神様、ありがとう
それは心からの感謝の気持ち
でもね――
私ってつくづく恵まれた星のもとに生まれていたんだと思う。
地上280mのビルの外へと放り出された満身創痍の私は、本来であれば固い地上の上に叩きつけられてバラバラに四散してそのまま事切れておしまいだった。
でも――
私は奇跡的に地上へと帰ってくることができた。
アトラス兄さん、センチュリー兄さん、そして、エリオット兄さん。三人の兄達は自らの持てる力をフルに使い私を受け止めてくれた。そして私はかろうじて命をつなぐことができたのよ。
それをたまたま居合わせたと言う偶然で片付けたいとは思わない。機械であるアンドロイドである私がこんなことを言うのは変かもしれないが、これは天の神様がもたらしてくれた運命の配剤だったのかもしれない。
さらには、もう一つ私を救ってくれた人たちがいる。
第二科学警察研究所。職員のひとりである布平しのぶ研究主任、そしてしのぶさんの仲間である四人の個性的な技術者の人たち。
その5人の女性達の手によって致命的なダメージを忘れた私は今一度蘇ることができたのよ。新たなる力を伴って。
そもそも私にはねもうひとつの姿形があるの。
【二次武装装着形態】
――通常の着衣を脱ぎ捨てアンドロイドとしての素肌の上に専用の武装アーマーを取り付けるの。そして私は戦うための力を得る。
亜音速で空を飛び、
電磁波を自在に操り、
単分子ワイヤーを駆使し、
単分子ナイフで目標を切り裂く、
頑丈さよりも、高速性能と俊敏さに全てを絞った戦闘形態。私はそれを〝二次武装モード〟と呼んでいる。
純白のプラスチックボディにまとった純銀の鎧。
銀の翼を生やした戦場のヴァルキリエ
それを全身にまとった時、私は人間から大きく離れた存在となる。でもそれは決して悲しい事実じゃない。それは私が警察という使命を果たし市民をそして人間たちを守るために立ち上がると言う私にしか果たせない使命を全うできる瞬間――
全身に備わった飛行システムを作動させて私は地上をステップする。次の瞬間、電磁ノイズを撒き散らす飛行推進システムは私の小柄な体を大空へと舞い上がらせるの。
さあ行こう大空の彼方の天空のコロッセオへ
あそこに私の手を待ちわびてる人たちが居るのだから。