第31話 統合開始
王都主核が、わずかに震えた。
【七核同期率:52%】
【異常同期検知】
「……来た」
地下空間に警報が鳴り響く。
赤い紋様が主核内部に浮かび上がる。
「帝国側が統合を開始した」
エリシアが即座に解析を展開する。
【帝国側核出力:急上昇】
【統合位相接続:進行中】
遠方の核が、一斉に赤く染まる。
黒い星が、空で明滅する。
リリナが叫ぶ。
「これ止めないとどうなるの!?」
「七核が一本化する」
ルドガーが低く言う。
「その瞬間、均衡は消える」
「暴走?」
「制御不能の単一核になる」
俺は主核を見つめる。
内部線が強制的に再接続されている。
【統合完了予測:2時間】
「早い」
「実験じゃない。本気だ」
ゼルヴァインは賭けに出た。
帝国も王都も巻き込む覚悟で。
「遠隔では止めきれない」
俺は決断する。
「主核内部に入る」
「内部?」
エリシアが振り向く。
「意識干渉」
「危険すぎる」
「でも最短距離」
リリナが即答する。
「行くなら一緒」
「だめだ」
「だめじゃない」
視線がぶつかる。
だが時間がない。
【統合進行率:63%】
主核の鼓動が強まる。
地下が揺れる。
「……私も入る」
エリシアが言う。
「理論補助が必要」
ルドガーが低く告げる。
「国家の命運を預ける」
「預かります」
俺は主核へ手をかざす。
【主核内部接続 開始】
視界が白に染まる。
意識が引き込まれる。
光の海。
無数の線。
七つの巨大な光点。
そして――
対極から迫る、赤い奔流。
その中心に、立つ影。
「ようこそ」
ゼルヴァイン。
核の内部空間で、彼は待っていた。
「これが、世界の再設計だ」
七つの光が一つに集まり始める。
【統合進行率:71%】
時間はない。
思想と理論の最終局面が、始まる。
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