あいつが来る!
ちょっと言い訳めいたフィールの言葉
それから私は超高層ビルの中で逃げ惑っていた英国アカデミーの人々のところに追いつくことに成功したの。彼らを護衛していた武装警官部隊って言う人たちとその隊長である妻木さんって人がすごい優秀な人だったからね。
あ、妻木さんってすっごいかっこいいのよ? 婦警さんたちの間でも人気あるらしいんだけど、御本人が恋愛とか結婚とかまるっきり興味がないらしくて――
今まで合コンに誘った人も全滅だって、
まぁ、プロ意識高い人達だからしかたないけどね。
でも私がアカデミーの人たちのところに追いついた時は、すでに妻木さんたちは倒れたあとだった。その段階での生死は不明。残されているのはガドニック教授を除く人たち。教授だけは敵の奸計に陥って囚われてしまっていた。これは私にとっても痛恨の事態だった。
それより今、大切なのはこのアカデミーの人々を確実ににがすこと。そう、あの恐るべき相手ジュリアから。だが私もこれ以上の無理は不可能だった。
あのアンジェとローラを相手にした戦いで持てる力を出し尽くしていたから。そしてその時、立ち上がったのはあの人、私はその人の闘いを強い後悔と罪悪感をいだきながら見守ることしか出来なかったのよ。