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TAME GATE psychic record  作者: 時扉
真宮瑠奈と死にたがりの超能力者
205/283

59話・勇羅side

※警告!!




この作品はフィクションです。実在の人物・団体・事件には一切関係ありません。


瑠奈編59話にはいじめ・犯罪に当たる描写及び精神的に不快を催す描写がございます。不快を催されましたら、直ちにブラウザをバックするようにお願いします。







































































―放課後・探偵部部室。


勇羅が探偵部の部室でいつも通りに、部活の準備をしながら泪や瑠奈達を待っていると、第一校舎のある方の廊下側から物凄い足音が響いてきた。勇羅の耳に響く足音はだんだんと大きくなり、正に部室へ近づいてくるのが分かった。


「ゆ、ゆゆゆゆっ!! 勇羅ちゃん!! ちょ、ちょっと大へ···―くぁwせdrftgyふじこ※っっ!!」

「うえぇぇ!? 雪彦先輩っ! またそんなに慌ててどうしたんですかっ!?」


倒れんとする勢いで探偵部部室に入って来た雪彦は、走る勢いが余り過ぎて盛大に床へと突っ伏した。豪快に床へと突っ伏した雪彦の後に続き、いつものペースで万里もまた部室へ入って来る。


「豪快な滑りだ。やっぱり雪彦は芸人に向いてる」

「い、いいからっ。すぐに歌い手ぱふっこのツイッター開いて!」


突っ伏した雪彦は制服に着いた埃を払いながら、すぐに立ち上がる。普段なら即座に平常運転の万里を睨み付けている筈が、一連の行動を淡々と眺めている万里すらも、スルーする勢いの雪彦の慌てぶりに、ただ事ではないと感じた勇羅は、すぐに自分の端末を開きぱふっこのツイッターをアプリで検索する。



「ちょ······これ。なんかぱふっこのツイッター、凄い炎上してるけど」



人気ネット歌い手・ぱふっこのツイッターアカウントは、度々狂信的なファンとアンチがツイート上で呟きによる殴り合いをしている。そしてそれを話題ににしようと言わんばかりに、ぱふっこ自身もファンやアンチの呟きを煽る為に、その度レスが炎上していると噂には聞いてたが、今回の炎上は今まで以上に周辺のツイートが炎上していた。横から勇羅の携帯を覗いていた万里が口を開く。


「これのツイート炎上はいつもの事だけど、今回の発端になったのがもっと呟きを遡った所にある」


ぱふっこのツイートを、炎上の元となった呟きを過去へと辿れば現れた呟きは、何故かぱふっことは全く無関係な泪の個人情報が記載されていた。しかも泪の個人情報はメールアドレスや携帯番号だけでなく、本来の所有権が和真である筈の、水海探偵事務所の住所や事務所の電話番号までもが掲載されている。


「ど······どうなってんの? 何で探偵事務所や泪さんの個人情報、ぱふっこのツイッターに漏れてんの?」


泪はツイッターやSNSを全くやっていない筈だし、本来のメールアドレスや連絡先も親しい相手しか知らない。余程の事がない限り、泪の個人情報が漏れる事なんかあり得ない。


「どうも誰かが泪さんの個人情報、盗み見て漏らしたみたい」

「おかしいよ···。泪さんのアドレス知ってるの、どう考えたって人数絞られるよ」


勇羅の知っている範囲だと、顧問の茉莉含めた探偵部の面々と砂織に水海兄妹。そして麗二と鋼太朗くらいだ。特に泪の個人用アドレスを知っている者は更に人数が絞られる。そしてぱふっこ個人の呟きをもっと遡って確認すると、『探偵依頼引き受けます!』などと言った、あり得ない事までも書かれている。


和真や砂織から聞いているが、和真も泪も探偵としての依頼は一切請け負っていない。家庭の事情も関係していると同時に、自身が異能力者でもある和真が頑として嫌がるからだ。破天荒な反面、身内に被害を与えない事に対しての対応に関しては和真は徹底している。


「待って。フォロワーの呟き更新されてる」


今も絶賛炎上中のツイートに気になる呟きを見つけた雪彦達は、再びツイートを読み進める。


「なになに···『僕のぱふくんと泪をバカにしないで! 僕だけの大事な人なんだから』」

「炎上してるのに更に燃料注いでどうするんだよ。てかいつ泪先輩、この呟きの主のものになってんの?」


「また来た。今度は『ぱふくんは絶対きゅんきゅんなの!』『ぱふくんは正義!ぱふくんはそんな酷い事しない!!』って、相変わらずだね···」

「炎上の燃料が絶えないからファンもアンチも面白がって、次から次へと呟き書き込んでるよ。『整形サイボーグの次は悲劇のヒーロー気取り』とか『ぱふっこファン辞めろ。さっさとお前の住所さらけ出せ』······だって」


勇羅も雪彦達も今尚絶えず炎上し続けている、ツイッターの呟きを半分呆れた表情で眺めている。どの呟きも見てるだけで痛々しいものばかり、これが噂のバカ発見器と言う奴なのだろう。


「泪さんに報告する?」

「両方。個人情報漏らしてるんだし、運営に通報した方が早いでしょ」


運営がきちんと仕事をしてくれるかどうか不的確だが、それでも言わないよりずっとましだ。


「また呟き来た···って、何これ? はい? 『生塵は死ね』?」

「ちょ、また来た。『赤石泪は生まれて来てはいけない』『赤石泪は生塵男』······発言が全然洒落にならないんだけど」


一連の呟きを見た瞬間、雪彦から放たれた声が一気に怒りのものへと変貌する。泪個人への誹謗中傷以前に、人として終わっている呟きが次から次へと発せられる。


「すぐに泪先輩に報告しよ······!?」


雪彦の対応に対して勇羅も万里も深く頷いた直後、ぱふっこ本人のツイートからまた新たに呟きが返される。その呟きには一つの動画が添付されており、その動画はたちまち、火事の用語におけるバックドラフト現象を起こしたかの様に、大量の炎上リプが付き出した。


「こ、こいつ······っ!!」


流された動画は一人の宝條学園の女子生徒······千本妓寧々のアカウントであり、彼女の呟きには泪に同級生を始め学園の生徒達へと土下座をさせていた動画だった。




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