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私、納得できません

そして、戦いの末にフィールが抱いた思いとは

 思い出せば、多分この時の戦いは私にとって一番最初の大きく重要な戦いだったのかもしれない。自分の能力をフルに活かして持てる力を全てを注ぎ込んで、能力の拮抗した相手をねじ伏せ、そしてこれを撃破する。

 判断ミス、

 能力不足、

 熟練度の不足、

 何か一つ欠けていても絶対に勝てないそんなギリギリの戦いだったのは間違いない。

 そして何より一番重要だったのは、この戦いが私にとって、それまでの生身の人間を相手にした犯罪捜査とは根本が異なるということだった。


――犯罪性アンドロイド――

 

 それは技術の発達が生み出した私たち特攻装警と同じように、闇社会のテクノロジーの反乱が生み出した未来世界の鬼子のような存在だった。

 考えてみれば哀れだ。

 私たちは人間達に望まれてこの世にみなされてきた。初めから重要な存在意義があり、全うすべき使命がある。そして、それを満たすことができたなら私たちは万感の賞賛を持ってこの世の人々に受け入れてもらえるのだ。

 でも、彼らは違う。

 与えられた使命があり果たすべき役割があるのは私たちと同じだ。でも彼らのことをこの世の人々は誰も賞賛はしない。

 忌み嫌い、憎悪し、排除し、報復しようとするだろう。

 当然である。彼らが行っているのは犯罪であり、社会悪であり、破壊行為に他ならないからだ。命を脅かし、生活を脅かし、街を、そしてコミュニティを破壊する。

 その存在を誰も望んではいない。

 さらに中には人間に寄り添い共に歩めるはずだったのに悪意を持った人間によってその運命をねじ曲げられてしまった哀れとしか言いようのないアンドロイドも存在する。

 彼女の名はメリッサ。

 私はどうしても彼女の名を忘れることができない。

 そして心に刻んだ思いがある。


――アンドロイドの犯罪は、一体誰が悪いのだろう?――


 その疑問の答えは未だに出ていない。

 もし望めるのであれば誰か私に教えてくれる?


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