電人 第二のテスト!?
データ測定と、ゲーム大会を繰り返す日々が一週間程続いた。
そんな日々、突然、柘榴がこんなことを言い出した。
「喜びなさい、三郎田。今までの身体能力測定は終わって、次からは集団生活テストに入るわよ! まだちょっと早いかなとは思うけど、データ収集はほとんど終わったから、次のステージに移るわ」
集団生活テスト。次も言われた通りにしていれば問題ないと、気楽にしていた三郎田に衝撃の発言が飛び出す。
「次の集団生活テストをあなたが生前通っていた県立中山田高等学校で行おうと思っているのだけどぉ、どうかしら?」
「え?」
あまりの出来事に、三郎田はつい聞き返した。
「だから、あなたが県立中山田高等学校に編入して、集団生活を実験的に行う訳よぉ。いつまでも会社の実験室じゃあなたもつまらないでしょ?」
「でも、いいんですか? 俺が学校に行っても……」
三郎田のしおらしい態度を、柘榴は笑い飛ばした。
「電人プロジェクトの責任者であるこの私が、学校で実験を行うと言ってるのよ! 問題はないわ、任せなさい」
三郎田が波佐間 三郎田であった時には嫌いだった学校に行けるということに、これ程嬉しく思える日が来るとは思っていなかった。
「ただし、あなたはもう波佐間 三郎田ではないからねぇ。電人として学校に編入してもらうわ。そして、あなたが波佐間 三郎田であることは口外しないで頂戴。特にあなたのことは上にも報告していない機密事項なのだから……」
それでも、三郎田にとっては嬉しい事だった。また、友達に会えることが何よりも嬉しい。
「じゃあ、俺は学校ではなんて呼ばれるんですか? 電人?」
「それに関しては社長の前で言っちゃたでしょ。あなたの名前は電人、電人サブロウタ」