おまけ第6話 雪山山荘殺人事件後編
「キャー!!」
という悲鳴が聞こえた。
どうやらここの宿の壁が薄いというのは本当らしい。
俺とレイーヌは慌てて部屋を出た。
バタン!
バタン!
途中、いくつもの扉が開き、俺と同じく悲鳴を聞いた人達が悲鳴が発生した場所へと駆けていく。
「どうした!?」
俺は一番先頭にいたので、その光景を見てしまった。
震える安奈ねぇちゃん。
安奈ねぇちゃんを支える純ねぇちゃん。
驚愕した表情をしている兄の竜也と晶さん。
そして…。
頭から血を流して死んでいるこの山荘の主のおじいさん。
彼はロビーに倒れていた。
「ちょっとどいてください!」
佐々木刑事が飛び出してきて慌てておじいさんの脈を測るが…。
「ダメ…なようですね…」
と、首を振った。
「そんな…」
安奈ねぇちゃんは涙をこぼしながらそう言った。
「い、いったい何が…」
トリットは辺りを見回しながらそう言った。
「事故…ではないようですな」
邦治さんはそう言ってとある方向を見る。
邦治さんが見た方向には先端に血がついた鉄パイプが転がっていた。
「さ、殺人ですか…」
園田さんは顔を青くしながらそう言った。
「ふぅむ。完全な陸の孤島で外部からの可能性は極端に低い…。と、なるとこの宿に隠れている者か、この宿に泊まっている者の中に犯人がいる可能性が高くなるのぉ」
一ノ瀬さんはそう目を光らせながら言った。
「そ、そんな!いったい誰なんだよ!」
「そうよ!さっさと犯人だと名乗り出てきなさいよ!」
と、知らない声が聞こえた。
全員その声の主の方向へ顔を向ける。
すると、今回初!知り合いではない客の男女がそこに居た。
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バンバンバン!
「ハイ!ハイハイハイ!隊長!私犯人分かっちゃったかもしれません!」
と、ミューイは右手を上げ、左手でけたたましく机をたたきながら自身をアピールしていた。
「はい。正解ですミューイさん」
俺は無感情でそう言うと、
「ちょっ!本当にそうなんですか!?だって他の人の可能性だってあるんですよ!?」
ミューイはあまりにもつまらない結果に目を見開いていた。
「ミューイ。もし清堂家を含む五頭家関係者や同じスレード隊の隊員が殺人を犯していた場合、こんなに悠長に打ち合わせなんてしませんよ?」
と、レイーヌは呆れ顔で言った。
「大穴狙いでマリーさん!」
ミューイは今失礼な事を言った。
「あのな。何でとんでも魔法が使えるマリーさんが死体を残すような真似するんだよ…」
俺がそう言うと、本当につまらなそうな顔をするミューイ。
「まぁ、いいや。最後まで話すぞ…」
そして、俺は続きを話しはじめた。
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「え~…宿泊客は全員居ますね?」
そう言って点呼をとる佐々木刑事。
そして遊戯室に集まる客達。
「あ~…。もしかしたら犯人はこの中にいるかもしれませんし、宿の中に潜んでいるかもしれません」
佐々木刑事はそう言って全員を見回す。
そんな中で、
「そ、そんな!この宿が雪崩の影響で下山できないなんて初めて知ったぞ!」
「そうよそうよ!」
と、騒いでいる男女が居た。
彼らの名前は、
男性:『小牧 直史』
女性:『小牧 良子』
夫婦であるらしい。
通常であれば殺人事件に巻き込まれ、更に雪崩により閉じ込められたせいでうろたえる一般人としてみることが出来ただろう。
ただしそれはこの二人以外にも知り合いが居た場合だ。
他の全員が疑念の目を二人に向けている。
「こ、こんな殺人鬼が居るかもしれないような場所に一緒に居られるか!」
と、男の方が捨て台詞を吐き、自分の部屋へと戻ってしまった。
女の方も男の後に続く。
「え…どうすりゃいいのこれ?」
と、あの二人が去った後、トリットが言った。
「とりあえず、各自の部屋へ戻ってもいいですか?」
そうマリーが提案をした。
「うぅ~ん。そうですねぇ分かりました。では第一発見者の大学生さんたち4人以外は全員部屋へ戻ってください」
そう佐々木刑事は言った。
それにより、全員部屋へと戻る。
部屋へ戻る途中。
「ついでに念のために犯人の行動を見ておこうかなぁ」
と、マリーは言い出した。
「犯人の行動を見る?」
隣を歩いていた俺がそう尋ねると、
「そう。あ、そうだ。気になる人が居るならば一緒に見ていいよ!」
と、マリーさんは言い出した。
「お、おい!お袋…それは…」
ラゼルトが慌てて止めようとするが、
「大丈夫大丈夫。だって、ここには宇宙連邦の事知っている人しか居ないでしょ?」
と、マリーはウインクをしながら言った。
確かに純ねぇちゃんや佐々木刑事はこの場に居ない。
居るのは宇宙の事を知っている人たちだけだ。
真知子さんと邦治さんは既に自分の部屋へと入っている。
ちなみに真知子さんは宇宙の事を知っているのか知らないのか俺は知らない。
「ふぅむ。宇宙連邦の技術ですかな?興味ありますな」
と、一ノ瀬さん。
「へぇ…犯人の行動が分かる…ねぇ」
トリットも興味有り気だ。
とりあえず、
・俺
・レイーヌ
・一ノ瀬 重松さん
・トリット
・リズリー
・モリガン
・ラゼルト
・マリー
・藤造さん
のメンバーでマリーとラゼルトの部屋へと入った。
ちょっと狭い…。
「さぁて、あの夫婦とは部屋は離れているようだし、音量あっても大丈夫よね~」
マリーはそう言いながらピンク色のポーチに手を突っ込みごそごそとしていた。
あ、あのポーチ惑星マティーナで俺の中の物理法則をぶっ壊したポーチだぁ。
「はい、『魔道式過去情報映像出力水晶』!これがあれば、この近辺であった過去の出来事を映像として見る事ができるの」
マリーはそう説明して水晶を固定台に乗せて魔力を流し始めた。
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「ちょちょちょ!ちょっと待って下さい!それ卑怯じゃないですかぁ!」
ミューイが突然騒ぎ出す。
なんだよ…。
「ミューイ。ここからがお前の好きなミステリーの解決シーンだぞ」
「斬新な解決方法ですね!?」
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水晶玉の内部ではなく、プロジェクターのように広く映し出された映像。そこには予想はされていたが、衝撃的なシーンが含まれていた。
「ねぇ。浜彦さん。これで私に全財産入ったの?」
「あぁ。そうだよ良子さん」
浜彦といわれた人物。この人こそここの山荘の主『絹星 浜彦』さんであった。
隣に寄り添うのは小牧 良子である。
その姿はまるで恋人同士…というか絶対絹星さん騙されているんじゃね?という雰囲気だ。
だって全財産小牧 良子に渡したとか言っているもん。
「ありがとう…浜彦さん」
良子はそう言った後、浜彦から離れる。
あ、小牧 直史が絹星さんの後ろから近付いてきた。
危ない!
直史は手に持った鉄パイプを力いっぱいに絹星さんの後頭部に向かって振り下げた!
バシッ!
「あが!?」
絹星さんは力なく倒れた。
「ど、どうして…」
か細い声を出しながら絹星さんは良子に聞く。
すると、やっぱり、
「ははは。どうしてですって?決まっているじゃない。貴方の財産を全て頂くためよ!」
うわー。言い切っちゃったよ。
「それじゃぁ、爺さんさよならだ!」
ボコォ!
ドゴォ!
直史は何度も何度も鉄パイプで絹星さんの後頭部を殴った。
やがて絹星さんが動かなくなると、直史は絹星さんを仰向けにして生きているかどうかを確かめているようであった。
絹星さんの顔は既に生者のものではない。
「ははは。死んだぞ!」
と、直史は笑っていた。
胸糞悪い。
「さて、後は吹雪が止んでから下山して海外へ高飛びよ!」
「あぁ、警察が来るまでに逃げちまえばこっちのもんさ!」
最後に直史が身に着けていた手袋を暖炉の中に入れ、二人はその場を去っていった。
「んじゃ、早速この二人をぶっ殺してこようかしら」
と、マリーは笑顔で言った。
水晶からの映像は既に止まっている。
「お袋、落ち着け。それだとややこしくなる」
「とりあえず証拠を突きつけとけばいいんじゃない?」
そうマリーは言ったが、
「残念ながらこの映像は証拠にはなりませんぞ?」
と、一ノ瀬さんが言った。
確かに魔法の水晶なんて品を出されても証拠になんてならないだろう。
「もぅ。地球ってめんどくさい!」
マリーはそう文句を言っていた。
「まぁ、奴らの誤算としては朝早くロープウェーで逃げるつもりだったが、そうはならなかった点だろう」
俺がそう言うと、
「山の天候は変わりやすいですから…」
と、レイーヌ。
「俺達が居た事の方が大誤算な気がしますぜ…」
そしてモリガンは半笑いでそう言った。
まぁ、確かにね!
翌日。午前11時。
「え~…はい。皆さん。またお集まりいただきありがとうございます…」
佐々木刑事は疲れた表情でそう言った。
「なんなのよ!こっちは不安で仕方が無いって言うのに!また呼び出して!」
「そうだそうだ!」
と、良子と直史は文句を言う。
海外へ高飛びできなくて不安なのかな?
「え~…。皆さんをお呼びした理由なんですが、犯人が分かりましたのでお伝えしようかと…」
「「(ギクリッ!)」」
あ、明らかにいま良子と直史の顔色が変わった。
こいつら隠す気ないだろう…。
「は、はは。どういうことですか?た、探偵の真似事ですか??」
と、かなり動揺しながら直史が言った。
「あ、そうだ。お二人にはお伝えしていませんでしたね。私佐々木という者で、警察の者です」
と、佐々木刑事は警察手帳を出して見せた。
それって休日の時も持ち歩くもんなの?
「そ、そんな!?なんで警察が…」
と、直史が目に見えて慌てている。
「まぁ、そんなわけでさっき警察署に問い合わせて見たんですが…」
佐々木刑事がそこまで言うと、今度は良子が、
「そ、そんな!電話は繋がらないはず!」
と、声を上げた。
「おや?なんで電話は繋がらないと言えるんですか?私、昨日の晩からずっとここで遺体を見張っていましたが、貴方はここには電話があるロビーまで来なかったはずですが…」
そう佐々木刑事が目を尖らせながら良子に質問した。
「いや…それはほら。昨日、死体を発見してから電話をしようと思ってみてみたら線が切られていたから…」
と、良子は苦しい言い訳をする。
じゃぁ、それを発見し次第誰かに言えよ!と、言いたい。
「はぁ。まぁそれはいいでしょう。ちなみに電話はそこにいらっしゃる『浜口 司』さんに『衛星電話』を持っていらっしゃっていたので借りました」
と、佐々木刑事は衛星電話を片手に言った。
ちなみに『浜口 司』という名前はモリガンの今世の名前だ。
「な、なんで衛星電話なんていう物を持っているのよ!」
と、良子は叫ぶ。
「そ、そうだぞ!あいつ怪しいぞ!?しかも顔が怖い!絶対何人も殺しているはずだ!」
そう直史も言った。
ふむ。確かにモリガンは元殺し屋だ。そしてリール連邦では軍人だった。直史という奴は案外見る目があるかもしれないな。
だが、顔はともかく衛星電話を持っているだけで犯罪者扱いは気に入らないな…。
「衛星電話なら、俺も持っていますよ」
と、俺は衛星電話を取り出す。
「ワシもじゃ」
と、一ノ瀬さんも。
「私も持っていますね」
と、園田さんも。
「俺も持っているっスよ」
と、トリットも言った。
「これだけの人数が持ってりゃ、全く不自然じゃねぇだろぅ。きっと電話が無い山には必需品なんだろうな」
と、最後にラゼルトが言って自身の衛星電話を取り出して見せた。
「何でこんなに大勢持っているのよ!おかしいでしょ!?」
良子はヒステリックに叫ぶ。
「おや?別に構いませんでしょう?これで外界との連絡がつけるのですから…」
そう佐々木刑事が言うと良子は顔を真っ赤にして黙る。
作戦成功である。
たまたま藤造さんが持っていた衛星電話をマリーがコピーしたのだ。
なんか『賢者の石』を当ててポコポコ生み出していた。
その最中、
「はっはっは。昔ちょっとかじった私の錬金術の技術の力を見よ!」
とか言っていたがよくわからない。
そしてラゼルトが、
「『賢者の石』を使うってチートじゃん。絶対お袋の力じゃねぇよ。賢者の石のおかげだよ?」
とか言っていたがよくわからない。
なんだよ賢者の石って…。
まぁ、それはさておき、
「さて、この衛星電話でちょっと署の方でとある情報を調べて見ましたらおもしろい事がわかりましてねぇ…」
と、佐々木刑事はニヤリと笑った。
「絹星 浜彦さんの口座から2億円もの大金がとある女性名義の口座に移っていたのですよ…」
佐々木刑事は全員を見渡しながらそう言った。
もう誰だかわかるだろぅ。
「小牧 良子さん。あなたの口座にねぇ…」
佐々木刑事が良子を指差し、まるで犯人は貴方だとも言うように話した。
「そんな…。そんなの同姓同名に決まっています!それにもしそれが私だったら何の問題があるんですの?まさかそんな事で私があのおじいさんを殺した犯人だとでも言うつもりですか!?」
ははは。そうきたか。だが、想定済みだ。
「いえいえ。まさかまさか。そんな事は全くないですよ。ただし、殺害をした証拠があれば話は別ですが…」
佐々木刑事がそう言うと、良子と直史の顔が青くなっていく。
明らかに動揺している。
「ははは…証拠?」
特に殺害を実行した直史は目が泳ぎまくっている。
「実はですね。私はがもし犯人だった場合、こんな場所に凶器を残したとなると、指紋が残らないようにすると思うんですよ…」
「「「「「なるほどー」」」」」
と、犯人の二人以外は口をそろえてそう言った。
まだ小さい一之君も一緒にだ。
この寸劇に犯人の二人もビビッている。
「例えば凶器と思われる鉄パイプを持つ際、手袋をします。そして…そうですねぇ身近な場所としてはロビーにあった暖炉に放り込めば良さそうですねぇ」
佐々木刑事がそう言うと、直史が、
「ははっ。暖炉ならばもう燃えちまっているんじゃねぇのかい?」
と、笑っていた。
ちょっと冷や汗をかいている。
「じ・つ・は。これを見てください」
佐々木刑事はビニール袋に入れた白い布切れを取り出した。
「これ。半分くらい燃えちゃってますが、血がついていますよね?これ、絶対犯行に使われた手袋だと思うんですよ。この血と中にあるであろう犯人の皮膚のDNAや指紋を調べれば一発じゃないでしょうか?」
佐々木刑事はそう言ってプラプラとビニール袋を揺らしている。
「ば、馬鹿な!?」
と、直史は驚愕していた。
うんうん。あの火力で半分以上燃え残っちゃうとは考えられないよね。
実はそうなんです。
あの後暖炉を調べて見たら白い布切れが発見されました。
佐々木刑事に見られないようにマリーとラゼルトが共同で時間操作の魔法で半分程復活させたのだ。それをわざとらしく、
「ケイジサーン。ケイジサーン。なにやーらブラットが付いた手ブクーロがありまーすけどぉ?」
と、わざとらしい日本語が不慣れな外国人を装ったマリーが佐々木刑事に伝えた。なぜそんな演技をする必要があったのだろうか。
「くっそぅ。くっそぅ!こうなれば!」
直史はナイフを取り出し、なんと安奈ねぇちゃんの側へと駆け出した。
しまった!安奈ねぇちゃんを人質にしようとしているのか!?
だが、
「ていっ!」
と、安奈ねぇちゃんはナイフを蹴り飛ばす。
ふふ。なぜ安奈ねぇちゃんは弱いと思った?
確かに純ねぇちゃんや晶さんよりは弱いかもしれないが、あの二人と散々一緒に暴れていたんだぞ?弱いわけないじゃん。
スターン!
「うひょ!?」
飛んでいったナイフはトリットの顔面の横をすり抜け、背後の壁に刺さった。
トリットから変な声が出る。
「何やってるんだい!こうなれば!」
と、今度は良子がナイフを取り出して一之君の所に向かう。
あ、ダメ!
「俺の息子に手を出すんじゃねぇぇぇぇええええ!!!」
火山が噴火したかの如く怒りの咆哮を上げたモリガンは思いっきり良子の顔面を殴る。
良子が吹き飛ぶ!
ズダーン!ズダーン、ズダーン…。
エコーがかかっているかのように音が鳴る。理由は何度も良子の体はバウンドしたからだ。と思う。
良子がビクンビクンしているのはきっと目の錯覚だ。
し、死んでないよな?
「お父さん!」
「一之!」
モリガンと一之は抱き合った。
皆その光景を見て涙目である。
トリットは別の意味で先ほどから涙目であった。
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「そんなわけで、その後救助隊や警察も来て無事俺達は脱出でき、小牧夫妻も逮捕されたんだ。めでたしめでたし」
俺がそう話を締めると、
「つまんないです!」
と、ミューイは文句を言った。
「つまらないって…あのなぁ…」
俺がなだめようとする。
ってか、殺人事件につまるもつまらないもない!
「なんですか?過去を見る水晶って!?なんですか?錬金術って!?なんですか?時間操作の魔法って!?みんなミステリーを壊しにかかっているじゃないですか!」
ミューイはそうお怒りになっていた。
「ミューイ!決して遊びではなかったんですよ!?どんな形であれ、あの場で殺人犯を捕まえることが出来たんです!喜びはすれど怒るとは何事ですか!」
と、今度はレイーヌが怒った。
「うぅぅ…はい…」
そう言ってミューイは大人しくなる。だが、ポツリと、
「でも絶対間違っているよ~…」
と、言ったのは聞き逃さなかった。
その後、スレード隊全員と邦治さんが来てホログラム上の輝明さんが映し出され、打ち合わせが始まった。
打ち合わせが終わった後、
「<そういえば、僕が紹介した絹星さんの山荘ではいろいろ大変だったそうじゃないか>」
と、輝明さんが俺とレイーヌに話しかけてきた。
「あ、いえ。まぁ…はい」
俺がそう言うと、
「<ではゆっくりと休む事が出来なかっただろう。そこで提案なんだが、どうだろう。今度は南の島へご招待しようかと…>」
「「いえ、お気持ちだけで結構です!」」
俺とレイーヌは口をそろえてお断りした。
もうあんな目には遭いたくはない。俺とレイーヌの気持ちが一つになった瞬間であった。
その後の話をしよう。
あの山荘は神埼グループ。つまりレイーヌの父が買い取った。
従業員はそのままで、彼らは路頭に迷うことはなかったが、殺人事件があった場所と言うことで一時期人が寄り付かなかった。しかし、温泉に入りながら絶景を見ることができるというポイントは変わらなかったため、すぐに人が戻ったという。
直史と良子は身勝手な殺人事件を起こした罪で終身刑となったようだ。
めでたしめでたし…。なのかな?
ミステリーとか無理です。




