表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
落ちこぼれ理論士、戦闘ログで世界のダンジョン構造を解析する 〜倒せない敵は設計で崩す、都市防衛から国家建設へ〜  作者: 空条ライド


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

15/33

第15話 断片の核と崩し方

 第四層へ足を踏み入れた瞬間、空気が明らかに変わった。


 湿気に混じって、鉄のような匂い。


 壁の奥から、低い振動が伝わってくる。


【魔力濃度:高】


【断片反応:強】


「……近い」


 俺は小さく呟く。


 リリナが剣を握り直す。


「ボスって感じ?」


「断片の核だと思う」


 通路の先、広い空間が開ける。


 中央に、黒い結晶の塊。


 第八層の球体ほど整ってはいない。


 歪で、粗い。


 だが、脈動している。


【断片核 確認】


 次の瞬間。


 床が割れ、三体の異形が現れた。


 背中に結晶を背負った四足。


 先ほどより一回り大きい。


「複数かよ!」


 リリナが叫ぶ。


「落ち着け!」


 教官が指示を飛ばす。


 前衛が構える。


 だが、さっきと違う。


 供給の流れが見える。


 三体すべて、中央の断片核と繋がっている。


「本体は中央!」


「じゃあ壊せば!」


「待て!」


 未来の断片が走る。


 核を直接攻撃。


 暴走。


 洞窟崩落。


 多数負傷。


「核は最後だ!」


「理由!」


「供給逆流が起きる!」


 ミレイがすぐ理解する。


「守護体と同じ理屈……!」


「まず個体を削る!」


 三体が同時に突進。


 速い。


「左二、右一!」


 声に反応し、レオンとリリナが分かれる。


 剣と炎が交錯する。


【個体A 損傷率:30%】


【個体B 損傷率:25%】


【個体C 損傷率:20%】


 だが、回復が始まる。


 中央の核が光る。


【供給周期:2.1秒】


「短い!」


「供給早すぎ!」


 だが、読める。


「二秒後、同時供給!」


「分かった!」


 リリナが踏み込む。


 レオンが横から斬る。


 ミレイが凍結。


「今!」


 結晶部分に集中攻撃。


【個体A 損傷率:68%】


【個体B 損傷率:55%】


【個体C 損傷率:50%】


 核が強く脈動。


「第二段階来る!」


 守護体と同じだ。


 損傷が一定以上で、供給増幅。


【供給量:上昇】


「三体同時に来るぞ!」


 未来が、重なる。


 三方向からの挟撃。


 回避不能に近い。


「後退一歩、三角陣!」


 レオンが叫ぶ。


 瞬時に陣形が変わる。


 黒い爪が迫る。


 だが、軌道が見える。


「右はフェイント、本命は左!」


 リリナが受け止め、レオンが反撃。


【個体B 撃破】


 一体が崩れる。


 だが、核が激しく光る。


【供給逆流兆候】


「まずい!」


 残り二体が暴走気味に動く。


 速度増加。


 攻撃力上昇。


【暴走率:上昇】


「削りきれ!」


 リリナが叫ぶ。


 炎が炸裂。


 レオンが踏み込む。


【個体A 撃破】


 最後の一体が突進。


 俺の方へ。


 未来が一瞬見える。


 右に半歩。


 刃が空を裂く。


「今だ!」


 レオンが背後から斬り裂く。


【個体C 撃破】


 三体、崩壊。


 だが。


 中央の断片核が、最大出力で脈動する。


【供給逆流:発生】


「来る!」


 床が震える。


 魔力が暴れる。


 洞窟全体が唸る。


「核を固定!」


 俺は叫ぶ。


「ミレイ、凍結で外殻を固めろ!」


「了解!」


 氷が核を包む。


「ティナ、逆位相!」


「……いく!」


 魔力波が干渉する。


 核の脈動が乱れる。


【供給周期:不安定】


「レオン、集中一点!」


 剣が振り下ろされる。


 亀裂。


「リリナ、全力!」


 炎が核を包む。


【断片核 損傷率:60%】


 だが、反撃が来る。


 魔力衝撃波。


 全員が吹き飛ぶ。


【味方損傷:軽〜中】


 立ち上がる。


 核はまだ生きている。


【損傷率:63%】


「硬い……!」


「でも崩れる!」


 未来が見える。


 供給逆流のピーク。


 その直後、内部空洞。


「三秒後、最大隙!」


 全員が構える。


 一、二、三――


「今!」


 レオンの剣。


 リリナの炎。


 ミレイの氷。


 ティナの逆位相。


 四重の干渉。


 核に直撃。


【断片核 損傷率:100%】


 黒い結晶が砕ける。


 魔力の嵐が収束する。


 洞窟が静まり返る。


【灰牙洞 断片反応:消失】


 息が荒い。


 だが、立っている。


 教官がゆっくりと頷く。


「……本物だな」


「何がです」


「理論が、外でも通用することだ」


 俺は砕けた結晶を見つめる。


 第八層の断片より小さい。


 だが、同じ波形。


【構造解析 更新】


 マップが広がる。


 灰牙洞は、ネットワークの一端。


 もっと大きな流れ。


 街規模。


 国規模。


 世界規模。


 崩せる。


 理論で。


 積み重ねで。


「……始まりだな」


 レオンが呟く。


「ああ」


 俺は答える。


「ここから先が、本番だ」


本話もお読みいただき、ありがとうございました!


少しでも続きが気になる、と感じていただけましたら、

ブックマーク や 評価 をお願いします。


応援が励みになります!


これからもどうぞよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ