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二つの命、ひとつの家族  作者: 櫻木サヱ
発達障害の確定と療育の本格化

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療育の本格化と親の葛藤

診断が確定してから、家庭での療育は日常の中心となった。専門家から教わった遊びや刺激、言語発達のサポートを取り入れながら、あやと健太は毎日、赤ちゃんたちと向き合う。しかし、同じ家庭で育てる双子であっても、その反応や成長のスピードはまったく異なる。


「今日も手先の反応があんまり…」

あやは片方の赤ちゃんを見ながら深いため息をつく。健太も、もう一人の赤ちゃんが順調に成長している様子と比べ、心中で葛藤が生まれる。愛情は変わらずあるが、焦りや不安、苛立ちが時折交錯する瞬間もある。


療育に加えて、日常生活の中での観察も重要だ。授乳やおむつ替えの間、あやは赤ちゃんの目の動きや声の反応を注意深く観察し、少しの成長も見逃さないよう記録する。健太は動画や写真を使って、その日の様子をデータとして残し、次回の療育の参考にする。


そんな日々の中で、二人は自分たちの葛藤にも向き合う必要があった。疲労と不安からくる苛立ち、思うようにできない自分への自己嫌悪。しかし、夜寝かしつけた後、あやと健太は互いの手を握り、「二つの命、ひとつの家族」という言葉を心の中で繰り返す。どんな困難でも、二人で支え合う覚悟を再確認する瞬間だ。


ナースの美咲も定期的に家庭訪問し、親の心理的負担を和らげるアドバイスを送る。「完璧を目指さなくて大丈夫です。少しずつ、できることを増やしていきましょう」と温かい言葉をかけられると、あやは涙を流しながらも笑顔を作る。健太も、家族としての支え方を改めて考える。


日々の小さな成功体験や、双子のわずかな成長は、疲れや葛藤の中でも二人の希望となる。療育の本格化は、親子の絆を試す日々だが、同時に愛情の深さを再確認させる時間でもあった。二人で向き合うことで、どんな困難も乗り越えられるという信念が、確かに芽生えていた。

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