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二つの命、ひとつの家族  作者: 櫻木サヱ
発達障害の確定と療育の本格化

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18/19

外出や集団活動での反応

家庭での療育が少しずつ軌道に乗る中、あやと健太は双子を連れて地域の子育て支援センターへ向かった。外の世界に出るのは、赤ちゃんたちにとっても親にとっても大きな挑戦だった。周囲の音や人の動きに敏感な双子の反応は、家庭とはまた違った形で現れる。


「あ、泣きそう…」

あやは小さくつぶやきながら、抱っこ紐で赤ちゃんを支える。健太も手を添え、赤ちゃんの動揺を和らげようと試みる。しかし、片方の赤ちゃんは周囲の声や光に驚き、泣き出してしまった。もう一人は、穏やかにおもちゃに触れて遊んでいる。


専門スタッフは丁寧に対応し、親に声をかける。「大丈夫です。赤ちゃんたちはまだ環境に慣れていないだけです。焦らず少しずつ慣れさせていきましょう」

その言葉にあやは胸を撫で下ろすが、心の中では「もっと順応してほしい」という思いと「今はまだ焦る時期じゃない」という現実の間で揺れ動く。


集団活動では、他の子どもたちの元気な声や動きに圧倒される赤ちゃんたちの様子を、あやと健太は慎重に観察する。泣いたり手足をばたつかせたりする一方で、互いに触れ合いながら少しずつ遊べる瞬間もある。小さな変化に目を向け、成長の兆しを見つけるのが二人にとって大事な時間だ。


帰宅後、あやは赤ちゃんの行動を日記に記録し、健太は動画を見返して分析する。「今日の外出は成功だった部分もあるね」

疲れと不安は残るが、小さな進歩を喜び合う二人の間に、確かな絆が生まれている。


夜、寝かしつけの後、あやはそっとつぶやく。「外の世界は怖いけど、少しずつ慣れていけばいい…」

健太も隣で頷き、「どんな反応でも、二人で支えていこう。焦らず、ゆっくりと」と答える。


家庭の中だけでなく、外の環境でも親子で試行錯誤を重ねながら、双子の個性と成長を見守る日々。小さな成功と失敗の繰り返しの中で、二人の親としての覚悟と愛情はより深まっていった。


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