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二つの命、ひとつの家族  作者: 櫻木サヱ
発達障害の確定と療育の本格化

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診断確定と親の心の整理

双子が生後数か月を過ぎた頃、あやと健太は再び小児科を訪れた。前回の相談から日々の観察と記録を続け、専門家の助言を受けながら、二人で育児のリズムを作ってきた。しかし、その成果とは裏腹に、片方の赤ちゃんの発達の遅れは顕著になってきていた。


診察室で医師が慎重に話し始める。「お二人の観察や記録からも明らかに、発達障害の傾向が確認されました。診断名としては、自閉スペクトラム症(ASD)の可能性が高いです」

あやの胸が一瞬凍る。思わず手で口を押さえ、涙が込み上げる。健太も声をかけたいが、言葉が出ず、ただ赤ちゃんを抱きしめながら深呼吸する。


医師は続ける。「診断は確定ですが、早期の療育や支援が非常に効果的です。家庭での観察と専門家による療育を組み合わせることで、成長の幅は広がります」

ナースの美咲も加わり、具体的な療育方法や家庭での対応を丁寧に説明する。二人にとっては新たな現実の重みと、同時に希望の光が差し込む瞬間だった。


帰宅の道中、あやは赤ちゃんの手を握りながら小さな声でつぶやく。「現実は思ったより厳しいけれど…私たちにできることはある」

健太も肩を落としつつ、「二人で支えれば、大丈夫。どんな困難も、家族で乗り越える」と静かに答える。


家に戻ると、家庭での療育の計画を改めて整理する。朝と夜の時間に遊びを取り入れ、泣き声や表情の反応を細かく観察。小さな成長を見逃さず、成功体験を積み重ねていくことが大切だ。

あやは記録帳に今日の出来事を書き込みながら、涙を浮かべつつも、二つの命を抱く責任と愛情を再確認する。健太も同じ気持ちで、赤ちゃんを見つめながら支える覚悟を固める。


診断が確定した日、二人は改めて家族としての絆を強く意識する。困難な道のりでも、二つの命を抱き、互いに支え合い、愛情を注ぐ日々が続くことを、心の奥底で深く刻み込むのだった。


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