表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

プロローグ

7月28日


虚しく吹き抜ける風。それは死者たちの髪をなびかせる。砕け散った戦闘機。ところどころから炎が上がり、無造作に転がる死体を焼いている。とても、一人の人間がやったとは思えない。そんな場所に、俺はいた。


「残念ながら、余韻に浸っている場合はない。死体の処理と身元の確認を急げ!」


後ろから、声が聞こえる。そう、疫病を蔓延させるわけにはいかない。でも、アイカワさんがこの中のどこかに見つかってしまったら、そう思うと、作業が進まない。アイカワさんは、この戦場に出ていた。それでも、まだ生きているかもしれない。見つからなければ、死んだとは限らない。


「・・・コクミッ!」


また一人、いや、一つ顔見知りの死体が出てきた。コクミ。彼はアルマ王国の精鋭隊だった。あれだけ口うるさかった奴が今はもう、何も喋らない。その後もポツポツと会ったことのある人たちが死体となって出てきた。中には、もう、誰だかわからないようにぐちゃぐちゃになってしまっていた人たちもいた。


「ヒレイ、・・・終わりだ。帰ろう。気分が優れないのなら、図書館と新しくできたカフェに行こう。好きだっただろ。」


カゲミヤが優しく声をかけてくる。俺は、答える気にもなれず、無言で頷いた。
















評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ