発達障害の可能性が具体化してくる
日々の育児が続く中、あやと健太は双子の成長の違いに少しずつ敏感になっていた。片方の赤ちゃんは、よく笑い、手足を活発に動かす一方で、もう一人は泣き声が弱く、目の焦点も合いにくい。授乳やおむつ替えのとき、二人のペースの差が目立つようになっていた。
「同じ月齢でも、ずいぶん違うね…」
健太は疲れた表情で赤ちゃんを抱きながらつぶやく。あやも小さくうなずく。「うん…でも、これって本当に個性の差だけかな…」胸の奥に小さな不安が積もっていく。
ある日、育児相談のために小児科を訪れた二人は、医師とナースに再度詳しい観察を受ける。医師は慎重に赤ちゃんの動作をチェックしながら、「片方に発達の遅れが見られる可能性があります。ただし、まだ確定はできません。家庭での観察を続けながら、定期的にフォローしていきましょう」と説明する。
ナースの美咲は手を取りながら、「日々の小さな変化を記録して、気になることがあればすぐ相談してください。早めの対応が、将来の安心につながります」と親身にアドバイスする。
あやはメモ帳に細かく観察したことを書き込み、健太もスマートフォンで写真や動画を記録していく。二人で情報を共有し、少しでも見落としがないように心がけた。
夜、家に戻ったあやは、赤ちゃんを寝かせたあと、健太と向かい合って座る。「正直、不安でいっぱい。でも…どんな道でも、一緒に乗り越えたい」
健太はそっとあやの手を握り、「僕たちが支える。どんな違いがあっても、二つの命は同じ家族の一員だ」と力強く言った。二人は涙を流しながらも、抱きしめる小さな命に向けて愛情を深く刻んでいった。
双子の成長に伴う小さな違いは、二人にとって不安と葛藤の種となる。しかし同時に、二つの命を守る責任感と愛情は日に日に強まっていく。日々の観察、ナースや医師の助言、夫婦での話し合い。すべてが、家族としての絆をさらに深める時間となった。




