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第20話 スレード隊緊急会議

 翌日、昨日連絡しようと思ってすっかり忘れていたリズリーとパルクス発見の報告をスレード隊全員に送った。


 まぁ、昨日は疲れていたしボロボロだったから仕方がないよね?

 などと俺は無意味に言い訳を考えている。


 すぐに返信が返ってきた。全員発見した事への喜びと俺への感謝を書いた後、リズリーとパルクスと会うことはできるか。という内容だった。


 俺、感謝されるような事してないんだよな。発見したといっても、発見された。という方が正しいかも知れない。

 それよりも問題なのはあの二人とどう連絡を取ればいいのかという事だった。


 すっかり忘れていた。

 俺はマヌケ過ぎる…。


 あの二人を見つけたのはいいが、どうやって連絡を取ればいいのだろう。確か刑事の佐々木さんが知っているようだったから、訪ねていけばなにか情報を教えてくれるかもしれない。

 と、なると今日もう一度警察署に行こうかな。と考えていると、インターフォンが鳴った。


 俺は慌てて下に降りていく。もちろん戦闘態勢だ。昨日のように不審者を家に入れないため、チェーンをかけてドア越しに声を掛けようとした。

 すると、


「おはようございます!リズリーです」

 と、ドアの向こうから声がした。


 え?リズリー!?


 慎重にドアを開くと、そこには二人の男女が居た。リズリーとパルクスである。

 なんて都合がいいタイミング!向こうから来ちゃったよ。


「ちょっと待って、今チェーンを外すから」

 俺はドアを閉め、チェーンを外してから再びドアを開ける。

「あぁ、おはようリズリー」

「おはようございます。前田 竜生さん」

 リズリーからそういわれる。なんだかそうやって今世の名前で呼ばれると目の前の人物が本当にリズリーなのか。

と思ってしまう。だが、これは仕方が無いことなのだ。何せ後ろには金属バットを持った竜也とフライパンを持った 母がいるのだから。二人が居る前でオーヴェンスの名前を言っては余計な問題に発展しかねない。


 俺は母と竜也にしてきた二人は警察関係者と伝え、ひとまず家の中に引っ込んでもらった。

 二人がいなくなった事を確認して、リズリーとパルクスの方を向く。


「改めて、お久しぶりですわぁ。えぇっと…竜生さん」

 やはり周りに人がいるかもしれないこの場で俺の前世の名前を言う事はしないリズリー。

「やぁ、本当に…。そうそう。君達二人の連絡先を知らなかった。ちょうど他のメンバーも知りたいと言ってきていてね」

「そうでしたかぁ!そのぉ…一度話をしたいのですが、他の方々と都合がいい日程とかを調節していただく事はできないでしょうかぁ?」

 リズリーの提案は俺も考えていた事だった。

「そうだね。今すぐ皆と連絡を取ってみるよ…」

 俺はそう言ってメールを書き、メンバー全員に送信した。

「ちょうど今日俺は予定が無いから、もし今日皆集まれるのであれば、集まりたいな」

「すぐに手配できますわぁ。ご安心してください」

 リズリーはフフっと笑って言った。

 メールは全員からすぐに返ってきた。

 なんと、全員今日集まれるとの事だった。当然ながらグリゼアは子供を同伴させたいとのこと。

「それは運が良かったですわぁ。では、早速予定の方を取らせていただきます。竜生さんはもう向かっても大丈夫ですかぁ?」

「あぁ。問題ない…いや、ちょっと用意だけさせてくれ。それと、場所と時間を聞きたい。皆に連絡する」

「了解です。場所は神埼ホテル10階第一会議室。時間は今から3時間後で」

 リズリーはホテルの住所と詳細を書いたメモを渡してくれた。

「わかった。伝えてくる」

「では、会場の予約を取ってまいりますので…」

 リズリーはそう言って電話をかけ始めた。

 俺は急いで身支度を整える。 


 母や竜生にはこれから二人と出かけてくるという事を伝える。


 すばやく用意したつもりだが、10分程かかってしまった。


「すまない。待たせてしまった!」

「いえいえ、では参りましょうかぁ」

「あぁ」

 俺は再び神埼ホテルへ行く事になった。あのホテルは何かと縁があるなぁ。

 それにしても今日はまったく言葉を発しないなパルクス!






 現在は車で移動中でる。

 パルクスが運転をし、リズリーが助手席。俺が後部座席である。


「しかし、リズリーとパルクスは警察の人間になっていたのか。いやぁ驚いたなぁ」

 俺はまさか二人が同じ職に就いているとは思わなかった。

 リズリーは予想はつかないが、パルクスは簡単に別の職に就いている事が予想できた。

 パルクスの場合は料理人である。


 彼はなぜ軍人になり、尚且つ最新兵器であるBWの操縦士になったのかと思うほど料理が上手であった。


 材料さえあれば高級レストランの味を完璧に再現できてしまう他、どんな料理も一口食べただけでだいたい近いものを作ってしまうのだ。


 彼がいただけでスレード隊の食事のレベルはかなり上がった。

 だが、問題もあった。下手にそこらへんの食堂で食べてもあまり美味しく感じなくなってしまったのだ。

 つまり、もう他のところで食事をしたとしてもあまり満足できないという弊害もでてきてしまったのだ…。

 ある意味恐怖のパルクス料理である。

 食べるためには今後の人生、覚悟が必要である。



「いいえ、パルクスと私は警察ではないですよぉ」

 俺がパルクスの料理の事を思い出していると、リズリーから否定の言葉が聞こえた。

「え?違うのか?佐々木刑事も一緒にいたからそうだと思ったが…」

 佐々木刑事も二人に敬語を使っていたようだったので、俺はてっきり二人は警察内のお偉いさんにでもなっていたのかと思った。

「彼らとは協力関係を結んでいるだけですわぁ。私達の詳しい所属については隊の皆が揃ってからお話をいたします」

 と、リズリーは言った。

「わかった…」

 残念だが、リズリー隊の事は皆がそろってから聞くとしよう。

 それにしても警察と協力…か。国家秘密の匂いがプンプンするぞ。


 次に昨日襲ってきたバイク集団について聞いてみることにした。


「なぁ、リズリー。昨日のバイク集団ってなんなんだ?」

 俺がそう聞くと、リズリーは、

「あれは羽射刃暗という不良集団ですわぁ。昨日隊長の家に押し入った集団と同一の連中です」

 え?あいつらもワイバーン…いや、羽射刃暗なのか?ってか、またあいつらかよ!なんで俺を常に狙ってくるんだ?

「どうやら隊長への報復のようでしたの。彼らのボスは隊長のご活躍で捕まったようですからぁ」

 あぁ、なるほど。そういうことか。

 それにしても行動が早いな。今後も気をつけなくてはいけない。と、いうことか…。

「私達も警戒を続けますわぁ」

 と、リズリーは言ってくれた。

 私達も警戒を続ける?パルクスとリズリーの二人だけ。ではなさそうな言い方だな…。

 警察でも無い二人が警戒をする。ということなどできるのだろうか?






 ホテルに着くと、早速会議室へ向かった。

 エレベーターに乗り込もうとすると、

「やぁ!」

 と、一人の男性が声をかけてきて一緒に乗った。いや、もう一人の男性が後から入ってくる。

輝明てるあきさんでしたか!ホテルの中にいらっしゃったのではなかったんですね」

 リズリーは驚きつつ頭を下げて挨拶をした。

 パルクスも同時に頭を下げる。

「ん。はは、ちょっと観光をしてきた」

 と、輝明さんは笑って言った。


 輝明という人物は一言で言うと好青年である。歳は20代後半かと思われる。

 常に笑顔が張り付いた…というのは失礼かもしれないが、笑顔が良く似合う青年である。


鬼一郎きいちろうさんも。この度はありがとうございました」

 リズリーは輝明と呼ばれた男性の後からエレベーターに入ってきた男性にも頭を下げる。

「いやいや、かまわぬよ」

 と、鬼一郎と呼ばれた男性は言った。


 鬼一郎という人物は和服を着た青年である。長い髪を後ろで束ねている。歳は輝明という人と同じ20代後半かと思われる。


 誰なんだろうこの二人。


「このお二人は今回のホテルなどの手配をしてくれた方達ですわぁ。もっといろいろとしてくださったのですが、詳しくは皆が集まってからにいたしましょう」

 リズリーが俺の気持ちを察してか説明をしてくれた。


 エレベーターはいつの間にかパルクスの操作で10階に着いた。


 俺達は降りて会議場へ向かう。


 会議場の近くまで来ると、二人の男女が待っていた。

 ん?神埼 邦治さんとレイーヌではないか!

 レイーヌはわかるが、なんで邦治さんが?


 邦治さんは俺達の存在に気が付くと慌てて駆け寄ってきた。

「ど、どうも輝明様!そして鬼一郎様!お待ちしておりました!」

 邦治さんはそう言って頭を下げた。どうしたのだろう。いつもの冷静さが失われて額に汗を浮かべている。

「ん?あぁ、昨日もそうだったけど、そうかしこまらなくていいよ。では、中に入ろうか」

 輝明さんは笑顔でそう言った。


「あの…」


 今度はレイーヌが俺に話しかけてきた。

「昨日は大丈夫でしたか…?」

 レイーヌは朝送ったメールでも心配をしてくれていたな。

「あぁ、メールでも送ったとおり、大丈夫だったよ。その…井野口さんやそこにいる二人にも助けてもらったしね」

 俺は周りにスレード隊以外の人がいたため、デルクロイの名前を今世の名前へと言い換える。

「そうでしたか…本当にご無事でよかった」

 そう言ってレイーヌはホッとしたように胸をなでおろし、俺に抱きついた。


「ゴホン!」


 邦治さんが咳払いをした。

「と、とりあえず中に入ろうか」

 俺は慌ててレイーヌにそう言った。

 俺がレイーヌを連れ、会議室に入るとき、邦治さんが俺の耳元で、

「しかし…君が清堂家の関係者と知り合いとは…君は何者なんだ?」

 と言って来た。

 こっちが聞きたいよ!

 まぁ、そんなことは婚約者の父親へ言うことはできないので、

「もしかしたらその事がこの話し合いで分かるかもしれませんよ」

 と、適当な事を言っておいた。


 僕とレイーヌと貴方の義兄のデルクロイは転生者です!テヘ☆

 なんて言えないよな…。



 予定時間の30分前には全員揃っていた。

 俺はそれまで特に話をせず、輝明さんと鬼一郎さん、邦治さんの会話に耳を傾けていた。

 どうやらどっかの会社の資金の運用方法について話し合いをしているようであった。

 え?あの二人は経営者なのか?

 三人の話を聞いていて判明した事だが、どうやら輝明さんと鬼一郎さんそして邦治さんは元々今日会合を開こうとしていたらしい。

 集まるのが今日で都合がよかった。だの、運がいい。など言っているのが聞こえてくる。

 なるほど。だからリズリーから連絡があった後彼らはこんなに早く来れたのか…。


「さて、これで全員揃ったかな?うん、揃ったようだね。では少し時間は早いけど、話を始めても良いでしょうか?」

 輝明さんのこの一言でこれから重要となる話が始まった。

 皆の表情が一気に引き締まる。


 皆これから始まる話に集中して聞き入る姿勢だ。



 そしてまさかこの時、俺達転生者の情報が一気に判明するとは思わなかった。



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