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鯉の国の鯉の王様に恋された美少女。

作者: 七瀬
掲載日:2020/05/22





【キャーーーーーーー!!!】


私の家の近くにある小さな池に鯉が集まって来ました。

私は、暇さえあればよくここに来るんです。

みるみるうちに、鯉が群がるように私の傍までやってきて。


口をパクパクさせて、私の手からエサをおねだりしてくるんです。



『___ごめんね! 今日は、エサを持ってないのよ!』


鯉たちは、関係なく私の手も、パクパクと吸い始めて...。

おねだりされても、エサはないのよ、、、。



___そのうち、低い声で誰かがこう言ったんです。


『___エサなんか! 要らないんじゃ~俺はお前がほしい!』

『・・・えぇ!?』



___そう言うと?

何か? 強い力で私の手を掴んで池に引きずり込んできたのです。

私の周りには、誰もいなかったから? きっと、見られていない!


私は、助けも呼べず! ただただこの何者かの凄い力で手を引っ

張られているのを見ているだけ! 黒いゴツゴツとした人間じゃ

ない不気味な手。


___私は、気が付けば気絶していました。 

私が目を覚ますと、、、?



そこには、鯉たちがせわしく働いていて...。


『___ココは? “竜宮城” なの?』

『違いますよ! ココは、“鯉の国” です!』

『・・・えぇ!? 鯉の国?』

『もう直ぐ、王様がここに来られます! 王様は、貴女をお嫁さんに

迎えたいと想っておられるのです。』

『___えぇ!? “私を、おっ、お嫁さんに!?”』

『あぁ! 来られました! “王様のおな~り~!”』

『おうおう! 其方が、恋焦がれた姫か!? あぁ~やっと逢えた!』

『・・・姫?』

『___美しい姫よ! それは! まさに、貴女の事ですぞ!』

『・・・わ、私ですか!?』

『___あぁ! 俺と結婚してくれ!!!』

『・・・・・・』



___鯉の国の王様は?

お世辞にも、カッコイイ訳ではありませんでした。

体は大きく、お相撲さんのようなお肉たっぷりの体。

細くて一重のふてぶてしいまでの眼差し。


図太い声で、私にもう1度、鯉の王様が言いました。


『___もう、一度言うぞ! 俺と結婚してくれ!』

『・・・でも? 私は人間ですよ!』

『そんなの関係ない! 俺は君がいいのだ!』

『それに? 鯉の国の王様なら? ここの鯉の女性ひとの方が

いいのではないのですか?』

『其方は、別格なのだ! 其方が鯉の国の女性ひとだろうが? 人間

だろうが? 俺には関係ない!!!』

『___でも?』

『___美しい! なんて! 綺麗な女性ひとなのだろう!』

『・・・・・・』



___完全に! 鯉の国の王様に私は恋をされたんです!

王様の目は、私を見る目がハートで。

私の言葉が、王様の耳にちゃんと入っていないんです。


___どんなに断っても?

王様は? いいように解釈するというか...。



___私は、このまま元の世界に戻れないのかと、、、?

そんな事まで、考えていました。




 *


___向こうの世界では?


警察が、私の捜索を始めていました。

私の2つ上の姉が、私と連絡が取れないと知って私の一人暮らしの

家に来ても居なかったので、警察に連絡したらしいんです。



『___東島 りかなさん22歳、家の近くにある工場の事務の仕事を

していたそうです! ですが、別に悩みやトラブルに遭っていたという

話しはありませんでした。自殺では? ないようですが、』

『___うーん? もう少し、詳しく調べてみないと分からないようだな!

引き続き、東島 りかなを探してくれ!』

『___はい!』





 *



___鯉の王様は? 毎日毎日ずっと私にこう言います。


『___俺と結婚してくれるまでは、俺は其方にずっと言い続けるぞ!』

『・・・だから? 私は貴方とは結婚しないと言っているでしょ!』

『___どうして? ココに居れば? 何不自由しない生活ができる

んだぞ! 毎日美味しい料理を食べて、幸せでいられるんだ!』

『・・・そんなの望んでいません! 私は私の世界に返りたいだけです!』

『___俺が嫌いか?』

『・・・だから、そういう事ではないんです!』

『___じゃあ! 俺と結婚しよう!』

『・・・だから! 先から私が言ってるじゃないないですか! 私は

貴方とは、結婚できないんです!』



___まったく! 私の話を聞いてくれない鯉の王様。

どうしたら? 私は、元の世界に戻れるの、、、?



___そんな時でした。

鯉の国で、働いている可愛い鯉の女性ひとが私に話しかけに来て

くれたのです。


『___大変、申し訳ありません。王様は、一度決めたら? 真っ直ぐ

なお方なので! 貴女にご迷惑をかけてしまいましたね。』

『・・・あっ! 貴女は?』

『___わたしは、王様の許嫁でした。でも、何処で貴女を見たのか?

貴女に王様は、ゾッコンになったのです。』

『・・・でも? 私は人間ですよ!』

『___分かっています! でも、人間界でも鯉の国でも貴女は、、、?

とてもお美しいのです! でも、どうか! 元の世界にお戻りください!』

『___いいんですか?』

『___もちろんです!』

『___ありがとう!』




___私は、この鯉の女性ひとに連れられて。

元の世界に戻れる扉の前まで連れてこられると? こう言われました。


『___1度! 鯉の国から出ると? もう二度と! この鯉の国には

戻って来られません! それでもいいですか?』

『___はい!』



___そこに、何処で聞きつけてきたのか?

鯉の国の王様が! 


『___どうして? 俺を置いて! 元の世界に返るのか?』

『___ごめんなさい、王様! 私は人間です! ここに居ては、いけ

ないんです! だから、私は元の世界に返ります!』

『___俺を置いて行くな! 俺は君じゃないとダメなんだ!』

『・・・ご、ごめんなさい。』



___私は、扉を開けました。

眩しい光が目に飛び込んできて、私が目を瞑ると、、、?


私は、池の前で倒れていました。


【___ココは?】

『___りかな? りかななの!』

『・・・お姉ちゃん!』

『___りかな!』



___私は、お姉ちゃんと抱き合いました。

元の世界に、無事に戻ってこれたのです。




 *



___その頃、鯉の国では?


『___俺は、あの子と結婚したかったんだ! どうして? 俺とあの子

を引き裂くようなことを、、、。』

『___王様? わたしは、貴方がずっと好きでした。今もこれからも。』

『・・・えぇ!?』

『___わたしじゃダメですか? 王様のお嫁さんに、、、!』

『___いいよ。』




___めでたし! めでたし!




最後までお読みいただきありがとうございます。

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