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オニとまいごとクリスマス  作者: 千歳 晃
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バードン・ブルーと さかさませかい

今日はクリスマス・イブ。ここはヨーカドーのふきぬけ広場。

「プシュー!」 白いモクモクといっしょに、バードン・ブルーがやってきた。

テレビで見るのとちがう、ホンモノのバドーン・ブルーだ。


「ねぇ、ようちゃん。バードン・ブルーって、なにお兄さんがへんしんしてるんだっけ?」

ママがしつもんしてきた。ママは、ボクによくしつもんをする。


「ナトリお兄さんだよ」

ママのしつもんにこたえるのが、ボクのとくいわざだ。


「そうだったわね。ようちゃん、よくおぼえてるわねぇ」

ママはそういって、ボクのあたまをワシワシする。

しつもんにこたえると、ママはいつもほめてくれる。

でも、ここはそとだから、いいこいいこはやめてほしい。



「バードン・キーック!」

バードン・ブルーのひっさつわざが、かいじんブレイコーにさくれつした!


「ぐわあああ! しかし、われがたおれても、ひみつけっしゃイビル・ザ・シータはふめつなり!」

かいじんブレイコーは、ふきぬけ広場からにげていった。バードン・ブルーのしょうりだ!


ホンモノのバードン・ブルーは、テレビでみるよりもちょっぴり小さくみえたけど、かっこよかった。



「ボボン!」

大きな音といっしょに、小さなおりがみがたくさんふってきた。

それからあたりはシンとして、


ぱちぱちぱち


すこしおくれて、はくしゅの音がきこえてきた。

となりでママもはくしゅしてる。

まだじょうずに音はでないけど、ボクもはくしゅをした。


ぱちぱちぱち



ななめうしろで、ジャンバーを着たおじさんが、大きなせきをした。

右どなりのおばさんは、そのまたとなりのおばさんと、シンとしたときいがいおしゃべりしてた。

あしくみをしたおねえさんは、ずっとスマホをながめてた。


ふきぬけ広場には、はくしゅをする人と、しない人がいた。

こういうとき、ママはいつもはくしゅをする人だ。

だからボクも、はくしゅをする人なんだ。



 

ヨーカドーのマックで、ママとアップルパイをはんぶんこしてたら、ママのスマホがプルプルってなった。


「サンタさんから、ようちゃんあてにメールがきたの。よういちくんへのプレゼントは、バードン・ブルー・ゴーグルでまちがいないですか?ですって」


メールをよみながら、ママはフフッとわらった。

ボクはサンタさんからのしつもんにこたえる。


「ちがうよ、おねがいしたのは、バードン・ブルー・ウォッチだよ」

「あら、そうなの? サンタさんったら、うっかりやさんね」




アップルパイをたべおわって、いまボクとママはオモチャやさんにいる。

サンタさんがプレゼントをまちがえないように、バードン・ブルー・ウォッチのしゃしんを、メールで送ってあげるんだ。


「あら、加奈ちゃん、ようちゃん、こんにちは」

バードン・ブルー・ウォッチをさがしていると、さとるくんのママがやってきた。


「まあ、絵里さん。きぐうね~ どうしたの?」

さとるくんのママとママは、とってもなかよし。


「それがね~、ダンナがプレゼントの予約してたんだけどさ・・・

「まあ、そうだったの~ うちもさっきね・・・


さとるくんのママとママは、とってもおしゃべり。

ママは、「ちょっとゴメンネ」ってかおをしてから、さとるくんのママとはなしこんでしまった。


そうだ、いまのうちに、バードン・ブルー・ウォッチをみつけちゃおう。



「カシャン」


バードン・ブルー・ウォッチをさがしていると、オモチャうりばのすみっこから、ちいさな音がきこえた。

おもわず音のしたほうをみると、そこには さくらいろのカスタネットがおちていた。

おとしものなら、ちゃんとおとしたひとに、とどけなくちゃいけない。


カスタネットをひろうと、うちがわがカガミになってることにきづいた。

おもいだした。これは「ドーラ・コンパクト」だ。

「ドーラ・コンパクト」でへんしんするのはたしか・・・


そんなふうに、うちがわのカガミをみていたら



ぐるん!



 

・・・てんじょうから、オモチャのたながニョキニョキはえているのがみえる。

ゆかからのびた けいこうとうが、かいそうみたいにユラユラしてる。


いっしゅん目のまえがまっくらになって、気づいたら、ぼくはヨーカドーのてんじょうに立っていた。

てんじょうがゆかになって、ゆかがてんじょうになっちゃった。

パパとさかだちあそびをしたときみたい。


ゆかだったてんじょうをよくみると、クラゲみたいな、とうめいなものがたくさん見えた。

とうめいなものは、ゆかだったてんじょうを、おもいおもいにウロウロしてる。



こわい。


さみしい。


ママはどこにいるんだろう?



むねががキューってなった。

てんじょうになったゆかを、これいじょう見たくなかった。


ボクはゆかになったてんじょうにうずくまった。


・・・そしたら


「カズハ! こんなところにいたのかよ~」

とつぜん、うしろから声がきこえてきた。


おっかなびっくりふりむくと、そこにはオニがたっていた。

バードン・ブルーとおんなじ、青い色をしたオニだった。


初投稿です。なにとぞよろしくお願いします。

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