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TAME GATE psychic record  作者: 時扉
真宮瑠奈と死にたがりの超能力者
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18話・泪side



―···昨夜・水海探偵事務所前。



『貴方は可哀想な人ね。あの女の子は、貴方の事全然わかってないって事じゃない?』


『用件は?』


『私はルシオラ様の考えならなんでも分かるの、ルシオラ様は私達異能力者の理想の世界の為に戦ってるの。あの時からルシオラ様は私だけの王子様なんだよ』


『···速やかに用件を言いなさい』


『酷いな、せっかちなんだから。わかったわ、私達ファントムに協力して。ルシオラ様率いるファントムに協力して私達と一緒に私達を虐げる『ケダモノ』達を倒しましょう』


『人間を『獣』呼ばわりする連中に協力する気はありません』


『この前の女の子は貴方の気持ちなんて分かる筈ないよね。

あの女の子はすっかり『ケダモノ』の仲間に染まっちゃった『ケダモノの仲間』なんだから』


『······貴方は不愉快です』



―探偵部部室。


「······」


昨夜ファントムの構成員と名乗る少女が、自分に接触を図ってきた。

相手の目的は当然自分達が所属している組織への勧誘。

住宅街であると同時に時間帯が既に夜である事からして、出来る事なら穏便に退いて貰いたかったが、余りにも不愉快な物言いをする相手だった為、結局は光輪(エンゼルハイロゥ)を展開し自身の能力である炎を具現させ威嚇して追い払った。


あの頃以来滅多に自分の能力など使わなかったが、四堂鋼太朗と出会って以来限定的にだが力を使う事が増え始め、こうして今自分だけでなく知り合いにまでも危険が迫って来た故にそうもいかなくなった。

幸い学園内では念を限界まで制御し、普通の人としての生活は出来ているが、知り合いに見られた以上、自分が高位の異能力者と発覚するのは時間の問題だった。


更に瑠奈へファントムと接触したとの発言をしてから、瑠奈は塞ぎ混んでしまった。瑠奈自身に何らかの落ち度があるのだと、泪が瑠奈を組織の関係者なのかと疑っていると思ったのだろう。

瑠奈は何も悪くない。責任があるのは不用意な発言をした自分なのだから。


誰もいない探偵部の部室で書類をまとめていると、閉まっている部室のドアが開き声が聞こえた。


「ああ、赤石君。いたいた」

「真宮先生···」


探偵部現在の顧問でもある茉莉の事は正直言うと苦手だ。

自分はこの教諭の好みの範囲外なのか、保健室へ連れ込まれずに済んでるのである意味助かってはいるが、何かと自分の考えを見透かされているようで気分が悪い。

茉莉は何かを確認しながら部室のドアを閉めると、絶妙な距離で泪に近づく。


「従妹が貴方の事で落ち込んでるから、ちょっとカマかけて見たんだけど」


瑠奈達真宮一族の者が異能力者である事は知っている。恐らくファントムに身柄を狙われたのも、念を察知されたのだろう。



「······貴方、ファントムに目ぇ付けられたでしょ?」

「!?」

「安心して、瑠奈には言ってないわ。あの娘の能力ちょっと特殊だからね」



瑠奈の異能力が特殊?

瑠奈個人の異能力の性質は知らない。彼女について知っているのは異能力者である事と、真宮の一族が精神に関係する異能力を使うと言う事。


目の前の茉莉も精神に関する異能力者であり、念の扱いに関してもかなりの熟練。泪も一部の事情を除き部活と異能力の扱いに対してだけは、ある程度彼女に相談していた。


「それで、ファントムに目を付けられた貴方に頼みたい事があるの」

「頼み、ですか?」

「······瑠奈の護衛。貴方がファントムに目を付けられた少し位前に、あの娘はあろう事かファントム総帥に目ぇ付けられたみたいなの」


瑠奈がファントムの頭領に狙われている? どういう事だ?

怪訝な顔をする泪に対し茉莉はため息を吐く。


「知り合いから聞いたんだけど、ファントムって色々複雑な組織らしいわよ。

まずはこれを見て」


茉莉は持っていたファイルから、一つのカードを取り出し机の上に出す。


「これは···」


間違いないのは何らかの場所で身分を証明するカード、『No.00000』と見て上層の者であるのは確実だ。


「ファントム総帥のIDカード。実はあの娘何度か総帥と接触してて、昨日偶然にも拾っちゃった訳なの」

「接触って···瑠奈は何もなかったんですか?」

「私は瑠奈から聞いただけだし詳しくは知らないけど、彼がファントムだって事自体一片も気づかなかったそうよ」


泪はカードに貼ってある端正な顔立ちをした白髪の青年の顔写真を見る。

精悍さと同時に透き通るような白い髪と相まって、氷のような冷たさをも内包する青年だった。

カードを一瞥し茉莉の方を見ると、普段とは別人と思われかねない様な真剣な視線を泪へ向けている。


「ハッキリ言うわ、同じ組織に狙われていると同時に『サイキッカー』である貴方にしか頼めないの。

ファントムだけならともかく総帥に目を付けられたとなると、正直私でも瑠奈を守りきれないわ」


自分の素性まで調べ上げるとは···この教諭はそこまで知っていたのか。

そしてファントムの総帥は、サイキッカーでないと身内を守りきれない程の相手。


「······引き受けます」

「···ごめんなさい。貴方がサイキッカーだと言う事は瑠奈から聞いてる。相手も同じ『サイキッカー』だから」



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