横浜での事件のこと、思い出すだけでも悔しい!
そして横浜に彼女が派遣されたときの事をはなしてもらいましょうか
まず最初に話す事件は横浜で起きた。
私は警視庁の捜査部に所属という形になっているが、やっている仕事は捜査部の仕事に止まらないことが多い。これは私が〝空を飛ぶ〟という私にしかない能力を持っていることが一番の理由。
まあ早く言えば便利ってことなんだろうけどね(笑)
よく仕事が舞い込んでくるのは交通課。大規模渋滞の際の上空監視や大事故発生時の状況確認。特に捜査部が忙しくない時は繁忙期の交通取り締まりのお手伝い何かも頼まれたりする。
でも交通課や警ら係の人たちとの連携が欠かせないことは私の仕事上珍しくない。逃走する犯人の退路を塞ぐために警らパトカーや交通課の人たちに先回り動いてもらうことはよくあることなのだ。
この他にも機動隊を擁する警備部の人たちとの連携協力。銃器対策班やSAT の人たちとの合同作戦なんかも珍しくない。
普通のヘリでは入っていけない込み入った場所は特殊な状況では私の飛行能力が事件の結果は左右することだってある。
私の上司である大石課長は「警察の現場は持ちつ持たれつだから」と笑いながらよく言っている。
でもその日はちょっと厄介な相手からの依頼だった。
警察内部でも国外から入ってきた外国犯罪との対応を任務としている外事部というところがある。
その日は珍しくもその外事一課から話が持ち込まれたんだ。捜索してほしい監視対象があるって。
大石さんの話だと、外事部は単なる窓口で、その裏側には間違いなく〝公安部〟が隠れてるって言ってたっけ。
公安――なんか嫌な予感にかられながらも私は捜査対象エリアへと飛行装備を装着して飛んでいった。そしてそこで私は自分の力の限界っていうのを嫌というほど思い知らされる事になるのだ。
まったく、相性の悪い相手との戦いがこんなにも悔しいもんだって思いもしなかったよ! ふんだ!
2029年10月――
それは横浜のふ頭エリアで起きた出来事だった――