第9話 国王が真実を知った瞬間、国がさらに混乱した件
大陸Bの特使に連れられ、
俺とエリシアは再び玉座の間へ向かっていた。
(……今日だけで何回王様に会うんだよ。俺は王城の社畜か?)
エリシア
「ユウト、今回は“本当に重要な会議”になるわ」
俺
「今までのはなんだったんだよ」
エリシア
「政治家のパフォーマンス」
(だよな……)
■ 玉座の間に入った瞬間、まさかの光景
王は玉座に座っていた。
だが、その表情はいつもの“死んだ魚”ではなかった。
混乱、困惑、恐怖。
そして——怒り。
(……なんだ?)
側近たちもソワソワしている。
議員たちは無駄に胸を張っている。
愛護騎士団は“なぜか最前列”を陣取っている。
(お前ら何の権限でここ来てんだよ)
書類監査眼:
【王国愛護騎士団:
本日の不法侵入:3回目】
(草)
■ 国王、ついに“禁史院の存在”を認める
王は俺たちを見て、低く言った。
「……勇者ユウト。監査官エリシア。
そなたらが禁書倉庫で見たもの……すべて、事実なのか?」
エリシア
「はい陛下。
この国の成長を二百年間止め続けた“禁史院”が存在します」
王は拳を強く握った。
「……二百年……。
余の知らぬところで、この国が……?」
(王様……少しは気づけよとは思うけど、まあ今は言わないでおこう)
書類監査眼:
【王のショック:本物】
【禁史院の存在を本気で知らなかった】
【罪:怠慢/暗愚】
(まあ……この人は自己保身タイプじゃなくて“無能寄り”か)
■ しかし、政治家が割り込んでくる
ドランゴ議員が勢いよく前に出る。
「陛下!!
禁史院の存在は勇者の誤解です!!
勇者は大陸Bに洗脳されております!!
断固として勇者を拘束し、取り調べを——!」
王
「黙れ」
玉座の間が静まり返った。
(王様……初めて“王様っぽい”こと言ったな)
ロマーノ卿
「で、でも陛下、それは誤解を与える——」
王
「誤解を与えているのは、そなたらだ」
書類監査眼:
【王、ついに覚醒】
【議員たちの責任回避:無効化】
(え……王様めっちゃカッコよくない?)
エリシア
「……陛下、やっと動いたのね」
■ 大陸B特使が“最終爆弾”を投下する
特使は王に向き直った。
「王よ。
我々が伝えに来たのは、もうひとつ重要な情報です」
王
「なんだ」
特使
「禁史院は……
“王国だけを停滞させている”のではありません」
玉座の間がざわつく。
特使
「禁史院は、大陸Aとも繋がっています」
(ここで大陸Aが出てくるか……!)
書類監査眼が急激に光る。
【禁史院と大陸A:機密協定あり】
【王国の停滞:大陸Aにとって都合が良い】
【王国の成長阻害:外部誘導の可能性大】
俺
「……は?」
エリシア
「大陸Aが……禁史院のバックに……?」
特使
「はい。
王国が弱いままでいてくれたほうが、
“大陸Aにとっては支配しやすい”のです」
(やっぱり虎の威を借る狐じゃなくて、
“虎に首輪をつけられた狐”だったんだ……)
■ 愛護騎士団が発狂する
愛護騎士団リーダー
「なっ……!!
大陸A様がそんなことするわけない!!
デマだ!!」
特使
「その証拠がこちらです」
巻物を広げると、大陸Aの印章と封書が。
【王国管理計画
——王国の製造業・交易の権限を
大陸Aに移管する案】
愛護騎士団
「いやいやいや!!
これは誤解を与える表現だ!!
大陸A様はきっと善意で……!!
きっと王国を導こうと……!!」
俺
「はい出た、“痛みを伴う改革”の擬態」
書類監査眼:
【愛護騎士団の認知:崩壊】
【大陸Aへの盲信:継続】
【論理的思考:なし】
【思考:宗教領域】
(ここまで来ると哀れだな……)
■ 王国政治家たち、大崩壊
ドランゴ議員
「ま、待て……!
大陸A様がそんなことを……?
お、俺たちは……強い国に従っていれば安全だと……!」
書類監査眼:
【ドランゴ議員:精神的ダメージ大】
【信念:崩壊】
ロマーノ卿
「こ、これは誤解を与える文書だ!!
きっと偽物だ!!
真意は違う!!
誤解だ!!誤解なんだ!!」
書類監査眼:
【文書:本物】
【ロマーノ卿:現実逃避】
【発言修正:本日32回目】
エリシア
「誤解の魔法も現実の前には効かないわね」
◆
■ 王、重大な決断を下す
王は頭を抱え、
しばらく沈黙していた。
が、ついに立ち上がる。
「……勇者ユウト。
監査官エリシア。
そして大陸Bの特使よ」
王は深く息を吸い——
玉座の間に響く声で言い放った。
「“禁史院を暴き、停止せよ。
王国を二百年縛ってきた枷を断ち切るのだ”」
(ついにキタ!!)
書類監査眼:
【王国:ついに前例を破壊する方向へ】
【禁史院:焦り】
【政治家:混乱】
【愛護騎士団:パニック】
エリシア
「やっと……スタートラインね」
俺
「よし。
禁史院のアジトでも黒幕でも、
全部暴きに行ってやる」
王
「勇者よ。そなたに任せる。
——この国の未来を取り戻してくれ」
(ついに王様、本当に王様っぽくなってきたな)
愛護騎士団
「勇者行け!!
我々は安全圏から応援している!!」
(お前らは来るな)
——第9話 完。




