! この鯉の国には
戻って来られません! それでもいいですか?』
『___はい!』
___そこに、何処で聞きつけてきたのか?
鯉の国の王様が!
『___どうして? 俺を置いて! 元の世界に返るのか?』
『___ごめんなさい、王様! 私は人間です! ここに居ては、いけ
ないんです! だから、私は元の世界に返ります!』
『___俺を置いて行くな! 俺は君じゃないとダメなんだ!』
『・・・ご、ごめんなさい。』
___私は、扉を開けました。
眩しい光が目に飛び込んできて、私が目を瞑ると、、、?
私は、池の前で倒れていました。
【___ココは?】
『___りかな? りかななの!』
『・・・お姉ちゃん!』
『___りかな!』
___私は、お姉ちゃんと抱き合いました。
元の世界に、無事に戻ってこれたのです。
*
___その頃、鯉の国では?
『___俺は、あの子と結婚したかったんだ! どうして? 俺とあの子
を引き裂くようなことを、、、。』
『___王様? わたしは、貴方がずっと好きでした。今もこれからも。』
『・・・えぇ!?』
『___わたしじゃダメですか? 王様のお嫁さんに、、、!』
『___いいよ。』
___めでたし! めでたし!
最後までお読みいただきありがとうございます。




