得られない幸福の天国
掲載日:2026/01/13
ふわりと足をつける。
そこは包み込むような白い雲でできていて、僅かにパステルがかっている。
天からは柔らかな光が降り注ぎ、それらの全てを空間と雲が吸収している。
そうして温められた雲に身をうずめる。
呼吸という概念があるので顔だけ出して。
背中側まで包まれ、安心する。
天敵もいないし、自責もない。
望むなら静かに肯定される。
いつまでも眠っていてよいし、やめてもよい。
夢とここの間でうつらとしていられる。
抜け出して起きる。
家に帰る。
家は全部の家があって、アパートと三重と白い一軒家。
全て平和で誰も怒っていなくて、笑顔で、無条件に愛されている。
お母さんはエプロンをつけてくれていて、老いているけどやはり綺麗だなと思った。
お父さんは不幸そうじゃなくて、それはつまり幸福そうで。きっと望む成功を収めていてくれているのだろう。
頭を撫でてくれるし抱きしめてくれる。
無下にしたことを謝ってもくれる。
そうしたら全てを許したいと思う。
全部が存在している。
妹達を含めた思い出も。
妹達がいなかった頃の思い出も。
鮮明に思い出せるし体感できる。
一見不要な全ては引き出しにしまってある。
絶対的な確証を得られる。
今日はここで終わり。




