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第57話 前田竜也が語ったこと

 そして昼食後。時間があったので、現在俺と竜也はホテルの俺の部屋に居る。


「「…」」

 なぜお互い黙っているのだろう。

 いや、俺は黙っていてもいいんだ…。いいのか?

 そもそも最初に「入っていいか?」と聞いてきたのは竜也なので、話を切り出すのを待っていたがなかなか話そうとしない。

 沈黙しているだけで時間が刻々と過ぎていた。


 どうしようなにか声をかけた方が良いのだろうか?そう思っていると、


「二年前だ」

 と、今まで黙っていた竜也がいきなり話を始めた。

「二年前?」

 俺がそう聞き返すと、

「あぁ。二年前、あの会議室にいた大原おおはらっていう少佐が…いや、ゲセンプール少佐とかいったな…が、俺にコンタクトをとってきた」


 二年前と言うと、竜也が高校3年生の時だったか。そして、会議室に居た情報部のゲセンプール少佐は大原と名乗っていたのか。

「大原少佐は俺にお前が別の星から転生してきた人間だという事を教えてくれた」

 大学受験を控えているというのに、ゲセンプール少佐も酷な事をするなぁ。上の命令だろうけども。

「もちろんそんな話は最初信じなかった。馬鹿馬鹿しく、おれは面倒な奴に絡まれたと思っていたんだ」

 そう言った後、竜也は溜息を吐く。

「いったいどこで会ったんだ?学校や家の近くとかじゃさすがに会わないだろ…」

 俺がそう質問すると、

「随分前から監視をされていたんだよ。二年前俺や純達が不良集団を警察に突き出した話は知っているよな?」

「ん?二年前に?うぅん…あぁ、思い出した。その話は確か純ねぇちゃんに聞いたな」

 確か5人程の不良グループが市内の商店街で万引き、恐喝等をしていた事件だな。

 確か純ねぇちゃん達がボコボコにしたということを聞いたな。

 聞いた当時は暴力沙汰を起こして大学受験に影響するんじゃないかと思っていたが、逆に警察に表彰されていた…。

 ってか、そんな話し一度や二度じゃないから正直どれのことだかわからない。

 だけど、二年前の話ならば今俺が思い出したやつだろう。多分。


「その事件の最中、俺が逃げた不良集団の中の一人を追っていてな。そいつが近くの廃屋に逃げ込んだんだ。俺も慌てて追ったんだが、既にその不良は倒れていてな。近くに大原少佐が居たんだ」

 あーなるほど、そういうパターンか。


----------------------------------------------------------

竜也の回想


「あ、貴方がこいつを倒したんですか?」

 目の前の男の第一印象は何かスポーツをやっていそうなさわやか青年であった。適度に日に焼けた肌からそう連想していた。

「その通りです。この男はこの先の商店街でいろいろと不正行為を働いていた輩の一人ですよね?」

 俺は目の前の男の言葉でとっさに浮かんだのは、

「はい。もしかして警察の方ですか?」

 そうだとしたら話は早い。純達が倒した不良共もまとめてしょっ引いてもらおう。

 そう考えていたのだが、

「いいえ、違います」

 という返答が来た。

 では何者なのだろうか?

「私はとある調査機関に所属している者です」

 彼の言い方だと探偵とかではなさそうだ。探偵ならば探偵と言いそうだし…。

 CIAとかKGBとか?

「私はとある国の調査員をしているのですが、前田 竜也さん。お話をお伺いさせていただいてもよろしいでしょうか?」

 なんと、この人は俺のことを知っている上で話をしたのだ。ここに居るのも俺狙いだったのか…。

「なんでしょうか?」

 俺は警戒しながら尋ねると、

「こんな場所ではいろいろと不便でしょうから、後日というわけにはいきませんか?」

 と、目の前の男は言ってきた。

「この不良を警察に突き出さなくてはいけないでしょう?」

 そう男は言って連絡先を交換しようと提案してきた。


「あ、ちなみに私の名前は大原と言います。落ち着いたら電話をいただけたらかと思います。そうそう。他の方々には内緒でお願いしますね?ご家族とか、一緒に悪者退治をしているご友人等ね」

 そう言って大原と名乗ったその男は去って言った。

 純達を知っている?やはり調査機関というのは嘘ではないようだ…。


 俺はとりあえず純に逃げた不良を捕まえた事を電話で伝え、警察にも連絡をした。



 その後、警察の事情聴取等あったが、店先で暴れていた不良集団とそれに対して止めに入る俺達が防犯カメラに映っていたこともあり、すんなりと返してもらえる事になった。

 後々表彰もされるらしい。


 家に帰ってくると母や弟達に心配され父には怒られたりしたが、その時はなぞの男大原の事が気になっていた。


 俺の名前なんて簡単に調べられるかもしれないが、あの日あの場所に行くことを察知するなどよほどの者でないとできない。


 焦る気持ちを抑えつつ、俺は大原との連絡先交換で入手した電話番号へとかけた。

 一瞬純達に先に連絡したほうが良いのではないか?という考えがよぎったが、奴らの情報収集能力であれば既に純達のへ連絡した事がバレる可能性は高い。

 他言無用と大原に言われたので、もし純達にこの事を知らせてしまえば彼女達を危険にさらす事に繋がる。それだけは避けたい。


 俺は携帯のアドレス帳から大原の行を選び、通話をした。



「<もしもし、大原です>」

 大原は直ぐに電話に出た。


「前田 竜也です。以前俺と話をしたいということでしたが…」

「<はい。こちらで場所を用意するので、そこで話をいたしましょう。ご都合がよろしい日時を指定していただきたいのですが>」

 と、提案してきた。

「それよりも、貴方はいったい何者ですか?どのような内容の話になるのでしょう」

 そう聞いたとしても答えてくれる内容が真実だとは限らない。だが、聞かないよりはいいだろう。


「<わかりました…。実は我々は貴方の弟さんについて調査をしているのです>」

「弟?竜生の事か!?」

「<はい。実はその竜生さんについてなのですが、とある疑いがかけられていましてね>」

「な…犯罪か?」

 俺は一瞬で頭が真っ白になる。

 馬鹿な!竜生に限ってそんなことはありえない!


「<…そう取られてしまう可能性もありますね。ただし、我々の中でも竜生さんは関係無いと考える者もいます。現段階でははっきりしていないのです>」

「馬鹿な!あいつに限って犯罪なんてするわけないだろう!」

「<確かに心優しくもあり、まじめなようです。ただ気の弱い部分もある>」

 これは当てずっぽうか?本当に調査して言っていることなのか?

「<彼は現在高校生活1年目で苦労していることが多いようですね。主に友人関係で…>」

 高校生活1年目なんて慣れていないこともあるだろうしなじみ辛いこともあるだろう。大原は適当な事を言って一つでも当てはまるようなことを言っているに過ぎないのか?

「<まだ本格的な虐めには繋がっていないようですが、クラスメイトの朝川や泉という生徒にちょっかいをかけられているようですね>」

「ど、どうしてその事を!?」

 その情報はつい最近竜生の口から聞いたことだった。

 最近その二人に迷惑をしていると。そして俺は近々制裁を与えてやろうと考えていた。

「<我々が調査して調べました>」

「まさか、その二人に何かされて、復讐に犯罪行為に手を染めてしまった…とかか?」

 俺は恐る恐るそう尋ねる。だが、

「<いえ、そうではありません。彼が関わっている事はもっと別の大きなことです>」


 落ち着け、落ち着け!学校の事なんてクラスメイトに直接聞けばある程度把握できる!電話の向こうの大原の情報収集力は実は大したものではないかもしれない。あの商店街で暴れていた不良は実はこいつの手下でたまたま俺をあの廃屋へ呼び出したかったからかもしれない!

 だが、仮にそうだとしてもそのメリットは何だ!?

 分からない。もっと情報を手に入れなくては!

「大きなこと…ですか?」

「<えぇ、彼が関わっているかもしれないという内容は…>」

 大原はいったん息を吸い込んでいるようだ。

 俺も緊張し耳を傾ける。


 そして、出てきた彼の言葉に驚愕した。



「<テロ行為です>」



 俺の頭はパニックになった。




「ば、馬鹿な!竜生がテロリストなんて!」

 俺は頭にきてしまった。

 よく考えて見れば、竜生がテロリストなんてなるわけがない。

 特定の宗教にも特定の団体にも所属していないあいつが、何のためにテロ行為をしなきゃならん。

 一番可能性があるのは朝川と泉と呼ばれるクラスメイト二名に何かしらの傷害を与えたという事ぐらいだ。何を言ってんだこいつは!

「<落ち着いてください>」

 この!落ち着いていられるか!

「<前田 竜生君自体がテロリストというわけではありません。知らず知らずのうちに手伝ってしまったという可能性があるのです>」


「は!?」


 テロ行為を知らずに手伝っただと!?


「<例えるのであればお金を渡すのでこの紙袋をとあるポストに入れてきてくれ。と依頼され、その紙袋の中身が爆弾だった。というような感じです。勿論これは例えであって、本当にお金を受け取ったり爆弾を運んだというわけではありません>」


「そんな…!」

 それならば…ありえない事ではない。あいつは人が困っている時助けようとする奴である。

 頼まれたのであれば見返りなしでやってしまう事だってあるのだ。


「そんな…」

 だが、何をしたんだ?あいつは…。


「<落ち着いてください。私の言葉でも信用できないかもしれません。でしたら、一度音熊中央警察署まで来てください。そこで話をしましょう。繰り返しますが、空いている日時はありますでしょうか?>」

 え?警察?警察署?え?この人警察の人じゃなかったのでは?

「やはり警察の方だったんですね…」

 俺がそう言うと、

「<…いえ、以前もお伝えしたとおり警察の人間ではありません。ただ、警察の方々にいろいろと融通してもらえる立場ではあります>」

 …警察ではないが、政府の人間と言うことか?でもとある国の情報機関と言っていたよな?日本の警察に融通が利く国ってどこの国だ?アメリカか?

「<警察署であれば貴方も私と安心して会っていただけるでしょうからね>」

「分かった…では今から伝える日時に行くことにする」

 俺は今考えていても仕方がないので大原に会う日時を指定し、この日は電話を切って話を終えた。





 後日、大原さんと会う予定の日になり、俺は『音熊中央警察署』へ向かった。


 警察署へ着いてからは受付の人に大原という人と会う約束をしているという事だけを話したら個室へと案内された。いわゆる"取調室"である。


 そこで待って欲しいっと言われ、俺は大人しく待っていた。

 大原はすぐにやって来た。2、3分ほどだっただろう。取調室に入ってきたのは大原一人だけだ。


「やぁ、お待たせ」


 そう言って大原は席に座ると、


「これから君には本格的な話をしなくてはならなくなる。君は今ならば引き返せるが、話を聞いてしまった後だと引き返せなくなってしまう。どうする?」

 その問いに対し、俺は話を聞くという選択をした。



----------------------------------------------------------


「それから俺はお前が転生者という事と宇宙連邦という存在を知った。勿論最初は信じられなかったけど掌から出されるホログラムや転送装置、それに明らかに着ぐるみではないクラゲのような異星人を目の前で見せられてはな…」

 そう一通り話した竜也は息をついた。

「クラゲ型異星人?転送装置?もしかして宇宙へ行ったのか?」

 俺がそう問いかけると、

「あぁ…」

 と、竜也は短く答えた。

「行った場所は地球近くの宇宙船だった。中には軍服を着たいろんな種族がいてな…」

 そう懐かしむように竜也は言った。


「そして2年間俺を監視していたというわけか…。どおりでおかしいと思ったんだ。俺が学校の事を相談しても今までとは違って冷たく突き放されたような感じだったからな」

「う…ん。すまない…」

 そう竜也はうつむきながら謝った。


「いや、仕方がないことさ。いきなり異星人やら転生やら言われて混乱するのは分かるよ。だって、俺だって混乱したから」

 俺がそう言うと、

「お前も俺と同じように混乱していたんだな…」

 と、竜也は小さく声を出していった。

 その後、

「お前がレイーヌを殺していなくて良かったよ…」

 と、言った。

 ん?レイーヌ?あぁ…。

「犬のレイーヌの方だよね?」

 おそらく竜也はスレード隊のレイーヌの事を言ってはいないのだろう。

「え?他にレイーヌがいるのか?」

 竜也はそう不思議そうに尋ねてきた。

「あぁ…。俺の婚約者の麗華は前世の名前はレイーヌっていうんだ」

 俺がそう答えると、

「え?お前婚約者の名前を犬の名前に付けたのか??」

 と、驚かれた。

「いやいや、それは俺が前世の記憶が戻る前の話だから。多分それでも頭の片隅に…いや、この場合魂の片隅かな?まぁ、とにかく大切な名前として刻まれていたから犬のレイーヌにそう名付けたんだと思う」

 そう訂正しておいた。

 なんだよ魂の片隅って…。

「そ、そうか。そうだよな…。いや、お前があの時レイーヌの死体を抱きながら帰ってきたときはビビったから…。ほら、お前魔法が使える世界から転生してきたんだろ?黒魔術とか生贄とか…そんな事をしたのかと思ったんだ…」

 竜也がそう言ってくるので、俺は慌てて、

「いや、あれは前の学校で俺を虐めていた泉と朝川にやられたんだよ」

 と、訂正した。

 黒魔術ってなんだよ。そんな技使えないよ…。

「な!?そんな…。そうだったのか…。本当にすまなかったな…。俺はあの一件で完全にお前が恐怖の対象になってしまったんだ…。そこまで酷い事になっているんだったら、もっと早く気づけば…。クソッ。あの不良共…」

 竜也はそう言って悔やんでいた。


 竜也も犬のレイーヌを家族として扱っていた。


 当時の竜也が顔を真っ青にして俺が庭に犬のレイーヌを埋めている姿を見ていたのを覚えている。


 俺も何の説明もしなかったからなぁ…。

 でも、まさか俺が殺したと思われているとは思わなかった。


「いや、俺も説明しなかったからな。それより…俺の存在は気持ち悪いか?」

 俺はそう率直に竜也へ尋ねた。


「…どうだろうな…」

 俺の問いに対し、竜也は曖昧に言った。


「実際異星人とかを見たからかな?ショックが和らいだかもしれん。俺は竜生がテロリストでもなく、無差別殺人者でもないのであれば全く怖くはない…」


 そう竜也は答えてくれた。

 良かった。そう俺は思った。ここで兄弟間の仲が更に悪くなれば俺も住むところをなくすだろう。二度と両親にも会えないかもしれない。


「ははっ。そうか、それはありがたいな」

 俺がそう言うと、竜也は悲しげな顔をして、


「2年間…。悪かったな…」

 と、竜也は改めてそう言って俺の肩に手を置いた。


「いいさ。分かってくれたのならば」

 俺はそう言って竜也が俺の肩に置いた手を握り固い握手を交わした。


 これでようやく俺達兄弟のわだかまりがほんの少し解けたと思う。


 2年間という期間は短いようで長かった。


 この間俺は学校で苦しみ、竜也は竜也で苦しんでいたんだろう。


 全ての原因となったヴァルカ残党軍や連邦軍情報部の連中に腹を立てつつ、俺はこれから竜也との仲を改善させていこうと思うのであった。




 こうして一ヶ月程の夏休みも終わりに近付いていた。。


 今までにないほどの強烈な思い出を作った夏休みである。忘れようにも忘れられない。

 小学生の頃自由研究のテーマを何にしようかと考えていた頃が懐かしい…。


 スレード隊のメンバーで成年者はそれぞれは今世の仕事に着いた。

 リズリーやパルクスは今まで通り輝明さんの部下として。

 そして、モリガン、パルクス、デルクロイも同じく輝明さんの部下になった。

 ちなみにグリゼアも輝明さんの部下になる。

 グリゼアは新しく見つけた仕事先であるパート先は実は五頭家の関係者であり、グリゼアを確保するためにわざわざ偽装したらしい。


 ようやく街も落ち着きを取り戻してきたかに思える。


 反学校派の過激派連中は軒並み逮捕され、様々な容疑がかけられているようだ。銃刀法違反や傷害、殺人なんかも入る。学校派の連中にも当てはまるようであるが、そこは輝明さん達が何とかしたようだ。



 警察の見回りが強化され、街中での過激なデモも見当たらなくなったが、俺たちは安全のため引きこもる事を選んだ。


 夏休みも残り少ないというのに非情につまらない。


 いや、一つだけかなり面白いゲームをやった。

 ゲームと言うよりもシミュレーターであるが…。


 なんと、輝明さんは俺達スレード隊に向け、五頭家が所有するバトルワーカーのシミュレーターを使わせてくれたのだ。


 陸戦や短時間の空中戦しか経験してこなかった俺であるが、最初は陸戦、次の日に空中戦、更に次の日は宇宙戦のシミュレーションを用意してくれた。


 なんというか、今地球にあるゲーム機と比べると地球産ゲーム機が可哀想になるくらいのリアルさだった。


 スレード隊のBW組全員が操作をし、感覚を取り戻していく。


 リズリーとパルクスは既に習得済みであったため、他のスレード隊メンバーとは比べ物にならないくらい上手く扱っていた。


 だが、他のスレード隊メンバーも元々リール連邦のBWのパイロットだ。最新のBWといえど、操作はかなりしやすかったため、しばらく操作すると俺達はなんの苦も無く扱うことができたと思う。


 その様子を見て輝明さんは非情に驚いた顔をしていたが、俺達としては当然の結果といえよう。なぜならリール連邦軍ではBWに関してはエリート部隊として活躍していたのだからな。


 一応今扱っているシミュレーターよりも稚拙ではあったが、リール連邦でもシミュレーターは扱っていたし、シミュレーターの空中戦も何度も経験している。実際には長時間飛ぶことができないにも関わらず何故か空中戦のシミュレーターが存在していた。そして、更に何故かあった宇宙戦と水中戦、海上戦も…。

 考えて見ればあれはヴァルカ残党軍から貰ったシミュレーターをそのまま使っていたんだろうな…。


 シミュレーションの後はいつも輝明さんは俺とミューイ、レイーヌへ進路について相談に乗ってくれていた。

 絶対に逃さないといわんばかりの表情で…。

 まぁ、ありがたいんだけどね。将来安泰なのか、これ?


 ちなみに遊んでばかりで大丈夫か?と思うかもしれないが、俺の通っている学校では夏休みの宿題というものが無い。これはミューイも同じ事だ。レイーヌの学校はあるらしいが…。



 そうそう、一つ夏休みの終わりにとある人物達に出会った。


「清堂 幸輝です!」

「紀崎 魅香と申します」


 7歳の二人の子供達だ。


 名前からわかるとおり、幸輝君は輝明さんの息子で、魅香ちゃんは鬼一郎さんの娘だ。


 幸輝君は輝明さんに似て笑顔がさわやかだ。子供である分天使のような柔らかな笑である。


 魅香ちゃんは、黒髪ロングの清楚な感じだ。若干目つきが鋭いのは父親に似ているからかな?


 しかし、いくら治安が回復してきたとはいえ、まだ危ないだろうこの街に来させるとは…。と輝明さんと鬼一郎さんに少々呆れていた。が、輝明さんは俺の考えを読み取ってか、

「はは…二人は既に僕と同等の強さでね…」

 と、遠い目をした言われた。


 え?この二人、俺よりも強いのか!?

 いやいや、そうだとしても7歳の子供をつれてきちゃいけないでしょ!


 この二人との出会いが夏休みの最後に強烈な思い出を作るきっかけとなった。




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