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二つの命、ひとつの家族  作者: 櫻木サヱ
出産から発達障害の可能性

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13/14

家庭での療育開始と親の葛藤

発達相談を終えた日から、あやと健太の家では少しずつ「療育」の時間が始まった。専門家のアドバイスをもとに、赤ちゃんの発達段階に合わせた遊びや刺激を取り入れる。片方の赤ちゃんは指先を器用に動かし笑顔を見せるが、もう一人は手足の動きがぎこちなく、目の焦点も合いにくい。


「ああ…やっぱり差が目立つ…」

あやは赤ちゃんを抱きながら、胸の奥に湧き上がる不安と葛藤を抑えることができない。健太もそっと隣で赤ちゃんを抱き上げ、「でも、僕たちが支える。小さな一歩でも、大切に育てよう」と声をかける。


療育の時間は楽しい瞬間もあるが、同時にプレッシャーが伴った。思うように反応してくれない赤ちゃんにイライラしたり、泣かせてしまった自分を責めたりする瞬間もあった。二人は時折顔を見合わせ、疲れた笑顔で「大丈夫」と言い合いながら、互いに励まし合った。


ナースの美咲から送られた助言も心に留める。「焦らず、日々の小さな変化を楽しんでください。できることが少しずつ増えていきます。親も成長の一部です」

その言葉に、あやは涙を浮かべながらも、赤ちゃんに向かって笑顔を作る努力をする。健太も、二人の赤ちゃんの違いを受け入れながら、成長の小さな瞬間を見逃さないよう心を配る。


夜、双子が眠った後、二人はリビングで静かに話す。「療育って…正直、上手くできているのか不安だけど…」

健太は赤ちゃんの寝顔を見つめ、「少しずつでも前に進めばいい。二人とも愛している。だから大丈夫」と優しく答えた。あやも頷き、深呼吸をして心を落ち着ける。


二つの命を抱えながらの療育は、親にとって体力的にも精神的にも負担が大きい。しかし、その一つひとつの時間が、赤ちゃんの成長を支え、二人にとっての愛情の深さを実感させる。焦りや葛藤の中で、親子の絆は少しずつ強くなっていった。


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